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ショートな作品を噛みしめよう  作者: ミックスボックスガム
21/31

誘拐

「お宅の娘は誘拐した」


『えっ!?』


「警察に連絡すれば娘の命は無いと思え」


『娘の声を聞かせて!』


「ふん、おい!喋りな」


「お母さん助けて!」


「いいか、金だ1億準備しろまたあとで連絡する」


そういって俺は電話を切る。

高級住宅街に住むとある一家の娘を誘拐するために俺は一か月前から準備を行ってきた。

その家の家族の行動パターンを調べ人通りが少ない時間帯に犯行を行えるように準備し、信頼のおける仲間を集めた。この家の旦那の会社の事も調べ上げ1億ならば十分に用意できること、世間体を気にするという誘拐しやすい性格かどうかの調査なども行った。

更にはいざというときのための逃走ルートの確保まで準備済みだ。


────────────────────────


数十分後ターゲットの家の近くに潜ませ監視役をやらせておいた仲間から連絡が来る。

ターゲットが警察を呼んだらしい。厄介なことになったが想定の範囲内だ。

俺は電話をかける。


『もしもし』


「警察に連絡したな、金額を2億に変更だ、1時間以内に用意できなければ娘を殺す」


『そんな無……』


ガチャリと電話を切る。

逆探知の可能性もあるのだから電話を長々と使うわけにはいかない。

無論携帯の基地局などから場所を特定されるのはわかっているから移動しながら使っているしすぐに場所を変える。複数の車を乗り換えているため警察には俺の居場所をすぐに特定することはできないだろう。


1時間でもう1億というのは相当厳しいだろう。だが正直こちらのペースに引き込まないと危険なのだ


────────────────────────


電話をかける。


「金は用意できたか?」


『1時間で2億なんて無理だもう少し……』


バン!という音と共に娘の足が撃ち抜かれる。


「ギャー」


娘の悲鳴が響く。無論ここは防音の部屋で外には聞こえない。


「あと、1時間で用意できなければ殺す」


これでいい。相手に譲歩する必要などない

逆らえない状況にしなければ金の受け渡し時に捕まるからな。


────────────────────────


電話をかける。


「金は用意できたか?」


『ああ、頼む娘と話をさせてくれ』


「2億を○駅のコインロッカーの3段目の右端に入れすぐに離れろ警察が周囲に居たり、金が置かれていなければ娘を殺す」


必要なことだけを告げ電話を切る。


コインロッカーに荷物を取りに行くのは当然俺ではない

事情を知らずただ代わりに荷物を取りに行ってもらうだけの奴だ。


────────────────────────


案の定警察はコインロッカーに行った男を捕まえようとした、だから電話をかける。


「残念だったな」


拳銃の引き金を引き娘のもう片方の足を打ち抜く

再度娘の悲鳴が響き渡る


「これで最後だ×駅のコインロッカーの最上段の左端に入れすぐに離れろ警察が周囲に居たり、金が置かれていなければ今度こそ娘を殺す」


────────────────────────


今度こそお金を受け取ることができた当然見張りの警官がいるため受け取るのは下っ端でそこから銀行に振込み、遠くで別の奴が引き出し俺が受け取るという流れである

この計画のために20人の人手が必要だったが一人1千万なら十分だ


しかし、仲間から予想外の連絡が来た

お金が5千万しかないという連絡だった。


俺は拳銃の引き金を引き終えたあと電話をかける。


「再三の警告を無視した罰として娘は殺した。もうお前らに用はない」


────────────────────────


世間は大騒ぎになっている、娘を殺され犯人は逃亡中という失態を警察が追及されているのだ。こちらに矛先が向かってこないのはうれしい限りだ。

正直娘には困っていた、犯罪まがいの行為をして迷惑をかけ俺はそのたびにお金で事件をもみ消してきた。

そんなときに舞い込んで来た誘拐騒動。結果娘は殺され俺の悩みの種は消えた。

犯人には感謝している5千万も殺人の報酬としてあげたいくらいだ。

今俺は警察の失態のせいで愛する娘を殺された悲劇の父親。世間の評判も悪くない。

犯人が捕まれば5千万も取り戻せるだろう。まったく犯人には感謝している。


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