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【連載版】転生女王の真っ黒覇権  作者: 羽狛弓弦
第1章 私が女王になるまで
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4 オカマの洗の、更正術

 はい、お兄様が都落ちしました。

 王太子の称号がはく奪されたんですよね。

 まあ、婚約破棄を公然としたあげく王妃にしようとしていた人が他国とのつながりのあるスパイだったわけですからね。

 こうなっても仕方ありません。


 これで新たな王太子の座をかけての派閥争いがヒートアップしますね。

 まあ、まだ表立って参加しませんが。

 足の引っ張り合いなんてナンセンスですからね。

 やるならば水面下から一撃で引きずり降ろさないといけません。


 という訳で次の狙いは第3王子のお兄様です。

 ここにも欲しい人材がいるんですよね。

 文官はガルウェン公爵がいるので次は武官です。


 このお兄様の評価なんですが武官にかなり高いんですよね。

 側室腹なのですが、戦えば百戦百勝の常勝無敗の王子様です。

 この人について行けば大陸征服も夢じゃない。

 そう思って彼についている武官も多く側室腹ながら一大勢力を築いているわけです。


 まあ、そんなすごいお兄様がいらっしゃったら私が行動を起こしている訳ないのですがね。

 確かにお兄様は個人としてはかなり強いのですが、集団戦、つまり指揮能力はそんなにないんですよね。

 ではなぜ常勝無敗の王子様なのか。

 大国故の戦力差なのもありますが、一番の理由は影の英雄がいるからです。

 その英雄とはハーゲイ伯爵。


 若くして英雄の名に相応しい武力、知力、判断力、指揮能力を持っていますし、何よりもカリスマがあります。

 彼のおかげでお兄様は戦に勝ち続けています。


 実はお兄様の派閥の大部分はお兄様ではなくハーゲイ伯爵について行っているんですよね。

 そのカリスマ性はとどまるところを知りません。

 ぶっちゃけ彼が王だったらいいのにとすら思います。


 まあ、ついて行っているのはちゃんと仕事をする立派な人だけですが。

 他のお兄様について行っている人たちはダメダメなんですよね。

 軍需物資の横流しはするわ、碌に働かないわ、足は引っ張るわ。

 残念ながらお兄様はそんな人たちを重宝しています。

 完璧にいいようにされています。

 身分があるから尚更質が悪いです。


 いかに戦力差があっても、実質的に動ける人ってこれらの対処のせいで相手よりも少なかったりするんですよね。

 にもかかわらず常勝無敗なのはハーゲイ伯爵のおかげです。

 是が非でも欲しいです。


 彼さえ手に入れば彼の有能な部下は一緒についてくるし、無能な輩は機能しなくなった派閥内で勝手に自滅します。


 では、どうやってハーゲイ伯爵を仲間に引き入れるかです。


 実は彼、ヤンデレのゲイなのです。


 ものすごいパワーワードですね。


 いえ、まだヤンデレでもゲイではありませんね。

 表面上は普通だし、本人ですら気が付いていないというかそんなわけないと否定しているのですが、無意識化で彼は男の人の方が好きなのです。


 ふふふ。

 大丈夫ですよ。

 そのような方は一定以上いらっしゃいます。

 なにも恥ずかしい事ではありませんよ。

 確かに今は異端扱いですが、別世界ではみんなに認知されています。

 むしろ、薄い本を読んで興奮なさるご腐人なんかもございます。

 結婚できる国なんかもございます。

 立派な文化なのですよ。


 そんなに否定しなくてもよろしいのです。

 ご自身を否定することは可能性の否定となってしまいます。

 素直になってご自身をさらけ出しましょう。

 それが新しい扉を開くための一歩です。

 何、御心配には及びません。

 僭越ながら私がお手伝いして差し上げます。

 ふふふ。


 さて、では行動を開始しますか。

 そろそろいい塩梅に仕上がっているはずです。


 実はこの時のために騎士団長の息子さんを捕えたのですよね。

 私に危害を加えた罪で近々処刑になるのですが、何と、脱獄してしまったんです。

 ああ、なんと怖い。

 どこに消えてしまったのでしょうか。

 怖くて怖くて夜も眠れません。


 まあ、脱獄させたのは私なのですが。


 ええ、私が扉を開くお手伝いをさせていただきました。

 あ、違いますよ。

 私を襲った犯人の牢屋の扉を開けるなんて恐ろしい真似は私にはできません。

 私がしたのは新しい扉を開くお手伝いですよ。


 ハーゲイ伯爵の前段階としてね。


 まあ、私は女なので無理なのですが。

 ですので専門家にお任せしました。


 私、中央には仲間は少ないのですが外側には結構いるのですよ。

 左遷されたり、元々いたりした方々とは何度もお話しさせていただいています。


 便利ですよね、転移魔法って。

 長距離転移ってこの世界では伝説上の魔法なのです。

 せいぜいが自分の視覚範囲内でしか使えないのですよね。

 まあ、見えない場所の座標計算とかそうそうできませんからね。


 でも私には千里眼があります。

 見える場所には転移できるので、つまりそういうことです。


 閑話休題。

 それでその専門家ですが、オカマ辺境伯です。

 本当にこの名前なのです。

 日本語にしたら大変ですね。

 まあ、名は体を表すのか本当にオカマなのですが。

 オカマで男が大好きで何人も洗の、コホン! 更正させているどうしようもない方ですが、能力は確かです。

 緊張状態にある隣国を神がかったかのように戦争を回避していますからね。

 趣味さえなければいい人なのですが。

 いえ、その趣味のおかげで助かっていますしなんとも言えませんね。

 だって、緊張状態にある国との外交で、その外交官の新しい扉を開かせたりしていますしね。

 結果、あそこにちょっかいを出すのはヤバいって認識されていたり。


 まあ、今回はそんな彼に依頼して騎士団長の息子さんをお預けしたわけです。

 心をバッキバキに折りまして女なんて信じられない状態にしておきました。

 あとは彼にお任せすれば大丈夫というところでした。


 そして実際には更正には成功していました。

 今は辺境伯がパトロンをしているお店で働いているようです。

 まあ、つまりそういうお店です。


 再会したときはご本人かと疑いました。

 あまりにも変わっていたので。

 新生騎士団長の息子さんは私の事をお姉さまと呼びます。

 背筋がぞわぞわとしました。

 絶対にセレスには会わせたくありませんね。


 なんでも、正しい自分に生まれ変わらせてくれたことを感謝しているようです。

 嘘偽りなく本当に心の底から。


 辺境伯、何をしたらこうなるのですか。

 いえ、見たくありませんでしたので見ていませんでしたので。


 ま、まあ辺境伯はいい仕事をしてくれました。

 これからも適度な距離感で仲良くさせていただきましょう。


 ......なんでオカマってこんなにも強いのでしょうか。



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