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【連載版】転生女王の真っ黒覇権  作者: 羽狛弓弦
第二章 私が大陸を支配するまで
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17 平和を愛する女王

何とか書けた。

 というのはまあ神様視点の話です。

 この私が困っている同郷の人を助けないはずないじゃないですか。

 ええ、たとえ転生したとしても日本の方は私の同郷の方です。

 是が非でも助けないといけませんね。


 え、以前に召喚した異世界人を見捨てた?

 何の事でしょうか。

 私は召喚なんてしていませんよ。

 私は儀式の方法を教えてあげただけですよ。

 それをどう使うかはその人の勝手ですよ。

 そ、れ、に、あのような方を私は同郷の方とは思っていませんから。


 まあ、いない人のことなどどうでもよろしいのです。

 大切なのは今生きている英雄ちゃんです。


 まさに英雄の如き働きをして皇国を救ったにもかかわらず味方に裏切られ、ありもしない罪で今まさに処刑されようとしています。

 英雄ちゃんを見出した皇帝もなんとかしようと躍起になりましたが時すでに遅しです。

 もはや手遅れ。

 英雄ちゃんの処刑を食い止める方法は存在しません。


 まあというのは皇国と倭国での話です。

 皇国は倭国での英雄ちゃんの処刑を食い止めることはできません。

 倭国にとって英雄ちゃんは目の上のたん瘤で何としても処刑しなければなりません。

 まあ、皇国にとっては英雄でも倭国にとっては疫病神とか悪魔ですからね英雄ちゃんは。

 だから、倭国は英雄ちゃんを悪魔と契約を交わして戦禍を拡大させた大罪人として処刑しようとしているのです。

 で、こういう魔女裁判的なのって教会の管轄だったりするのです。

 教会と言っても倭国の教会です。

 当然基本的には倭国の意向に従います。

 しかし、その教会の本拠地は聖都にあります。


 例えば、聖女ちゃん。

 私が頑張った結果ですが、当然彼女は教会内で強い力を持っています。

 その力は教会なら他国でも使えます。

 例え倭国内であっても。

 そして私は聖女ちゃんを助けた救世主です。


 そんな私と聖女ちゃんが、英雄ちゃんの有罪判決に異議を申し立てたら?


 実は以前、ちょっと耳にしたんですよ。

 神の声を聞いたという少女の話を。

 もしそれが本当なら聖人の誕生です。

 教会として放っておくわけには行けませんしね。

 で、会いに行こうとしたわけですよ。

 聖女ちゃんは聖女として。

 私は救世主として。


 が、しかし肝心の英雄ちゃんは倭国で魔女裁判的なので有罪判定を受けたと言うではありませんか。

 私たちが彼女の元に行って聖人かどうか判断しようとしたのに。

 そんな私たちを差し置いて彼女を有罪としてしまったではありませんか。

 判断するのは私たちなのです。


 という事で倭国に行き、英雄ちゃんの再審を要請します。

 で、いろいろありまして英雄ちゃんは無罪となりました。

 当然ですね。

 なんせ私が彼女を無罪にする気満々なのですから。

 倭国が世論のために英雄ちゃんを悪魔と契約した魔女として処刑しようとしたのが悪いのです。

 さっさと戦犯として処刑しないからこうなるのです。


 せっかく無罪になりましたし英雄ちゃんを皇帝の元に返してあげますか。

 英雄ちゃんを助けられなかった負い目もございますし、これからは英雄ちゃんをとても大切にするでしょう。

 きっと彼女を妻に迎えるはずです。


 とまあ、こんな感じに英雄ちゃんを助けましたが、私の本当の目的はコレではございません。

 英雄ちゃんの働きによって皇国軍は盛り返しました。

 戦況としては五分五分ですかね。

 この状況ならここから戦線はそう動かないでしょう。

 英雄ちゃんを無罪にする条件として彼女を戦場に出さないというのがありますしね。

 つまり、泥沼の戦争がまだまだ続くという事です。

 私の予想ですが、英雄ちゃんみたいに突如英雄が現れない限り世代が変わるまでこの戦争は終わらないでしょう。


 両軍とも終わらない戦争に一部を除いて辟易しています。

 しかし、泥沼と化した戦争はなかなか終わりません。

 まあ、終わらせるのはそう難しくないんですがね。

 この状況で戦争を終わらせるには和平しかありません。

 しかし、両国とも状況的に難しいですからね。

 でも、例えば。

 力のある第三者が和平を持ちかけたら?


 英雄ちゃんを助けた時、この国の終わらない戦争を知った聖女と救世主。

 神の代理人である私たちは当然平和をこよなく愛します。

 そんな私たちがこのような戦争をみすみす放置するでしょうか?

 いや、しません。


 という事で私と聖女ちゃんで和平に向けて奔走しましょう。

 戦争はダメですよ。

 話し合いをしましょうと。

 この大陸の最大手の宗教の聖女である聖女ちゃんは皇国でも倭国でも影響力がございますからね。

 もちろん、救世主にして王国の女王でもある私も。

 意外と耳を傾けてくれるんですよ。

 特に英雄ちゃんは私たちに文字通り命を救われていますしね。


 というのは表向きの話ですけどね。

 もちろん私は裏で暗躍します。

 各々の国の重要人物をえさで釣り、信者にし、脅しと八面六臂の大活躍です。

 とまあ、表向きは平和を歌いながら裏で確実に和平になるように交渉します。


 で、もちろん和平は実現しました。

 決まった国境ラインも理想的ですね。

 やっと戦争が終わってみなさんホッとしています。

 そしてもちろんこの光景は大陸中に輸出したテレビで映っています。

 みなさんこう思うでしょう。

 私と聖女ちゃんは100年続く戦争に終止符をもたらした平和の使者であると。


 ふふふ。

 理想的な状況です。

 帝国などと違って両国を実質的に支配しているわけではございません。

 が、和平の過程で両国ともに随分食い込むことができました。

 そして何より私が平和に向けてこの身を削って行動しているとアピールすることができました。

 これこそが私の大陸征服に向けた第一歩なのです。



 この状況を作ることができたのも英雄ちゃんのおかげです。

 終わろうとしている戦争を泥沼にまで持ち込んでくれたのだから。

 おかげで私は平和の使者です。


 正義の正義の英雄ちゃん。

 これからも自分の信じる正義を貫いてくださいね。

 ふふふ。



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