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ぎぃ。
少し軋むような音を立てて扉は開いた。
「お待ちしておりましたシンジ様。」
日中に相手をしてくれた小太りのおっさんが話しかけてくる。
そのまま応接間のような部屋に通されると、メイド服を着た若い女の人がお茶らしきものを持ってきてくれた。
「早速ですが、営業時間もあまり残っていませんので、商談といきましょう。」
せっかちさんめ。
「初めてでよくわからないので、まずいろいろ教えていただけますか?」
説明はパンフレットと大差無かった。
しいて言えば、犯罪奴隷、終身奴隷、契約奴隷の区別だけ。
犯罪奴隷は、犯罪者に対する刑罰であり、一生解放ができないことと、領主への許可申請・登録が必要になる。
もっともな話だ。
仲間が買い戻して解放でもしたら、刑罰がただの罰金になってしまう。
一定以上の重い罪を犯した者たちであるので、ほとんどが鉱夫、開拓人夫、奴隷兵などの過酷なところへ売られていく。
終身奴隷と契約奴隷は、有期無期の違いだけ。
年数を〇年と区切ってあるか、一生か。
それによって値段も変わってくる。
もちろん終身奴隷の方が高価になる。
契約奴隷は大体は10年契約で、たまに15年や20年といった切りの良い年数の契約もある。
そんなところだそうだ。
「当商館では、犯罪奴隷は扱っておりません。」
扱いが面倒であるためとのこと。
まあ、わかる。
許可申請やら登録やら、それに犯罪者だ。なにか抜け道とか使って歯向かったり、仕返しされたりしそうなイメージもある。
「契約奴隷は、陸人族。終身奴隷はその他の種族としております。」
いわゆる普通の人間は有期、いわゆるエルフ(森人族)やドワーフ(地人族)なんかが無期。
そうでない奴隷商もあるとのことだが、この商館ではそういう扱いらしい。
「価格はピンからキリまで、様々です。」
最安値は、陸人族のおばちゃん(50歳)で料理人。10年契約で50万ゴル
最高値は、森人族の娘(13歳)で魔法使い。終身で3億ゴル。
差が激しすぎんだろ。
50歳じゃ旅はキツそうだし、定住して定食屋でもやるならいいかもしれないがパスだ。
13歳のエルフ娘は、長い寿命で考えればコスパは良いんだろうが、高すぎる。
「身の上で同情できそうな感じの人っていますかね。」
少しでも罪悪感を減らすために聞いてみた。
だって奴隷だよ奴隷。
日本でも、社畜とかって半奴隷みたいな話はきいたことあるけど、こっちの世界ではガチだ。
同情の余地のある人を好待遇で。
でもなければ、日本人的良心が耐えられなくなりそうだし。
「大体が借金のカタや税を払えなくなった、家族の治療費などですからね。
まあ中には、賭け事や決闘というものもいますが。」
そりゃそうだ。誰も望んで奴隷になんかならないよな。




