23 予想外の理由 2
楽しい物語になるよう心がけています。
どうぞ最後までお付き合いください!!
張りつめた空気の中、口を開いたのは最年少の皇宮捜査官クラウスだった。
「殿下のお客様は冤罪だったのですか?」
クラウスの隣に立っていた先輩、皇宮捜査官のオットーは後輩の無神経な質問に息を呑む。
―――最恐の狼皇子を相手に何ということを聞くのだと・・・。
「ああ、そうだ。彼女は罪人ではなく被害者だ」
「それはクロ―シェ伯爵家から大金を盗んだ犯人ではなかったということですか?」
再度、クラウスがライナスへ質問する。
ライナスは大きく頷いた。
そして、今、分かっていることを彼らに伝える。
「私は今日、クロ―シェ伯爵家にバーゼル公爵と一緒に向かった。そこで、屋敷の使用人が大金を盗んで逃げたという話は捏造されたものだと判明した。今もバーゼル公爵は部下と共にクロ―シェ伯爵家の家宅捜索と使用人の取り調べをしている」
「そうだったのですか・・・。殿下、誠に申し訳ございませんでした!!」
クラウスは大きな声で謝罪を口にした。
「いや、突然どうした!? 何に対する詫びだ?」
「私は主任ジャスパー・カナディに殿下のお客様がクロ―シェ伯爵家の事件の犯人かも知れないと伝えてしまいました」
「何だと!?」
当時の状況をクラウスは語り始める。
本日、クラウスは遅番だったため、午後に登宮。この時、直属の上司である主任皇宮捜査官ジャスパー・カナディーは席を外しており、別の同僚から申し送りを受けた。
ここで、彼はライナスが昨夜、客人を皇宮へ連れて来たということを知る。そして、その客人は若い女性だということも。
しばらくするとラース子爵家の御令息ヨアヒムが皇宮捜査局に現れた。
―――ちなみにヨアヒムは皇宮で法務関係の仕事をしている文官だ。
彼はこの場でクロ―シェ伯爵家の使用人が大金を持ち出したという話を始めた。
しかしながら、皇宮捜査局の捜査範囲はその名の通り、皇宮の中だけと決まっている。
だから、彼の対応をしていた皇宮捜査官フランツは、その案件はここでは取り扱えないとヨアヒムに伝えた。
ところが、ヨアヒムは手配書だけでも目を通して欲しいと、無理やり犯人の特徴が記されている紙を置いていったのである。
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