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赤ずきんを被って森へ入ったら、銀狼が助けてくれました(継母と双子の妹にはもう懲り懲り)  作者: 風野うた
第二章 ブリシア公爵家のアリアドネ

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91/148

91 王子からの手紙 中

楽しい物語になるよう心がけています。

どうぞ最後までお付き合いください!!


 ライナスはフェルナンデスにジャイルの手紙を渡した。


 早速、何が書かれているのかと確認してみると『婚約おめでとう』の一文のみ。


「お祝いの手紙・・・ですか」


―――七日前、ライナスとアリアドネが隣国へ向かっていると、原因不明の崖崩れが発生し、隣国との道が寸断された。


 その影響で両国間は荷物の行き来が出来なくなり、商人たちは悲鳴を上げている。


 ただ、その災害のおかげで、ライナスはアリアドネに求婚し、二人の婚約が決まった。


 不謹慎と言われてしまいそうだが、フェルナンデスは崖が崩れてくれて良かったと思っている。


 けが人は御者だけだったし、道は修復工事を頑張ればいい。何よりも二人の婚約で、帝国の未来の道が開けたのだから。


 ライナスの妃問題はそれくらい深刻な状態だったのだ。


 それに道が寸断されても・・・。


 隣国はこの国の情報を得ている。


 このタイミングでこの手紙が届いたのがいい証拠だ。


 ライナスの婚約はまだ公表されてないのだから。


「残念ながら、私はジャイルが良い奴じゃないと知っている」


 ライナスは人差し指を立て、ボソボソと呪文を唱えながら、便箋の文字に触れた。


 パンッ。


「うわっ!」


 いきなり、紙を矢で射抜いたような音が鳴り、便箋を手に持っていたフェルナンデスはビックリしてしまう。


「ほら、やっぱり!」


 ライナスは彼の手元を指差す。


 便箋に書かれていたお祝いの言葉は消え去って、代わりに夥しい量の文字が紙に浮かび上がっていた。


 フェルナンデスは手に持っていた便箋をライナスに返却した。


 フッと笑みを浮かべて便箋を受け取ったライナスは、文面を目で辿っていく。


 便箋には隣国の王位継承権争いのことが事細かに記されていた。


 ピートアイランド王国の第二王子、第三王子は王位を巡って長年争っているのは有名な話だ。それもこれも、第一王子が病弱で王位継承権を幼少期に放棄したことから始まった。

 

 今回、第二王子、第三王子はブリシア公爵家に孫娘がいるという情報をつかみ、彼女を手に入れようと画策していたらしい。


 ジャイル曰く、ブリシア公爵家は王家筋でかなり力のある家門のため、兄たちは目が眩んだのだろう・・・と。


 しかし、崖崩れの発生により、アリアドネは彼らと会うことなく、ライナスと婚約した。


 彼らの目論見は失敗に終わったのである。


 ところが、話はこれで終わりではなかった。王子たちだけではなく、国王もジャイルとアリアドネの婚約話を進めようとしていたのだ。


 だが、ジャイルはそれに猛反発する。


『婚約者を変更するなんて、絶対に嫌です!』と主張したくだりが、長々と記載されてあった。


「フェル、ジャイルには婚約者がいるらしいぞ!」


「そうなのですか?  初耳です」

最後まで読んで下さりありがとうございます。

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