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12章 王国離脱編 6話 都市ニシバル②

アクセスありがとうございます。


 王都とは違って落ち着いた雰囲気を持ちながらも賑わっている街並みを見ながら通りを歩く。


 今のこの大所帯が1つに纏まって歩くと目立ち過ぎるため、俺と獣人シスターズそしてメイド仕様のラニアとアルシアが先頭を歩くカラ達のグループに別れ見える範囲を保ちつつ移動する。


 この状態でも、ニシバルに辿り着くまでに全員と念話スキルを繋いでおいたため問題はなく、周囲から無言に見られても脳内では女子会状態になっていて、商店に並ぶ商品や店内に掲げられている服を見ながら楽しんでいてくれた。


『・・とりあえず、先に宿を決めてから買い物して良いからね〜』


『『 は〜い 』』


 楽しみにしている返事が聞こえ、先を歩くラニア達は宿屋街へと向かって歩いてくれていると、そのラニアから質問された。


『ハルさん、宿屋はどこにする予定か決まっていますか』


『そういえば伝えてなかったね・・このまま西門近くにあるリメインっていう宿屋に行くよ』


『宿屋リメインですね・・わかりました』


 それから商店が立ち並ぶ通りを抜けて、通りの人通りが少なくなった通りに出ると、この辺りから宿屋街に入るようだ。


 少し先に西門らしき門が見えてくると、先頭を歩いていたラニアが立ち止まり振り向いた。


『ハルさん、目的の宿屋リメインに着きました』


「ありがとう、ラニア」


 念話を切り口で直接伝えながら俺は1人先に宿屋に入り交渉することにする。


「いらっしゃいませー!・・1人かい?」


「こんにちは〜。いえ、パーティーで泊まりたいんですけどー」


 受付には久しぶりに見る恰幅のいい赤髪の女性モーナがいた。どうやら、あれからそれなりの時間が経っているためのと容姿が変わっているため俺のことは覚えていないようだ。


「はいよ。パーティーの泊まりだね・・って普通じゃなさそうだね・・」


 僅かに俺から視線を外し後ろを見ているようだ。すると、背後からラニアの声が聞こえる。


「ハルさん、泊まれそうですか?」


 そう声をかけながら、中に入るラニアとアメリアは俺の1歩後ろで立ち止まった。


「ん?あぁ、まだ交渉中だよ」


「メ、メイド連れかい・・まさか貴族様かい?」


「ち、違いますよ。メイド?を連れてますけど、冒険者パーティーなんですよ」


「冒険者がメイド連れ・・まぁ、あれかい・・特殊な趣味持ちか・・」


 なぜか自分の言葉で納得するモーナに、これ以上の弁明は傷口を広げるだけだと諦めた俺は部屋の空き状況を確認する。


「あははは・・まぁ、その特殊な趣味は強く否定しますけど・・とりあえず今夜泊まりたいんですけど」


「ちょいと、待ってておくれ」


 受付のカウンターに置いてある分厚い簿冊を開き確認しているようだけど、チラチラと俺を見るモーナと視線が合ってしまい微妙な空気を感じて居心地の悪さを感じていると不意に鑑定された感覚を感じ奥の方へと視線を向けた。


 その奥には、赤髪少女が顔だけ出し覗き込んでいて俺と視線が重なると再び俺に対し鑑定スキルを発動したようだ・・その執拗に俺を鑑定する少女に見覚えがあり、モーナの娘だと思い出した。


(は〜い・・勝手にそのスキルを連発するのはダメだぞ〜)


 看破される程の強さではないため、そう思いながら笑顔で手を振ると拒否するかのようにサッと隠れられてしまい、なんだか心がチクリと痛むような気がしているとモーナが話しかける。


「お待たせ。しばらくなら、パーティー用の部屋は空いているけどどうするかい?」


「空いているんですね、それなら泊まりをお願いしま・・うぁっ」


 トスッ


 不意に足元へ体当たりされた衝撃を受けて下を見ると、さっきの赤髪少女に飛び付かれて見上げていた。


「コラッ!お客さんから離れなさい、モナミ!」


「モナミちゃん?」


 俺の呼びかけに反応するかのようにニコッと笑い八重歯が見える。


「お兄さん、あの時のお客さんでしょ?わたし、ちゃんと覚えてるよ・・」


 少しだけ大人になった赤髪少女モナミちゃんは、どうやら俺のことを覚えていると言ってくれた。


「モナミ?この人を知っているの?」


「そうだよ、お母さん・・あの時は、金髪のお兄さんだったけどね」


「・・そうかしらねぇ・・」


 そんなやりとりをしていると、外で待っていた残りのメンバーがゾロゾロと入ってくる中で、見覚えのある子がいたのだろうか、モーナが声を驚きの漏らす。


「あー!もしかしたら・・・・ミオちゃん?・・そうよね?そのオッドアイは、忘れもしないわ!」


「んにゃ?」


 宿に入り突然名前を呼ばれたミオは、驚きながら本能的に俺の横へと立つとモーナが俺とミオを交互に見始めた。


「・・どうしました?」


「・・・・もしかして、本当にハルかい?」


 ここでやっと俺のことを思い出してくれたようだ、その証拠にまだ名乗っていない俺の名前を告げてくれたからだ。


「思い出してくれたみたいだね、モーナ。それに、この子達もいるよ」


 後ろにいたリルとクウコも姿を見せたことで確信してくれたモーナは、何も言わず部屋の鍵を渡してくれる。


「モーナ?」


「はいよ。前と同じ場所の部屋の鍵で、改装してるからみんな同じ部屋になるから安心しな」


「あ、ありがとう」


「支払いは、街を出るときでいいからね」


「りょ・・りょうかい」


「それでは、モナミがお部屋へと案内しますねー」


 そう言いながらモナミは、手に持っていた部屋の鍵をサッと取って階段がある場所へと歩いて行き、それに続くよう俺たちはモナミの後をついて行った。


「ここで〜す!」


 部屋のドアを開けて先に入るモナミと、それに続く俺は部屋に入るとその広さに驚いた。


「・・こんなに広いんだ」


「そうですよ・・お兄さん。うちの宿の自慢でもあるんだから・・それじゃ、ごゆっくり〜」


 モナミはそう言いながら足早に部屋から出て階段を降りて行った。


 特に大きな手荷物を持たない俺たちは、特に荷物の整理をすることもないため街への買い出しに行くことになった。


「夕飯はどうするんだい?」


 買い物に出ると伝えるとモーナが夕飯をどうするか聞いてきた。


「暗くなるまでには帰ってくるので、全員分をお願いするね」


「任せておきな・・」


「ありがとう」


 そう言い別れ、俺達はニシバルの街へと買い物に出掛けたのだった・・・・。

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