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夢心地ではいられない


カタンカタンと列車が音を立てて揺れ動く

なんだかその揺れは心地良い

暖房の効いた列車は暖かい

そして、無事に街から離れられたことに自分は安堵している

ホッと息を吐くと、何だか解放感に満ちた


揺れの心地よさからか、安心したからか、だんだんと眠気が襲ってくる

まだ、街を離れてから一分も経っていない

次の駅までまだ何分かある


まあ良いか

どうせ、気にすることではない


そのまま、眠りにつく

次に起きた時は、太陽が真上ほどに来ていれば良いな




























キラキラと輝く、眩しいものが瞼越しに見える

いや、見えるのはおかしい


太陽がもう、真上に来たのだろうか

その割には、あまり眩しくない



「起きたのかい」



誰もいないはずの列車から、しかも、私の目の前から声がした

確か、私は二人がけの席が向かい合ったボックス席に一人で座っていた

まさか、始発に出た列車に乗る人がいるのか

いくら何でもそれは変だ、私がいるのはボックス席だ

わざわざ向かいの席に座るなんて、そんなに人がいるわけがないじゃないか

珍しく、自分が焦っていることに、焦っていた



「色々考えてるみたいだけど、取りあえず現実を見てくれないかい」



目を開けてくれよ、とその人物は言う

確かにそうだ、と目を開ける



えっ……







列車の中は、群青と微かに白い無数の光に溢れていた

おそるおそる窓を見ると、外は輝く星空で溢れかえっていた

それを見ただけで異常に気づかないほど、自分は愚かではない

流石に太陽が沈むほど寝た覚えはない

何がどうなっているのか



「僕には目もくれないのかい。まったく、君らしいね」



そういえば、誰かが私の正面に座っていたような気がする

声がした方に、顔を向ける



「やっと、目が合った」



そこにいた少年は端麗な顔で綺麗に笑っていた
















いや、君は誰なの







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