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45:ようやく購入

 メイランちゃんの宿に戻ると、食堂兼応接室にユイナさんがきれいな姿勢で座っていた。


「あっ、ミネコさん。先程は失礼いたしました。マスターと話をさせていただいて、この先、ミネコさんはギルドからの緊急クエストを受注しなくてもいいことになりました。もちろん、それに伴う罰則もありません。あと、ミネコさんからクエストを受けたいという申し出があればもちろん、クエストの受注を承認しますのでご安心ください。それと、今までと同じように買取りもしますのでその点もご安心ください」


 ユイナさんと目が合うと、飛んできて、マシンガンのようにしゃべってくるから、私は訳がわからないまま、ポカンと取り残される。


「あっ、すいません。失礼しました。この事を早くミネコさんに伝えないとと思い、気が早まっていました。それで、私の話はご理解していただけましたか?」


 どうやら、無邪気な40歳は子供っぽくなるところがあるみたい。


「ミネコさん。今失礼なこと考えてませんでした?子供っぽいとか、大人には見えないとか」


 なんでばれたんだろう。とか思ってしまったけど、表情ひとつ変えずに否定する。


「ならいいですけど。あっ、そうだ。いい忘れていました。ミネコさんにどうしても参加していただきたいクエストが発生したら、ご相談はさせていただきます。それ以外はこちらからクエストの強制はしませんが、今のミネコさんだと、3ヶ月間で1つのクエスト受注がない場合、自動的に冒険者登録が消えてしまうのでご注意ください」

「わかりました。そこは注意します。でも、プライベートで倒したウルフを持っていっても、そこは、クエストとしてはカウントされないんですね?」

「あいにくながらその点は……」

「わかりました。でも、それだけのためにここへ?」

「まぁ、そうですけど、あの様子だと、冒険者ギルドにはお越しになりにくいかなって思ったので、お昼休憩のついでに来ただけです。ミネコさんから質問がなければ、私はギルドに戻ろうと思うのですが、よろしいですか?」


 そうだね……。他に聞くこともないし、強制されないんだったらそれでいい。あとは、私が生きたいように生きて、帰り方を探すだけだし。


「はい、大丈夫です。わざわざありがとうございます。それだけ聞けたらなんとかなりそうです」

「わかりました。それでは私は失礼します」


 ユイナさんはそういうと、メイランちゃんの宿から出ていった。


「ミネコさん、冒険者をやめちゃうんですか?」


 心配そうな顔をして顔を覗き込んでくるメイランちゃん。

 どうやら、この子はなにかを勘違いしているみたいね。そこはちゃんと訂正しておかないとあとでややこしいことになりそう。


「大丈夫だよ。でも、あくまで私は芸者だから。私があんなことを言われた理由は、芸者なのに、冒険者ギルドの緊急クエストに呼ばれる意味がわからないって話したからなの。だから、冒険者っていう肩書きを捨てるつもりはないし、むしろ、私のお小遣い稼ぎにやめるわけにはいかないからね」

「それならよかったです。ミネコさんが狩ってきた魔獣をもっと見たかったんで」


 なんだか、そういわれるとお小遣い稼ぎを頑張ろうかなって思ってしまうけど、本業がアイドルだから、そっちの方で頑張りたいよね。


 メイランちゃんには、夕方には戻ってくるとだけ伝えて、自分が泊まっている部屋の荷物を全部アイテム袋の中に詰め込む。

 そして、借りた家に向かうと、クローゼットに自分の衣装2着を吊るし、型崩れしないように形を整え、扉を閉める。

 そのあとに、寝室に行き、魔法を扱うための本を2冊窓辺に置いて、まだ何も置けていないベッドルームに少しだけ生活感を持たせる。

 まぁ、早いことベッドを買ってこないと、ここにはまだ住めないかな。とりあえず、物を置いたし、ベッドでも買いに行くか。

 そう思うと、家を出てから、また市場に出向いて、日用品を品定め。たまに、いいなぁ。って思いものがありつつも、いるのかいらないのかよく考えてからスルーすることが多く、ベッドを買うまでに買ったのが、調理器具を必要最低限だけ。

 ようやく買えたというような感じだけど、これで自炊できる環境は整った。

 正直、火も水も私の魔法でどうにかなるだろう。あとは、食材がどんな感じで売っているかってところ。

 さすがに、私も肉料理ばかりで少ししんどくなってきたところはあるし、踊ってなかったというのもあって、身体が重いっていうのもある。

 あと、一番はお米が食べたい!ただ、一巡りした市場でお米を見つけることはできていない。

 生鮮食品だから、遠くからのものが扱えないっていうのがあるのだろうか?それなら、野菜だってそうだし、納得はできる。

 そうだとしても、野菜や魚、お米は食べたい。どうにかして見つけ出そうか。

 そんなことを思いながら市場を巡っているけど、まぁ、見つからないものは見つからない。観念してベッドを売っているお店に入り、舐めるように装飾や質を見て、気に入ったものを一つ買う。


「お買い上げありがとうございます。金貨が5枚ですね」


 なんだろう。アイテム袋の中に金貨が100枚近く入っていると、自分が金持ちになったと錯覚して、金貨3枚くらい。なんて思ってしまった。

 この感覚、早いところ矯正しないと、まずいことになりそうだな……。

 いろんなことが頭をめぐりながらも、金貨5枚を店員さんに渡して、ベッドを引き渡してもらう。もちろん、手で持って帰るわけでもなく、アイテム袋に収納。

 ダブルサイズのベッドを買ったこともあり、一度分解して、配送して、組み立てる気満々だった店員さんたちは、分解もせずにするっと飲み込んだアイテム袋にびっくりしていた。

 まぁ、レッドウルフがたくさん入るアイテム袋を使ったからね。びっくりするのも無理ないかな。それに、職業が芸者だし、これほど大きなアイテム袋を持っていると思ってなかったんだろうな。

 ちょっとした優越感に浸りながらも、自分の家までベッドを持って帰り、部屋の真ん中に配置。


なんとか間に合いました。

ご心配をおかけいたしました。

これからミネコはどうなっていくのでしょうか。

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