66 どうすれば甘い雰囲気になるんだろう 下
楽しい物語になるよう心がけています。
どうぞ最後までお付き合いください!!
「あ~、いや、ただの独り言だ」
ライナスはアリアドネの肩の上で、頭を左右に振った。
「フッ、ウフフフ。くすぐったいです」
アリアドネは笑いながら、背中でライナスを押す。
「あ~~~~~~~!!! もう!!!」
ここで突然、ミアが大声を出して立ち上がった。
「えっ、ミア?」
「どうした?」
アリアドネとライナスは驚いて、ミアを見上げる。
(もしかして、この状況(ライナスに抱っこされている)に対する注意喚起なのでは!?ーーーはい、分かっています。皇子様を椅子にしてはダメですよね)
アリアドネは一刻も早く、ライナスの膝から降りなければとオロオロしてしまう。
「記憶を消してください・・・」
(ん~、記憶? もしかして、私は関係無かった?)
「皇家の秘密なんて知りたくありませんでした!!」
「いや、それはお前が聞きたいって言ったから・・・」
「裸になった理由に皇家の秘密が隠れているなんて、誰が思います?」
「いや・・・、それは・・・」
ライナスは上手く言い返せなかった。
ミアに指摘され、確かにその通りだと納得してしまったからだ。
「忘れたい!! マジで忘れたい!! アリア様への忠誠はそのままでいいんで! 殿下~、皇家の秘密に関する記憶だけ、私の頭から消して下さいよぉ~」
ミアの嘆き節が車中に轟く。
(ミア、感情が溢れて、不敬を遥かに超えた発言になっているわ。これは流石に止めた方が良いでしょうね)
「ミア、あの・・・」
か細い声の呼びかけは、ライナスの声でかき消される。
「それは無理だ。覚悟を決めてアリアに一生仕えろ!」
「うううっ、仕えます。仕えますけどぉ~。殿下の秘密は要らないんですよ!」
(あらら、完全に砕けた口調になってしまっているわ。ここまでの話をまとめると、ミアはライナス殿下の秘密を知ってしまったのが重荷になっているということね。ーーー記憶を消すような難しい魔法は使えないけど、せめてライナス殿下の話を聞く前の状態に戻すとか・・・。私の力(時魔法)で何とか出来ないかしら)
「ライナス殿下、私の・・・」
「ストップ!! アリア、ダメだ!」
彼女の思考が読めたライナスは即座にアリアドネの口を手で塞いだ。
そして、小声で彼女の耳元へ話しかける。
「まだ君の力は秘密にしておいた方がいい。それと、ミアはアリアの専属侍女になったんだ。皇家の秘密は知っておいた方がいいだろう」
「でも、あの強気なミアがこんなに・・・」
ミアを心配して瞳を揺らすアリアドネ。
しかし、ライナスは毅然とした態度を貫く。
「強気というか・・・。無鉄砲なだけだろう。ことの重大さに気付いて今は動揺しているが、いずれ落ち着く」
彼はアリアドネを安心させるため、彼女の頬を優しく撫でた。そして、顔を上げて、ミアの目を真っ直ぐに見る。
「ミア、皇家の秘密は確かに重いだろう。だが、これからアリアを守っていく上で、私以外の銀狼と顔を合わせることもあるだろうし、時には共闘するかもしれない」
ミアは小さく頷く。
「そういう時に必要となる情報(記憶)を消してどうする。しっかりと胸に抱えて生きていけ!」
「最悪・・・」
血の気のない顔で悪態を吐くミアを見て、ライナスは苦笑した。
も、文字数が・・・。すみません。
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