占い
妻は占い好きだ占いに言われたことならなんでも信じるほどに
「今日のラッキーアイテムは金色のハンカチなの!」
家にはほとんどの色のハンカチ、ネクタイ、服がそろっているいわゆるラッキーアイテムになりやすい品だかららしい
「じゃあ仕事に行ってくるよ」
「いってらっしゃい!水に気を付けてね~」
占いで水難の相でも出てたのだろう。占いというものを信じない私からすれば面倒くさい話でしかない。
結婚する時も占い師に二人の相性がいいかどうか相談していたし、結婚の日付まで占いで決めた。密かにひやひやしているのはもし占いの結果別れた方がいいといわれたら自分と別れるのではないかと思っている。
仕事を終えて家に帰ると妻が待っていた。
「水大丈夫だった?」
「ああ、特に何もなかったよ」
「気を付けていたのが良かったのね!」
占いが外れた時に妻が言うセリフは大体こうだ、気を付けていたから大丈夫だった、意識をし過ぎていたせいで逃げてしまった。
占いなんていい加減で外れて当然なもの、当たるも八卦当たらぬも八卦なんて言われるものなのだいい事だけ信じておけばいい。
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「奥さんいい商品がありますよ」
ここの家の奥さんは占い好きで有名だからだましやすいだろう。
「えっと、セールスはお断りしているんですが……」
「いえいえ、ちょっとこの家に悪い運気が」
「そんな!?あり得ません!」
動揺しているな……これならすぐに売れそうだ
「こっちの方角に悪い運気が……」
「そっちの方角ですか?あっ!人形が倒れている!これのせいですね教えてくださってありがとうございます。なおしましたしこれで万全ですね」
「……えっと、今不在であろうご主人に不幸が……」
「ああ、水難の相が出てましたね。外出前にしっかり言っておきましたよ?あら?あなたちょっと女難の相が出てますよ?」
「いや、自分はそんな女性に縁がないので大丈夫です」
「それはいけないわ、初対面の女性が相手の可能性もあるのよ?あなた星座と血液型は?」
「かに座のO型ですけど……」
「だったら今日は白色のネクタイの方がいいわ。ほらそのネクタイ取りなさい、この白色のネクタイあげるから!」
「いえ、そうではなくてですね……」
「あなた本当に占いを仕事にしている人?自分の周りやラッキーアイテムを知ってないなんて商売人失格よ?」
「あ……はい、気をつけます」
「いいからシャキッとして!背筋を伸ばす!しっかりしてないと運気も寄ってこないんだから!」
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セールスマンがたじたじになって帰って行った姿を見送ったあと私は夫に電話をかける。
「もしもし?あなた?白のネクタイをあげちゃったからまたよろしくね」
「また、誰かにやったのか……わかった買ってくるよ」
部屋に戻り、鍵をかける。夫も知らない私だけのプライベートスペースに……
パソコンを操作し白の5につなぐ
『くそ~あの人全然カモじゃなかった』
やっぱり、あの人は私が占い好きだと知って利用しようとしたセールスマンだったか。
色とりどりのネクタイには実は小型の盗聴器が仕込まれている。これまでもこうして多くの人に盗聴器を仕掛けてきた。そうした人達のプライベートを盗み聞きするのが私の本当の趣味なのだ……




