第10話
「……あれ。何でしょう、これ……?」
ティータイムも終わり、私たちは仲良く手を繋ぎ書庫までいく。
習慣となった手を繋いで歩くのは、もう辞めることなんてできません。
私たちはまだ双子ですし、それに五歳児なんです。
何ら不思議はないでしょう?
いつものように、各々が読みたい本を手に取り本の世界に入り込んで数時間。
私の持っていた本がちょうど終わったので、私はその本を机に置き、その足で今まで行ったことのなかった奥まで進みました。
奥になるにつれ、誰も使ってないのか少し辺りが暗くなりました。
それなのに誇りっぽくないのは、やはりこの家が貴族だからでしょうか?
本棚に並べられている本の題名を流し見ながら、歩を進めていく。
奥まで進んで壁がある行き止まり、そこに少しこの部屋のデザインとは異なる扉がありました。
後から取り付けられたのか、それとも建て直したのか私にはわかりませんが、なにかこの奥に素敵なものがあると、私のカンがいっています。
「玲音!ちょっと来てください!」
「、ん?悠華?どうしたの……。」
急いで玲音の所まで駆け寄り、玲音の腕をつかんでさっきまでいた奥まで進みます。
玲音は、普段の私と違うことに戸惑っているのか、大人しく私に腕を引かれて進んでいます。
「……こんなドアあったんだね。」
「ですよね、少し気になりまして……。」
開けていいものかいけないものなのか……。
少しの葛藤を私の中で行っていると、玲音はサラッと答えます。
「開けよっか。」
「え、……いいんですかね。」
「いいよ、だって僕達の家だよ?」
それに、怒られるくらいの場所なら鍵がかかってるでしょ。
なんて、いいつつもう玲音手は取っ手をひねっていた。
開けた先は………………………………
「……な、に……これ……?」
「え、……え、?」
開けた先には壁一面に広がる本棚と、限界が見えないほどの天井。
本棚に入り切らなかったのか、床に積まれた本たち。
そして、……飛び回っている本たち。
そう、飛び回っているんです。
それはもう悠々と。
積まれた本が一冊ずつ浮き上がり、迷うことなく、目的地であろう場所に飛んでいく。
「……ねぇ、玲音。これ……」
「…………本が、飛んでる?」
私たちは今までで一番情けない顔をしているでしょう。
貴族の嗜みとして講義でならう、鉄壁の仮面なんかこの時はちゃんと機能してくれなくて。
ただただ呆然と飛び交う本たちを立ちすくんで見ていました。




