451.閑話~表向きと本命+地下酒場での縁結び
『労咳』という病の不利をかかえて、最強軍団を作った『武田信玄公』ですが。
『立木仙元』『御宿監物』という侍医2人の名前が、ドラマ・コミックに登場するくらいには知られている。他の戦国大名と比べ、『医術』を重視していた片鱗が見られます。
そして『武田信玄公』の健康に、大きく影響を及ぼしたのは『湯治』でしょう。他国にも温泉はあり、他所の戦国大名たちも温泉に入っていたでしょうけれど。
湯治をしている武将としてイメージされるのは『武田信玄』であり。
実際、『湯治』を最大限に活かしたのは『武田信玄公』だと愚考します。
『金・貨幣』の力は偉大です。
物々交換とは比べ物にならないほど、商業を活発化させ。財を築くチャンスをもたらし、蓄えれば大きな買い物を可能とする。
〔金で心は買えない〕と、いう主張は夢想に等しく。忠誠も、信用も大金がなければ得られず。”飢えという地獄”を作るのも、防ぐのも金の有無が重要です。
巨大な経済圏を作り、戦争を引き起こすことも、収めることもできる。そんな金の力は、絶大と言えるでしょう。
ただし『神様』ですら、やらかしている。この理不尽な世界において〔金の力は絶対だ!〕と、いうことはなく。
少なくとも『物資』の購入で苦労しなくなった、腕利き冒険者たちの『充足感』を買うのは、けっこう難しい。
命を危険にさらし、大勢の命を救い、突発的な事態に対応してもらい。
それだけ働いてもらって〔いつもと同じ報酬です~♥〕と、言うのは勇士を愚弄している。
〔無能騎士・クズ貴族よりも働いてますけど。冒険者だから、”使いもしないお金”が報酬デ~ス♡〕と、言われれば。
何人かの冒険者は不満をため込み、いつかその不満を爆発させる。
あるいは『ため込んだモノ』によって意欲を失い、厭世的になって、歪んでしまうかもしれない。
その不満を放置するのは、ギルドとして危機管理ができていないのか。戦士たちの苦労を理解も、想像もしない。命がけの戦果に”寄生”する、害悪の類と言えるでしょう。
「さあ飲むぞっ!」「命の選択だ!!」
「おつぎしますっ‥」「冒険の成功にカンパ~イ^・^」
そういうわけで怖い受付嬢は席を外して、裏方に回り。
いつもと、今までとは違う『宴』をプロデュースしていた。
「これは珍しい酒だな」「酔って、味がわからなくなる前に飲むべし!」
「タダ飯の代わりに歌えっ、踊れっ」
「一発芸を求む!!」「名勝負をしたヤツには駄賃をやるぞ」
とりあえず冒険者ギルドで、大騒ぎをするスペースはないから、別の広い場所を確保したり。
味が薄く軽めのツマミから、ボリュームのある食事を出す流れで『食事コース』を組み立てる。アツアツの料理を食べられるよう、タイミングを計って調理・給仕を行う。
これだけでも、いつもと違った体験になるが。
「『作業場』を見せろだと⁉」
「はい。『物作り』の苦労を知らない、私たちに最低限の知識を得させてほしいのです」
「そんなことをして、わしらに何の得がある!」
「『素材』の採取を、少しは真面目取り組んだり。鉱山・河川を破壊しかねない、”やらかし”を避けようとする。『装備』の手入れをして、大事にする者を一人でも増やす。
わずかでも冒険者の皆さんに、良い影響をもたらすかもしれません」
「‥・・ッ、少しだけだ!ふざけたことをしたら、たたき出すぞ!!」
「寛大な心に、感謝いたします」
〔『金』さえあれば店に並ぶ、高品質の装備を得られる〕
〔村と都市部の『技術格差』なぞ、考えたことも無い〕
よく言っても、世間知らず。はっきり言えば、”無神経にやらかす予備軍”な、無学の冒険者たちに『職場見学・体験』をさせて、世間を少しでも学ばせ。
「いいかっ!一期一会な流れ者なら、村人を威嚇して『依頼』をこなすのもアリだろう。
しかし”性悪な山賊村”は、少しばかり威嚇したくらいで、ビビったりせず。
まっとうに生きてる村人からは、嫌われ距離を置かれるばかり。
長期的に依頼を出してもらう、村人の心証を悪くして良いことなど一つたりともない!」
「「「「「はいっ!」」」」」
「よって村人に親しまれる、『芸事』を身につけるぞ!
まずは一発芸のネタを百種かんGぁ:ア:*ーgAァァァァ!:?」
「・・・・・ー・」
「「「「「・・!-・—・」」」」」
先日の『酒宴』を楽しんで、宴会芸にハマるのは自由だが。
それが万人に通用すると安易に考えたり。”冒険者の恥”をさらすことは、けっして許されない。
講義に割り込んだミスティムは、丁寧にその重要性を説明し。
「まあ、得意な『歌』をいくつか覚えるのはいいでしょう。
『似顔絵』を描いたり、『踊り』のリズム感があるのは有用です」
「了解です、統括!!」×10
『芸事』を教えるのには適切ではない。文字通りの『ムチをふるって』、講義を変更させたりもしたが。
中レベル以下の冒険者たちは、普通の依頼をこなしていては体験できない、様々な経験を積んでいき。
それから数日後に、ベイスンをはじめとした冒険者たちが密かに集い。
冒険者の今後と【報酬】について、会合を設けていた。
「皆様、よく集まってくださいました。
それでは会合をはじめましょう」
「「「「「はい、統括!」」」」」
「・・・・~・‐<」
そして会合は始められたものの。
ベイスンはわかりやすく”不満の気配”を発して、参加者たちの注目を自らに集めていき。
「ミスティム様、会合の前に少しよろしいでしょうか?」
「なんでしょう、ベイスンさん」
「この会合は冒険者、全員に影響を与え。何より、ここに集った者たちの一生を左右する、重要案件について語る場です。
その大事な場で、一介の受付嬢が進行役を務めるのは、いかがなものかと」
「私の主様に出向けと?」
「めっそうもございません。
俺の家族・パーティーにとって、恩人は貴女一人であり。この『計画』を主導した要人が受付嬢のままでは、内外どちらからも侮られるリスクがある。
それを避けるために、貴女にはギルドマスターになってもらいたい。大手を振って活動できるようにするべきだ」
「・-・-・・・」×5
美辞麗句を告げる、クズ貴族のような言動だが。
今回の案件は、文字通り多大な影響を周囲に与え続け。ベイスンたちの人生に【栄光と満足】をもたらす、最重要の案件だ。
無駄に年齢を重ね、思考停止していた中年がトップになるなどあり得ないし。
”盗賊ギルド”と”内通”していた疑惑のある、名前を忘れたギルマスなぞ論外もいいところだ。
これから冒険者ギルドを率いるべき人物が、一人しかいないのは一致した意見であり。
「・・・まずは今回の会合が終わってからよ。
予定外の発議で、決めていい内容ではないわ」
「ごもっともでございます」
〔忙しくて面倒だからイヤ〕と、いう視線を感じるが。別にベイスンは恩人様を、酷使して面倒ごとを押し付けたいわけではない。
〔女王のように君臨して、『功績』に見合った待遇を受けて欲しい〕と、いうのがベイスンの願いであり。今回は、その決意表明?をしただけだ。
そんなベイスンの『お願い』なぞ聞かなかったように、ミスティム様は会議を進めていき。
「それでは今回の成果を発表してください」
「はい、まずは鍛冶師とのつながりですが・・・
「『ゲーム』が得意なのは、この者たちで…・
「『楽器』の心得があるのは、たった4人しか…・
「『料理』のセンスがあるのは、こいつらでしょう…
先日に行われた。冒険者たちが、様々な場所を訪れ異業種の見学・体験を行った、『成果』が語られていく。
その大半は〔興味なさそう〕〔前より、少しマシになった〕と、いう『人員のふるい落とし』を報告するものが大半だったが。
同時に『依頼料の分割払い』で変化していく、冒険者に必要な人材を見出す、『試験結果』の発表会でもあった。
〔優れた戦士は、優れた戦士を育てる『教官』に、なれるとは限らない〕と、いう言葉があり。
二流の冒険者であるベイスンは〔この言葉を理解した〕と、思い込み。
どうしようもない父親は、危うく娘の未来を閉ざすところだった。
〔優れた戦士は、優れた戦士を育てる『教官』に、なれるとは限らない〕と、いう忠告が真に意味すること。
それを端的に言うならば〔『教官』の仕事を侮るな〕と、告げており。
より深く解釈するならば〔訓練をするのにも、相応のコストがかかる。戦士を引退したら、すぐに教官を務められるほど、『教導』は甘くない〕と、いうことだ。
そして、それは『依頼料の分割払い』に関しても同様であり。
初期に冒険者の報酬にあてた、借金を支払った。混成都市の宰相様から借りていた、大金を完済したから、あとは儲けるだけだ・・・とはならない。
『依頼料の分割払い』を通じて、冒険者ギルドと依頼人のつきあいを継続しつつ、連絡をとりあい。
そのコネを使って『情報』を入手したり、依頼の数を増やす。
『金』以外の報酬を得て、冒険者の未来をつかみ取るのが目的だ。
そのためには、様々な『才能・教養』が必要であり。
「ありがとうございます。
皆さんからの『人材評価』を参考にして、冒険者ギルドのスタッフを増やし。
よりいっそう『依頼料の分割払い』に伴う、『利益』を増やせるように励みましょう」
「「「「「・・・-^・^」」」」」
ミスティム様のお言葉を聞いて、この場に集まった者たちの顔に笑みが浮かぶ。
誰もが望んで得られなかったものを獲得できる、確かな可能性を見出し。
〔やっぱり前のギルマスは、クビか傀儡するかの二択だろう〕と、確信した。
『依頼料の分割払い』を、単なる『借金の取り立て』と考えたり。高利貸のマネごとをしたり、〔従来のギルドと同じ体制で、事業を回せるだろう〕と、目先のことしか考えない。
そんな”愚か者”ができるのは、冒険者たちの未来を食いつぶすだけであり。
せっかく『依頼料の分割払い』でコネを作っても、無理な取り立てをすれば信用を失う。
多様化して増えるであろう『依頼』を、ギルドスタッフが対応して、さばけなければ。〔旧にもどる〕どころか、以前よりも”マイナス”になりかねない。
大事な家族に昏い影を落とす、”害悪”になりかねず。
様々な『見学・体験学習』によって、若手の冒険者たちの才能を見出し。
ギルドスタッフを増やしたり。『依頼』をオネガイして誘導するのは極めて重要なことだ。
「それでは今回の『体験試験』に対する、【特別報酬】を出します。
口止め料も兼ねてますし、今後も協力してもらう。
それら込みでの『先払い』であり。
初めての試みなため、不具合が発生した際の『迷惑料』も入っています」
「「「「~!-^・・…・」」」」
その言葉を聞いて、まず驚愕し。それからミスティム様の言葉を信じられず。
そのまま歓喜が広がることなく、大半の冒険者たちが呆けている。
それほど用意された報酬の『家族が安全に暮らせる家』は、1級冒険者の渇望していた【モノ】だ。
上級の冒険者が大金を払うことで、『パーティーの拠点』は獲得できるが。
『一般人の家族も、安全に暮らせる家』は入手できない。
得るどころか”強盗の類”を呼び寄せて、”帰ったら、残っているのは灰だけだった”と、いう”惨劇”もあり得る。
他にも大事な人が病を患っていれば、”治療詐欺をやらかす生臭い神官”が何をするか知れたものではなく。
まさに未来をもたらす『安全な家』を報酬にした、ミスティム様はベイスンにとって救世主だ。
「なお住居への引っ越しがすんだら、次には『食事事情』『治療プラン』を優先する!
個人で求めている情報・装備や土地などは後回しになるが・・・
主であるナイキス様の名にかけて、必ずや提供することを誓おう」
「!!?っ!」「ありがてぇ・・;」「ありがとうございます!」
「はいっ、ハイィぃぃぃ!」「問題ありませんぜ!」「^・;」
その後、子供たちの『学習環境』が、『治療プラン』の次に整えられるが。
その報告の席で、ミスティム様が冒険者の新しいギルドマスターに就任することが、満場一致で決定した。
世の中には”理不尽”と感じることが多い。
そして地下酒場という、(ハーレムで夫の地位にある)シャドウたちが退避する場所では、その理不尽が手を変え品を変えて殺到する場所であり。
かつて情報屋だったミゲルは、その地下酒場を経営しつつ。愚痴・秘密情報を聞く”穴ぼこ役”として、最底辺の立場でこき使われていた。
「それでは談合を始める…水姫様の要望に応え、いかにして縁結びをするか。
今日は、それについて意見を交わそう」
「「「「承知した」」」」
〔・・・・-・〕
先日まで、ハーレムの戦姫どもに拉致監禁されていた。アン様からの依頼内容について、別勢力の魔女たちから尋問を受けていたミゲルとしては、言いたいことがいくつもあるが。
自らの不満を訴えても、鼻で笑われるだけであり。
野郎どもがC.V.様からの難題に頭を悩ます姿を、見物するのはミゲルにとって数少ない気晴らしになっている。
かつて盗賊ギルドに所属していた、ミゲルが調べた『情報』の伝達を、上回る速さで動き。手紙・連絡員を狩り立てて、情報屋たちの手足をもぎ取り。
それでも苦労して情報を集め、逆襲の作戦を立てたら、力で罠・刺客を壊滅させられ。
その後、盗賊ギルドの幹部に”作戦失敗”の責任を押し付けられた、ミゲルたちを助けたのはシャドウの男どもだが。(女シャドウたちは情報屋を”覗き魔”あつかいして、『処刑』を主張していた)
仮にも情報屋だった者としては、シャドウが悩む姿を見てると、昏い喜びを感じてしまい。
仲人役の『ご命令』を仕損じたら、巻き添えでミゲルまで制裁されるリスクが高くとも。どうしても愉悦を感じてしまうのを、彼は抑えられなかった。
そんなミゲルの前で、談合は進められていき。
「『美酒・精力剤を飲ませる』
『ダブル逢瀬で、その気にさせる』
『政略結婚を計画して、ミンナのためにハーレムを作らせる』
それぞれの計画の意義を確認するぞ!!」
「「「「おうっ!」」」」
〔何でもかんでも反対するわけにはいかない。
戦力を適宜投入するように、反対意見を出すタイミングを見定めなければ…〕
有用な意見を言い過ぎれば、C.V.様の近くに配置される”危険な役目”を押し付けられ。
事なかれ主義で沈黙し続ければ、現在の偽バーテンよりも、さらに底辺の役目を任命されかねない。
そんな事態を避けるため、ミゲルは平静を装いつつ、思考をめぐらせ。
「酒・薬は『陽動』に使うのみ一択だ。
警戒させて『感知能力』を疲労させるぞ‥」
「むしろ、わざと飲んで〔お酒の勢いで△ってしまいました。私は悪くない〕とか、なったら大惨事だろうな~」
「・・・なんか、どっかで聞いたことあるハナシだな」
「断じて知らん‥記憶にゴザイマセン‼」
「『ダブル逢瀬』は外部委託しかないだろう。
〔縁結びのため仲人役を務めるために、逢瀬をしているだけ〕
〔他の女性と同じように、逢瀬をしてください〕とか、苦行でしかない」
〔モテ男の自慢か?〕
「〔他の女と同じ〕なんてセリフを信じると、いつの間にか〔他の女性を出し抜いて、何歩も進みましょう〕になっているからな~」
「そんなのマシなほうだ‥くっつける男女をほったらかしにして、『連れ込み宿』に引きずられて行って・・・その後、”女性恐怖症”になった『一芝居』をうってリカバリーするのに、どれほど苦労したことか…
〔それで『変幻の術式』を編み出しました^・^〕なぞと、誰に言える?」
「「「「・・・;^;」」」」
〔・・・・・~;ー〕
極めて稀なことに、ミゲルと野郎たちの心は一つになった。
ちっとも嬉しくなかった。
そして縁結び?仲人??に関する『談合』も、終盤にさしかかり。
「それでは、これより『アノ縁結び』について話し合いを始める」
「「「「ー>・<・ー~-」」」」
「”ニセ悪漢”による襲撃を装い、お姫サマの危機を演出する。
そうしてひろいん危機による『吊り橋効果』で、悪者を倒す王子様と女性陣をくっつける。
伝統的な恋愛アピールで、縁結びを成功させるぞ!!;」
「・・・・・…・」
地下酒場に来る野郎たちは、しょっちゅう頭がおかしい奇行に走るが。
今回のそれは、特にひどい言動だろう。
”三文芝居で男女をくっつけよう”などと、あちこちでバレて恥をさらしている。
少しダメな貴族子弟でもしなくなった。コメディ雷装からもダメ出しをされた、しょーもない企てであり。
まして混成都市に住まう女傑たちは、ドラゴンすら普通に成敗している戦争種族たちだ。
間違っても、ゴロツキごときに後れをとることはなく。周囲にいるC.V.様の気が向けば、『包囲殲滅』をやらかす。
〔衛士にとって一番イヤな仕事は、8割殺しにされたゴロツキを引き取ること。だってゴロツキをたたきのめした、獰猛なドラゴンに遭遇するから〕と、笑えないハナシが秘かに語られており。
〔難癖をつけるゴロツキに化けるなど、リスク高すぎな自殺行為だ〕と、この場にいる誰もが認識しているはずだが。
「しょうがないだろうがっ!
〔縁結びに失敗しました。仲人役なんて務まりません〕と、報告して。
〔それではペナルティ代わりに、一夜妻でいいから彼女と褥を共にしてください〕なんて、言われたらどうなるかっ‼」
「〔相手を間違えました。改めて彼女とも寝所を一緒にしてください〕と、俺のオトモダチの親戚は言われたなぁ~;-~」
「え~、休日無しで『タダレタ昼間』をすごすだけだろう?」
「普通に刺されて、治療されて、匂いを付けられるダケだったな~;」
〔そんな普通があるかっ!〕
ツッコみたい気持ちを抑えて、ミゲルは速やかに『耳栓』を装着する。
空気を振動させて、ロクでもない声音を遮断する『魔道具』であり。下手な武装より高く、使い捨ての『耳栓』は切り札なのだが。
〔この案件を知ると、もっとロクでもないことになる〕と、ミゲルの勘が告げており。元情報屋は危機感の命じるままに、聴覚を封じようと試み。
「ミゲルさんよぉ・・なかなか、いいもの持ってんじゃねぇか」
「-ッ⁉」
背後からかけられた声に、文字通りとびあがった。
もしかしたら錯覚だったかもしれないが。
『耳栓』を取り上げられ、持ち上げて軽々と運ばれて、カウンターから瞬時に引きずり出される。
絶望的な身体能力の差は、ミゲルの理解できる範疇をこえており。驚愕してとびあがったか否かを、偽バーテンダーが確認するすべはなく。
「なぁ~、オレらは困ってるんだ。
そんなオレらの助けになる、妙案とかないか?」
「〔ハーレムに疲れた〕とかポロッともらしたら、『男娼の館』に連行されたことはあるか?
耳をふさぐのは、その口で『打開策』を提案してからにしろよ」
「ハハハっ・・みんな、オレたちは仲間じゃないか^・;
争わないで、この危機を対する作戦を・・作戦ヲ考えよう…;考えようゼ!;」
カツアゲをするチンピラみたいに、正気が怪しいシャドウたちにミゲルは囲まれてしまう。
実際に何があったかミゲルは心底、知りたくないが。
〔カルチャーギャップと言うには、きっつい状況なのだろう〕と、察するのはたやすく。
「こうなったら冒険者たちを、巻き込むしかないでしょう」
まさに〔藁をもつかむ〕気持ちで、逃げ口上を言ってしまい。
その後、おおいに後悔するはめになった。
江戸時代よりも『医術』が遅れていた戦国時代において、『湯治』は素晴らしい効果がありました。
江戸時代の平賀源内が〔薬草を輸入しないで、日本国から探そう〕と、言っているのです。そんな有り様では戦国時代の『薬草』は、稀少なうえに高額であり。
到底、当てにできる物ではなかったでしょう。
それに比べ『湯治』は身体を清潔にして、血行をよくしたり、各温泉の『効能』もあった。そんな『湯治』は、現代人の我々が思うより、重要な『治療行為』だったと愚考します。
そして様々な戦国武将たちも『温泉』を利用して、楽しみましたが。『隠し湯』などと言ってる時点で、利用者は限られており。『湯治場』の開発もいまいちだったり、素人考えで『入浴』したと推測します。
しかし『武田信玄公』の湯治場は、『隠し湯』の二文字が虚しく、日本中に知れ渡っており。さらに『労咳』という病をかかえている、武田信玄公を53年も生き延びさせた実績があります。
その理由は温泉の効能がチートだったから・・・ではなく。
侍医2人のご指導で、適切な『湯治』を行った。そして温泉施設を充実させ、〔湯治から帰るときは、疲労困憊していた〕と、いうことがないよう。温泉に行く道を作ったり、宿の施設を充実させた。
これが『武田信玄公』の強みであり。観光気分で、数十分だけ『湯治』するのとは、わけが違う。
『労咳』という逆境をはねのけて、戦国大名として激務をこなし戦場で戦う。
そんな『武田信玄公』の健康に、大きく貢献したのが〔『侍医』と『湯治』による、治療セットだった〕と、愚考します。




