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赤ずきんを被って森へ入ったら、銀狼が助けてくれました(継母と双子の妹にはもう懲り懲り)  作者: 風野うた
第二章 ブリシア公爵家のアリアドネ

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105/105

105 怪しいドリンク

楽しい物語になるよう心がけています。

どうぞ最後までお付き合いください!!


 いつの間にか子供の姿に戻っていた賢者ゴールは怪しげなドリンクを手に部屋へ戻って来た。


(緑と銀色と紫色・・・。一体、何が入っているのかしら)


 アリアドネとライナスは顔をしかめる。嫌な予感しかしない。


「さあ、準備が整いました。始めましょう」

 ゴールはベッドサイドのテーブルに怪しいドリンクをおいた。そして、一瞬で大人の姿に変身する。


「どうして、また姿を変えたんだ?」


 ライナスは彼に聞いた。


「大人の姿の方が魔力を放出し易いからです。皇子、あまり私のことは気にしないで下さい。では、アリアドネ様、このドリンクを飲んで下さい」


(あ、やはり、飲むのね・・・)


「これは何ですか?」


「体力を回復するためのお薬です。アリアドネ様はほんの少し前まで仮死状態でしたから、しっかりと回復してから、私に魔力を貸していただきたいのです」


 どんなに怪しく見えても、真っ当な理由を言われてしまったら、もうライナスは止めることが出来ない。


 ギラギラ艶めいている怪しげなドリンクをライナスはチラリと見た。


「―――分かりました。一応、お聞きしますけど、お味は?」


「・・・」


 アリアドネの問いにゴールは無言で微笑む。


―――これは絶対に不味いヤツ・・・。


 ライナスとアリアドネは同じ感想を抱く。


(だけど、飲まないと次に進めないのよね・・・)


 アリアドネは怪しげなドリンクに手を伸ばす。


(匂いを嗅いだりしたら、飲めなくなってしまいそうだわ。覚悟を決めて、一気に飲もう!)


 腹をくくったアリアドネは勢いよくドリンクを飲み始めた。


「あ、アリア!」


 思わず声が出てしまう、ライナス。


(うっ、うううっ~、マズい・・・。青くさいし、生っぽいし・・・)


 気を抜いたらえずいてしまいそうだ。


 自然に涙が湧いてくる。


(あと少し、もう少し・・・)


 アリアドネは根性で最後まで飲み切った。


「偉い! アリア、よく飲んだ!!」


 ライナスはアリアドネの頭をぐるぐる撫でて、彼女を労う。


 正直なところ、ライナスはアリアドネがこの怪しげなドリンクを最後まで飲み切れるなんて思ってなかった。


「ご立派です、アリアドネ様。お身体はどうですか? ぽかぽかしてくるような感じはしますか?」


 ゴールはアリアドネに今の状態を問う。


「お腹が温かくなってきましたけど、お水を少し貰えませんか? 後味が・・・」


 アリアドネは顔を歪める。


 ライナスは部屋の隅に置いてあるワゴンのところへ走って行って、用意されていたポットからグラスへ水を注いだ。そして・・・。


「アリア、これを」


 ライナスはアリアドネにグラスを渡す。


「ゴール様、飲んでもいいですか?」


「ええ、構いません」


 アリアドネは一応、ゴールに確認してから、水に口を付けた。


(ああ、生き返る~。変な味も、変な香りも早く消えて欲しいわ~)


「皇子、アリアドネ様が水を飲み終えたら、時間を巻き戻す作業に入ります。その前に私はこの手紙に細工をします」


 賢者ゴールはライナスがアリアドネに託した手紙を手に取る。


「この手紙が消滅しないように保存魔法を掛けておきます」


 彼はブツブツと呪文を詠唱し、てのひらに小さな魔法陣を作った。そして、その魔法陣の上に手紙をのせる。


 パチンと弾けるような光を放って、魔法陣は消えた。


「これでこの手紙は時間を巻き戻しても消滅することはありません」



最後まで読んで下さりありがとうございます。

面白いと思ったら評価、感想のほど、どうぞよろしくお願いいたします。


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