83 ドアの前で 2
楽しい物語になるよう心がけています。
どうぞ最後までお付き合いください!!
ミアとメリルはアリアドネの私室があるフロアへ向かう。
途中の階段にミアと顔見知りの警備兵が立っていた。警備兵は険しい表情で通り過ぎていくメリルを見るなり『何かあったのか?』と、ミアに視線で問う。
ミアは彼に手を横にヒラヒラと振って『心配するほどのことではない』と伝えておいた。
部屋に近づくにつれ、メリルの歩行速度は上がっていく。ミアは息を切らしながら、必死について行った。そして、寝室のドアの前で・・・。
「メ、メリルさん、ち、ちょっと待って下さい。あ、あの、いきなり部屋に飛び込むのは止めませんか?――――念のために・・・、え、あ、もう一度、私がドアをノックしてみますので!!」
「念のため?――――何故?」
メリルは不機嫌な表情でミアを見る。
「――――先ほどはお休みになられていましたが、今はお起きになられているかも知れませんので・・・。それに突然、入室するのは流石に無粋・・・」
ミアは言葉尻を濁す。メリルは今すぐにでも乗り込んで室内を確認したかったが、ミアの意見を尊重することにした。
――――コンコンコン。
「(殿下~!お返事をして下さい~!!メリルさんが怖いです。これ以上、止められる気がしない・・・)」
ミアの願いも虚しく、寝室からの返事はなし。
メリルはドアノブに手を掛けた。左右に回してみようとするが、施錠されていてピクリとも動かない。
「あ~、もう!殿下は本当に何を考えていらっしゃるのかしら!!――――アリア様にもしものことがあったら、陛下から熱いお灸を据えていただかなければ・・・」
ぶつくさボヤキながら、メリルは持参したマスターキーを勢いよく鍵穴へ突っ込んだ。
ガチャ、ガチャガチャ、カシャ。
「開錠出来たみたいね」
メリルはカギを抜いて、ポケットにしまう。
「では、入りましょう」
メリルはドアノブを固く握って、グイッとドアを押した。ミアは息を呑む。
――――部屋の中を見て、二人は一瞬固まった。そして・・・。
「ああああ~、何ということ・・・、殿下―!!」
ライナスの服が床に散乱しているのを見て、メリルは嘆きの声を上げる。――――その隣でミアは室内の状況を窺う。
薄暗い。灯されているのはベッドサイドの小さなランプだけ。天蓋のカーテンもほとんど閉じられている。
「メリルさん」
怒りで興奮しているメリルの袖を、ミアは横から引っ張った。
「メリルさん、出直しましょう。多分、今は・・・、間が悪そうです」
「間が悪い?――――ミア、何を言っているの!!アリア様が手籠めにされてしまったらどうするの!!」
「手籠め!?」
「そうよ!アリア様は私達が守らないと!!」
真剣なメリルに対し、ミアは困惑してしまう。
「(――――手籠めって・・・。殿下に対して余りにも失礼なのでは?)」
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