39 真実の欠片 下
楽しい物語になるよう心がけています。
どうぞ最後までお付き合いください!!
想像を超えた話を聞かされて、アリアドネは目が回ってしまう。
(継母が苛烈な性格だということは知っていたけど、ここまで悪事に手を染めていたなんて・・・)
マティルダは日頃から気に入らないことがあるたび、アリアドネを呼び出してムチで打っていた。今も彼女の背には生々しい傷がある。
(お父様を嫌っているのなら、サッサと離縁すればいいだけじゃない。関係のない人たちまで巻き込んで復讐するなんて、あり得ないわ!)
「アリア、大丈夫か?」
「いえ、身内の所業があまりにも酷くて動揺してしまいました」
「あいつらのことを身内と呼ぶのか?アリア、君は長年使用人として扱われて来たんだろう?」
アリアドネはライナスの口から使用人という言葉が出て、胸がチクリと痛む。住む世界が違うと線を引かれたような気分になってしまったからだ。
「――――はい」
ライナスは話を再開する。
ラース子爵にとって最大の難関はアリアドネだった。彼はクロ―シェ伯爵を亡き者にしても、前妻の娘アリアドネに家督が渡される可能性が高いことを知っていたのである。それはマティルダの実家は男爵家で、アリアドネの母の実家が隣国の王族と血縁の公爵家だからだ。
ラース子爵はアリアドネを先に殺そうかとも考えたが、美しい容姿を使って一儲けしてからでも遅くはないと判断した。
「――――だから、彼は君を他国の娼館に送り込む計画を立てた。しかも、この数日中にクロ―シェ伯爵は君を差し出す予定だった」
「娼館・・・」
(娼館って・・・。酒場とは違って、殿方と・・・)
「私にその仕事は無理です!」
「いや、そこは前向きに考えなくて良いところだろ。君を娼館に送ろうとするのがおかしな話なのだから」
「あ、はい、そうですね」
(私は何を・・・。キャパを超える話で、もう頭の中がぐちゃぐちゃ・・・)
ライナスはアリアドネの手をギュッと握る。
「アリア、君はもう自由だ。これから、何をしたい?」
唐突な質問だった。
「これからですか・・・」
「ああ、好きなことをしていいんだ」
(好きなこと・・・)
黙り込むアリアドネ。ライナスは恐る恐る彼女に聞いてみる。
「もし、君さえ良ければ・・・、(私と共に)ここに居てくれないか?」
「――――皇宮にですか?」
「ああ、(私と共に)ずっと、ここで生活して欲しい」
(ライナス殿下・・・。やはり、この方はとても優しい!!)
「はい、洗い場でも庭師の見習いでも何でもします!!ここで働かせてください!!」
アリアドネは力強く宣言した。
(住む世界は違っても、この人の近くにいたい・・・)
「うわっ、言葉選びを間違った・・・」
「はい?」
「いや、何でもない。いつまでもここに居てくれ・・・」
「ありがとうございます!一生懸命、頑張ります!!」
――――彼は長期戦で行くしかないと覚悟を決めた。
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