第5話 委員長からは逃げられない
第5話:委員長からは逃げられない
(LEINの通知音)
「委員長? 急にどうしたんですか、こんな時間に」
「少し聞きたいことがある。最近のお前の行動は、目に余るな」
「え? 身に覚えがありませんが……」
「身に覚えがないだと? 本気でそう言っているのか? ……じゃあ、これはどう説明する」
「……これ、菜奈と話してるだけですけど? 部活の業務連絡ですよ」
「業務連絡? 私が見る限り、お前も相手も非常に楽しそうに見えるが。
……あの女と話すのは、そんなに『楽しい』のか?」
「そりゃ……あいつと話すのは結構、気が合うっていうか……」
「ほう。やはり風紀が乱れているようだな。私以外の女子との不純異性交友。
これは校則違反、いや、私の『許容範囲』を逸脱しているぞ」
「部活の話すら俺はできないんですか!?」
「……私を入れて三人で話すなら許可しよう。それを拒むなら、やはりやましいことがあるということだな」
「わかりました、わかりましたから! それでいいですから!」
「よろしい。聞き分けのいいやつは好印象だ。
……だが、本題はここからだ。これはどういうつもりだ?」
「……っ! なんで、この写真を持ってるんですか!? 俺、誰にも見られてないはずじゃ……」
「お前を見張っていた時に、たまたまな。……安心しろ、まだ返事はしていないことも知っている。
相手は八神美緒。身長155センチ、最近のブームはアクセサリー。……スリーサイズまで、
すべて把握済みだ」
「なんで……なんでそんなことまで…」
『私以外の女がお前に寄りつくことを、私は断じて看過できない。お前に相応しい女は、この世に私一人だけだ』
「委員長……?」
「……分かったか? お前の隣にいるのは、私のみだ。安心しろ。明日にはその“問題”も解決している。
……もちろん、あの菜奈とかいう女のもだ。……証拠はいくらでもある」
「やめてください! そんなこと!」
「あいつらが、私の『私物』に手を出したのが悪い。相応の報いを受けてもらうだけだ。
……だが、お前がどうしても止めてほしいと言うなら、一つだけ条件がある」
「……条件?」
「……もう来ている。お前の家の前だ。今すぐ降りて来い。
お前と私が『深く愛し合っている』証拠写真を撮るぞ。それとも……」
『もっと大胆な行為の記録でも、私は一向に構わんぞ……?』
――委員長に目をつけられていた時点で、俺の人生はもう彼女の手のひらの上で詰んでいたのだ。




