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13章 帝国活動編 8話 捕らえられた亜人とは・・

アクセスありがとうございます。

新規ブクマと感想ありがとうございます。



 俺が寝落ちしたあとに、シェルは起きて仕返しをしたのだろう・・起きた俺は全裸だった・・。


「ちくしょう・・油断も隙もあったもんじゃねーな」


 そう吐き捨てながらベッドから起き上がる俺は、ソファで寝たフリをするシェルの寝顔を屈み間近で見つめていると我慢できないのか、シェルの目蓋がピクピクしている。


「・・まったく、可愛い寝顔をして・・これじゃ寝てる間のヤラれた仕返しもできないじゃねーかよ」


 そのまま何もせず俺はシェルから離れようとしたときに、腰に彼女の両足が抱き付き倒される。


「おまっ・・んぅ」


 シェルは器用に俺を抱きとめて口付けをする。見た目からしたら、俺がシェルを襲いかかっているように見えるも実は彼女の足で俺は主導権を取られ身動きが取れないでいる・・。


 もちろん逃げ出す事は可能だけど、部屋で寝ている皆が無事で済まされないからシェルのいいなり状態になっている。


「ぷはぁ・・熱い夜だったのじゃ・・」


「俺は熱い夜なんて、これっぽっちも覚えてねーよ」


「妾は満足じゃ・・ハルの子が欲しいのじゃ・・」


「住む環境が落ち着いたらな・・」


「うむ・・言質を頂いたのじゃ」


 フッと腰に絡みついていたシェルの足の力が抜けたことで、俺は自由の身となった・・。


「さてと・・飯食ったら、冒険者ギルドにでも行くかな・・」


 それからメンバーと宿で朝食を済ませた俺は、獣人シスターズに留守番を頼みアルシアとシェルそしてアリスの4人でギルドへと情報収集を兼ねて向かったのだ。


 もちろん殺伐とした時間帯を避けて来たはずなのに・・ドアを開けた瞬間に中の熱気が溢れ出すほどの状態になっていた。


「何が起きてんだ?」


 冒険者だらけとなっているギルド内は、ゴチャゴチャしているようでなぜか統制が取れているような感じがするため、空気に飲み込まれていない男剣士を見つけ声をかけることにして近付いた。


「あのさ、今日は何かあったの?」


「ん?見ない顔だな・・まぁな、今日は貴族様から出ていた亜人討伐依頼が成功して、そのパーティーが戻って来るんだってよ」


「亜人討伐?」


「あぁ、貴族が長年追っていた亜人達が南にあるグリニアの森に潜んでいる情報を手に入れて、ギルドに破格の報酬で依頼を出していてな・・それでAランク冒険者パーティー達が結束して捕らえたらしいんだ」


 男剣士は、最初より興奮気味に話し続ける。俺もその調子に合わせ話を聞き続けることにする。


「へぇ〜亜人討伐ね・・獣人か?」


「ばかか?獣人じゃねーよ。貴族様が欲しがるのは決まっているだろ?エルフの女だけさ」


「エルフだって!?」


「興奮するだろ?・・さすが貴族様だよな〜夜の欲情にエルフを使うなんて・・」


「そ、そうだよな・・貴族様の趣味は、そういうのが一般的と聞くしな・・」


 そして、男は溜息をついて口を開く。


「まぁ、俺ら冒険者はエルフの女が貴族にどんな扱いを受けようとも、あの遊んで暮らせる程の報酬さえ手に入れば関係ないだろ?」


 男剣士は、罪の意識など微塵も無く笑っている。


「だ・・だよな・・」


 口では同意する俺の心はこの目の前の男を消し去りたいほどイラついているものの、貴重な情報を仕入れることができたことには感謝しつつ別れた。


「「 ハル・・ 」」


「あぁ、わかっているよ。今すぐには、何もしない・・そこまで無謀じゃないさ」


 エルフ狩りという帝国の裏の顔を見たことに、後ろにいたアルシアとシェルが俺の肩に触れていたんだ。ただ1人事情を知らないアリスは、見上げて知りたそうな表情で見つめていた。


「エルフ族にも大事な女の子が1人いるんだよ、アリス」


「そうなんだ・・その子が捕まったのかな?」


「ん〜それは見てみないとわからないね・・まだここから離れた森で生活しているハズなんだけどな」


 アリスの視線に合わせて屈んで話していた俺は、周囲の冒険者が動き出しギルドの外へと移動していることに気付くのが僅かに遅れる。


「おっ?何が始まろうとしてんだ?」


 俺の反応に別の男剣士が教えてくれた。


「捕まえたエルフを連れた冒険者パーティー達がギルドに帰って来た見ただぞ。あぁ、エルフは美人揃いだからな・・一度は抱いて見たい・・いや、見るだけの価値はあるぞ?」


 そして男冒険者達は、我先にとギルドの外へと足を運んで行くのを見送っていると・・。


「どうするのじゃ?ハルよ・・」


「と、とりあえずこのままここにいるよ、シェル」


 しばらくしてギルドの外から歓声のような声が聞こえ騒ぎ始めていると、見覚えのある青髪の男冒険者が姿を見せた。


「あいつは、たしか・・」


「ハルよ、知っているのか?」


「そっか・・アルシア達は会っていないんだよな。あそこの、1本木の下で野営したことがあったろ?そこで俺は、あいつのパーティーと会ったんだよ」


 遠目からなも知らない青髪の男冒険者の行方を目で追っていると、白髪混じりのギルド職員の男と共に外へと向かって行った。


「みんな、俺達も行ってみよう」


 俺はギルドの外に出てみると、ギルド前に止めていた馬車の周囲はごった返している状況をなんとか抜けて青髪の男の後を追う途中に違和感を感じ振り向く。


「すげぇ違和感だな・・」


 ギルド前には馬車が4台止まっていて、完全に通りの流れを邪魔している。だけど、先頭の馬車を囲む冒険者達の視線は必死に何かを見つけようとしていた・・。


 馬車から視線を青髪の男へと戻すと、ギルドの建物の影に消えて行くとその場所を冒険者が隠すように体を寄せ合うその僅かな隙間に日陰でも輝いて見える金髪が見えたような気がした。


 その一瞬見えてしまった姿に俺の心を止める事はできず、近付いて行くも途中に立っていた男に制止されてしまった・・。


「ちょっ・・この先に用事があるんだけど」


「ダメだ!今は通す事はできない・・もう少し待っていてくれ」


「なんでだ?あんたも、俺と同じ冒険者だろ?」


「・・あぁ、そうだ・・。もしかして、お前は知らないのか?」


「知らないって何をだ?」


 目の前に立つ冒険者は、周囲を確認して小声で告げる。


「この先のギルド地下牢に亜人を投獄したんだ・・これ以上は言えない」


「亜人?・・エルフか?」


「・・・・・・」


 男は無言のまま、瞳だけを上下させ肯定する。


「まさか、奴隷売りか?」


「とある貴族にな・・」


「何人だ?」


「今日は、女1人だ」


「わかった、ありがとう」


 俺は、冒険者の手に金貨1枚を握らせ踵を返し立ち去ると、背後から男が息を吐くように呟いた。


「協力に感謝するよ・・」


 そのまま俺は3人を連れてギルドに戻り壁際の席に座り、会話を聞かれないよう念話で話す。


『やはり冒険者が女エルフを捕まえて、ギルドの地下牢に投獄してから貴族に奴隷として渡すらしい』


『地下牢か・・どうするのだ?』


「アルシア、捕まった女エルフの様子を見ようと思う』


『そうか、もしもがあるからな・・』


『エルナと決まったわけじゃないけどね・・。それと俺1人で地下牢に侵入するから、みんなは宿に戻ってていいよっとぉー!』


 そう伝え席を立ち念話を切ると、俺の右腕をアリスに引っ張られて強制的に座らされてしまった・・。


「ハル?また1人で突っ走ってるわよ?少しは、私たちを利用しなさい」


 年下に見えるアリスの黒い瞳に見つめられた俺は、アリスが年上の女に見えたような気がして反射的に謝ってしまう。


「ゴメンッ・・アリス」


「ふふっ・・わかればよろしいです・・それで、どうするの?」


 不覚にもアリスに子供扱いされ抵抗できず頭を撫でられている俺は、熱くなっている顔を感じながら侵入する計画を話した。


「相変わらずの正面突破なのか?・・そんなハルが、妾は大好きなのじゃ」


「そうだな・・いつも正面突破だな・・この男は」


「そうなの?シェル、アルシア」


「そうなのだ・・(そうじゃ・・)」


 シェルとアルシアがアリスの質問に対し同時に答えている姿を見て俺は、視線をどこか違うところに向けていると、膝上に重みを感じた直後に黒い瞳が目の前で俺を見つめる。


「ハル、私たちが傍にいるから任せないさい」


 アリスはそう告げた後に、俺をギュッと抱き締める。


「ありがとう、アリス」


「あれは役得なのじゃ・・」


「役得だ・・ハルと同じ黒髪に黒い瞳・・あれなら、どこでも抱きついても親子と見られるだけなのだ・・」


 首筋にグリグリとマーキングをするようにアリスが顔を擦り付けている間に、シェルとアルシアが何かボヤいていたけど聞き取れなかったため、そのまま聞いていないふりをしたのだ。


 アリスが落ち着いてくれたタイミングで冒険者ギルドを出て対面の家屋横から裏路地に今いる。


「シェルって、ホントにワンちゃんになれるのね〜?」


「アリスよ、妾は犬コロではないぞ?伝説の誇り高きシェンリルなのじゃ」


「ん〜もふもふ〜もふもふ〜」


 久しぶりにシェルを人化から小型犬サイズの銀狼へと姿を変えた途端にアリスに捕まり抱き抱えられてモフられている。


「あっ・・アリスよ・・このモフモフは、ハルだけのもふもふなのじゃ・・」


 どうやらアリスも、モフモフ信者だったことが発覚した・・。


 とりあえず、これ以上シャルがモフられると今後の作戦に影響が出るためアリスに我慢してもらい行動に移ることにする。


「それじゃ、頼んだよ」


 シェルを抱き抱えたアリスは通りに出て、ギルドの地下牢入り口がある場所へと歩き出し警戒する男冒険者達の視線を集めたところで、シェルがアリスの腕から逃げて男冒険者達がいる方へ小走りに移動する。


「待って!ワンちゃん!」


 逃げられた子犬を自然な仕草で追いかけるアリスを行動開始の合図としていたため、俺とアルシアは隠密スキルを発動しギルド地下牢入り口があるだろう扉へと向かったのだった・・・・。




これからも、お付き合いお願いします。

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