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私、魔獣退治始めます  作者: 薗澤 未来
16/16

16話 突如起きた異変

その難問の正体は今朝分かった。

身体に何か違和感を感じた希美。頭痛、腹痛、目眩、立ちくらみに襲われ、体調が優れないだけかと思い、動けない程ではないので学校へと向かった。登校中…


「ゴホッゴホッゲホッ…ゴホゴホ…うぅ…」


顔色も悪く、調子も良くには見えない希美を目にした友菜と凜花が心配し、


「大丈夫?今日休んだ方が良かったんじゃない?」


と、声をかけた。そのかけられた声に希美は首を横に振り、否定し、断った。


「大丈夫だよ。もしもの場合はアレを使えば少しは楽になるから…」


「アレって…?」


「いや、こっちの話。」


希美の言う"アレ"とは「治癒魔法」の事だ。「治癒魔法」といっても種類は様々。

外傷を治す"ヒールミア"。

魔獣から受けた呪いを治す"ルジュミア"。

頭痛や腹痛など単純な痛みを治す"コアスミア"など、他も含め五~十種類程身につけてある。この場合、"コアスミア"を使う方が一番手っ取り早いのだが、朝、家を出る前に一度試したけどぶり返してきた。なのでまた使っても意味が無いという事になる。でも急に体調不良だなんて、無理しすぎかあるいは…


「そういえばさぁ。」


友菜が口を開き、希美に話した。


「ん?何?」


「この前、杖みたいな物を持って窓から飛んだりとかしてなかった?希美。」


「そういえば、なんか…前にもこんな感じの不思議な事あったような気がするけど…」


「ん?それは多分気のせいとかじゃない?夢でも見てたとか?私が窓から飛んだりする訳ないじゃない。」


「そうかな?…そう…かもしれないわ〜。多分私の勘違いだわ。」


友菜はアハハと笑って頭を搔く。


「うん。そうだと思うよ〜。」


希美もアハハと笑いながら一滴の汗を流す。

一つの失態。油断…というより気を抜かしすぎてクラスの人達が見てる中、杖を出してしまった。一応些細な事か、ただの夢、もしくは勘違いなどで流されるかも、そしてすぐに忘れるものかと思ったが、忘れてはいなかった。そしてその後は何事かも無かったかのように友菜と凜花は違う話題に入ってそのまま学校に着いた。靴を履き替え、階段を上がり、教室に入った。その瞬間、希美の全身に激痛が走った。


「あぁぁッ。」


あまりの激痛に思わず声を出してしまい、その場に膝をつく希美。その声に教室に居たクラスメイトが心配して声をかけてくる。


「お、おい立石…どうした?大丈夫か?」


「やっぱり学校休んだ方が良かったんじゃ…」


「大丈夫?保健室行く?学校来たばっかだけど。」


「だ、大丈夫…一瞬激痛が全身に響いただけだからさ。あはは…」


「いやいやそれ、大丈夫って言わないんじゃね?まぁ立石が自分で大丈夫って言えるんならいいけどさ、無理は、するなよ?」


クラスメイトはまだ希美の事を心配しているが、「そうか…良かった。」や、「無理しないでね。」などの声をかけてそれぞれ自分の作業へと戻った。希美は感じていた。


自分の身体の中に、魔獣がいる。魔獣が…とりついているのではないかと。


希美は深呼吸をし、気を取り直しで自分の作業、朝の準備に取り掛かると同時にシュナが姿を見せた。


「ちょっ…希美さん!!何を呑気に準備なんかしてるんですか!大変ですよ!!希美さんに魔獣がとりついて…」


「よっしゃ。感当たった〜!!というのは置いといて、出てくるの遅いよシュナ。三体ぐらいはとりついてそうなんだけど。」


「す、すいません…。」


「これってどうにか出来るんだよね?出来るんでしょ?いや、まずどうにか出来なきゃ私このまま死んだりしてこの物語終わらせないでよ!?」


希美は焦りと不安が混ざった表情を見せ、希美の青い瞳も輝きが落ちている。シュナは「落ち着いて下さい。」と希美に言い聞かせる。


「まず、希美さんの様な他の魔獣退治の指名を持つ者に魔獣がとりつくという例がいくつかあって、対処法もいくつかあるんですよ。」


「ほうほう…それで?」


「えーとですね…」


シュナの説明は一時間程かかったので省略。対処法は五十種類あり、その中で最も簡単な方法が一つ。そして説明は授業中も続いている。希美とシュナは向かい合ってテレパシーで会話をしている。


「シュナ…それで?その方法って何…?そろそろ体調の限界が近いんだけど…説明長すぎるよ…ほぼ無駄だったし…」


希美は体を抱え込む様な体制で今にも倒れてしまいそうな顔色をしている。あと授業は残り十五分…この状態だと希美はもって後…五分~十分という所になる。


「なっ。まぁ今は魔獣をどうにかしないと…それはですね、浄化妖精が希美さんの中に入って浄化するという方法なのですが…」


「ですが…?」


「今希美さんが呼び出せる妖精の中に浄化妖精の"アニス"と"アニラ"は呼び出せませんよね…」


「この子達の事?」


希美が机に指で円を書いた所が光り、小さい女の子と男の子がふわふわと浮いている。シュナはその光景を見て驚きを隠せない。


「え?まさか…これは…どういう…。」


「初めまして。私はアニラと申します。そしてこっちは弟のアニスですの。」


「どうも。」


エメラルドグリーンの髪の色が目立つ二人は双子であった。そろそろ希美も体調の限界が近い。シュナは手早く二人に説明し、アニラとアニスは希美の中へと入った。約五分後浄化が終わり、この難問は解決したのである。双子の妖精は青いワンピースと青いオーバーオールを着て白くて薄いポンチョみたいなのを羽織っており、紺色の瞳、アニラはポニーテールの髪型でアニスはくせっ毛があるショートカット。姿、髪の色、瞳の色ほとんどそっくりで二人が見せたドヤ顔もそっくりだ。本当に双子なのだとわかる。授業が終わり、疲労と体力の限界が重なり、回復する暇も無かった希美は、


ドサッーーーーーー。

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