表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ナナイロシチヘンゲ  作者: タイヘイタ
1章:生存権の確保
9/23


直感に従い走ること数分。崖の近くまで来た。結構歩いた気がしていたけど、そんなに崖から離れていなかったのか。


追いつかれない様にさらに遠くに行った方が良いか。それは刀を見つけてから考えよう。先に刀を確保しないと。


この近くの気がするんだけど…あった。茂みの上に横たわる様にしてあった。枝を折りつつ刀を銜え持ち上げた。


あぁ…良かった。誰にも盗られてなかった。後は人間に戻れたらいいんだけど、戻れないよなぁ…人間に戻りたいなぁ…


《要請を確認しました。変化を解除します》


いつものアナウンスが流れたかと思えば人間に戻っていた。アレ、まだ傷は残っていたはずだけど。なんで人間に戻れたんだ?


さっきまでの違いは刀の有無。もしかして、変化しているのは俺の力じゃなくて刀の力だったりするのか?


どう考えてもそうとしか考えられない。あれ、刀がなかったら俺ってただの人間?…刀は何が何でもなくさない様にしよう。


狼になり刀を気持ち強めに銜えた。さて、どうするか。狼たちの事を思えば出来るだけ遠くに行った方が良いんだけど。


身体が痛くて長距離を移動できそうにない。今日の所はあの木に戻って洞の中で休むか。あそこなら野宿するよりもマシだろ。


来た道を刀を銜えつつ戻る。同様に数分に元の光の場所まで戻ってきた。光に足を踏み入れた瞬間にあの悪寒が走った。


一先ず光から足を出す。本当になんだコレ。この光自体が魔物を寄せ付けないようなモノなのか?人間に戻りまた光に足を踏み入れる。


さっきまでの嫌な感じが全くしない。むしろ暖かな光が身体全体を包み込む様な感覚だ。すごく安心する。眠ってしまいそうだ。


いつまでも立ち止まっていられない。木の洞の中に入った。洞の中も安らぎを感じられた。やっぱりこの木は特別な木なんだ。


神聖な気を放っているのかもしれない。この中にいればよっぽど精神力の強いものじゃない限りは魔物に襲われそうにないな。


サバイバル生活一日目にして良い所を見つけたじゃないか。ま、ここに来るまでは散々な目に遭ったけど。


アイツらはなんで同族の狼(俺)を狙ったんだろう。もしかしたら、襲って来たんじゃなくて群れに引き入れようとしてたとか?


いや、あの雰囲気は完全に襲い掛かる気だった。食糧難で同族だろうと食べたかったとか?ありそうだな。


俺みたいな子狼を食べても腹の足しにもならないだろうに。それほどに切羽詰まっていたって事なのかなぁ…


実際の所は分からない。でも、どんな理由であれまた襲ってくると思っておいた方が良いかもしれないな。


狼は執念深いって聞いた事が有るような無いような。狩りをする時に追いかけ回して体力を削ってから狩るんだっけ。


まぁ、どうでもいいか。いま俺がすべき事はちゃんと寝て、傷を癒す事だ。狼たちの対処とかは明日の俺が考えてくれるだろう。


今日はもう疲れた。これ以上何も考えたくない。おやすみなさい。刀を抱えて入り口を睨みながら眠りについた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ