3 町についたら王都だったんだが
とりあえず、コルミリョ達と一緒に一番近い町を目指すことにした。大狼くんが乗せてくれたので、速い速い。コルミリョは呼びにくいので、縮めてコル君にしました。それはさておき、なんと一番近い町は大狼の脚力を持ってしても三日掛かった。遠いなー。
やっと辿り着いた町はデカかった。向こうに大きな城みたいのが見える、あれは領主とかのお屋敷かな?とりあえず、荷物の換金と、冒険の依頼が出た時の為に、冒険者登録をする。その為に、あたし達は冒険者ギルドに向かった。ギルドカードさえあれば財布の代わりになるから、楽でいい。ギルドカードから硬貨を出したり、ギルドカード同士を突き合わせてやり取りしたりする。通貨は世界共通でウラという。小銅貨で一ウラ、中銅貨で五ウラ、大銅貨で十ウラ。ここからまた小銀貨で五十ウラ、というように、日本円みたいな進みで進んでいく。銅、銀、金、白、虹の順だ。
閑話休題。
ギルドに入ると、冒険者達が一斉にこちらを見た。ニヤついてる奴もいるから、カモの依頼人でも来たと思っているんだろう。
「冒険者ギルド、王都シェインツェル本部にようこそ!」
いやここ王都かよ。一番近い町が王都とか、ふざけてるだろ、絶対。
「すいません、冒険者登録をしたいんですけど」
「え?あ、は、はい、かしこまりました。ではこちらに冒険者としての名前と職業を記入してください」
「ユキネ、冒険者としての名前ってなんだい?」
「ああ、本名が知られたくない人もいるから、仮名でも登録出来るんだよ」
「へー」
「まあ今回は本名で登録した方が都合が良いけどね」
「分かった」
あたし達が登録手続きを進める中、冒険者達の視線は大きく二つに分かれた。哀れむようなものと、見下すようなものだ。あたしは名字は無しで名前だけ、コル君ももちろん名前だ。職業はメインで使うものだけ書けばいいと言ったら、コル君はテイマーを選んだ。さもありなん。あたしは、うーん、どうしよ。とりあえず巫女でいいや。
「書けました」
「では、確認しますね。……はい、大丈夫です。ユキネさんとコルミリョさんですね、登録します。ランクはGからで宜しいですか?念の為に実力試験も受けられますか?」
「実力試験お願いします」
最初こそ戸惑っていたけど、すぐに切り替えるあたり、このお姉さんプロだなー。
「では、地階の訓練所で行うので、ついてきて下さい」
お姉さんの後にくっついていく。てくてく。
訓練所は広かった。今日は陽の三日で平日真っ盛り。水曜日だ。訓練所は結構がらんとしている。たくさんの的やカカシがいる中を抜けて、お姉さんが比較的キレイな的を指差した。
「ユキネさんは少々お待ち下さい。コルミリョさんは私、Cランク冒険者の拳闘士アリエントが相手させていただきます」
「はーい」
「分かった」
巫女(運気極振り)に何が出来ると思っているんだろうね…。
NAME:ユキネ・ユウナギ
SPECIES:ハーフエルフ(狐獣人)
AGE:10
LEVEL:10
LUCK:∞(限界突破)
JOB:村人Lv2 農家Lv3 狩人Lv2 巫女Lv6 魔法士見習いLv1
HP:67/81
MP:81/87
SKILL:アイテムボックス 鑑定 解体
NAME:コルミリョ
SPECIES:人間(四分の一狼獣人)
AGE:11
LEVEL:18
LUCK:32
JOB:指導者Lv5 狩人Lv6 拳闘士Lv3 テイマーLv8
HP:525/628
MP:45
SKILL:解体 咆哮 鋭爪 鋭牙 睨眼 道標 号令 分配
悲しいくらいの差。こっちは誤差レベルの成長に対してコル君はもう18レベルに…。指導者のレベルが上がってスキル増えてるし。分配スキルで手に入れた経験値をテイムした生き物と共有して誰に何%割り振るか決めれるようだ。そして彼は自分より狼達に多めにいれている。その上でもう一度ステを見比べるとあら不思議、あたしの方が圧倒的に低い。
コル君の打ち合いから始めるようで、狼×8とコル君VSアリエントさん。傍から見れば戦力差がエグいが、さすがに経験を積んでいる人間は違う。狼の攻撃をいなす、躱す、受け止める。すかさず反撃を受けて狼が吹っ飛ぶ。ちなみに、アリエントさんのステがコチラ。
NAME:アリエント・ヴィーガン
SPECIES:人間
AGE:28
LEVEL:46
LUCK:48
JOB:拳闘士Lv9 魔法士Lv1 巫女Lv1 狩人Lv5 暗殺者Lv7 料理人Lv3
HP:2433
MP:765
SKILL:解体 気配察知 気配遮断 影踏み 遮音 壁蹴り 気合 炎拳 遠視 首狩 鑑定 隠蔽 アイテムボックス 料理
色々壊れている。暗殺者7レベルって何だ、この人は何を目指しているんだ。そしてそろそろ狼が限界のようで、コル君の目の前に短剣が突きつけられて試合が終わった。
「お疲れ様でした、コルミリョさん。では、次にユキネさんの試験を行います。ユキネさんは、ご自分の最も得意な加護を私に与えて下さい」
「分かりました」
アリエントさんは鑑定が使えるから、あたしのステの低さも分かっているだろう。きっと良くてEランクだろうなあ。まあいいや。
「運の女神・エナシェルディアに祈りを。彼の者に加護を。ラック・ラック・オーバースペック!」
加護はもちろんエナシェルディア様一択です、当たり前だろ。戦いでは運の無い奴から死んでいくんだよ?
「運の女神の加護は珍しいですね。通常中々加護を与えられない上に普通は風や火の神に祈りますから」
「運は大事なんで」
キリ。すいません困らせました。ところが、ステを確認したアリエントさんの様子がおかしい。どーれどれ…。鑑定。
LUCK:max
……エナシェルディア様、頑張りすぎだろ。




