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11章 王都逆襲編 3話 迫りくる気配

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 歩き疲れたリルとクウコを野営で使う野外イスをアイテムボックスから取り出して座らせた俺は、1人でテントを設営しひと息つきながら振り向き2人をテントで寝かせるため呼んだ。


「リル〜クウコ〜お待たせ〜中に入ってい・・・・」


 うっすらと王都の街からこぼれる街の光に寝顔を照らされているリルとクウコは、イスの上でグッスリと寝ていた。


「あ〜間に合わなかったかー・・」


 頭を掻きながら2人の傍へと移動し、そっと抱き上げ揺らさないようテントの中へ入れ寝かせた俺は、大きめの毛布をかけて音を出さないよう外に出た。


 ポツンと外に残された2つのイスの片方をアイテムボックスに収納し残ったイスに座り周囲を見渡す。


 王都の外壁沿いの方で野営する冒険者パーティー達が焚き火を囲み楽しそうな笑い声が時折聞こえる中で、1人俺は携行食と固めのパンを夕食にして空腹を満たす。


 パンを食べた後に、リルとクウコが残した果実水を飲み干して俺も疲れた体を癒すために2人がいるテントの中へと入る。



 スゥ〜ス〜・・


 薄暗いテントに入り横になると、2人から静かな寝息が聞こえる。少し顔を近付けて寝顔を見つめると、2人の顔が少し汗ばんでいることに気付き生活魔法クリーンで不快感を取り除いてあげる。


 フワッとそよ風が2人を包み込んだ後にケモ耳がピコピコッと動き、ありがとうっと伝えているような気がして思わず顔が緩んでしまった。


「・・さてと、俺も寝るかな」


 薄着になり、リルとクウコの横で寝転がり目を瞑る。野営で夜警をしない代わりに気配探知スキルの索敵範囲を少し広げて状況を確認してから、ゆっくりと俺は意識を沈めていった・・・・。



 ズキンッ!!


(おっ・・)


 突然襲われた頭痛により、俺は強制的に意識を覚醒し目を開ける。この頭痛は気配探知スキルが近く害意に反応した合図だ。


 ・・けど、起き上がろうとしても身体が言うことをきかない。


「んぐっ・・・・」


 隣で寝ていたリルとクウコが俺を挟み込むような姿勢で胸元の頭を置いて寝ていた。


「い、いつもの展開・・じゃなくて、リル・・クウコ起きて」


 2人のケモ耳を撫でてから頭を撫でて起こす。


「・・んぅ」


 クウコが先に反応し、目を擦りながらモゾモゾ動いてグッと背伸びをした肘がrイルの顔を押し退け俺の胸元から頭を落とされコツンと音を立てたリルが起きた。


「んぁっ」


「リル、クウコおはよう。何か悪い奴らが近付いているみたいなんだ」


 そう告げてから、生活魔法ライトを使いテントの中を明るくする。


「まぶしぃ・・もう、おきるじかん?」


 眠い目を擦りながら身体を起こすリルと、まだボーッとしているクウコを立たせ支度をささっと終わらせる。


「ゴメンな2人とも。気配探知にたくさんの数が王都に迫っているようなんだ」


「んぅ〜・・ホントだぁ〜でも、こっちに来そうじゃないよ〜?」


 リルが顔を俺から逸らし、気配を感じる方向を見ながらピコッとケモ耳を動かし俺を見て小さく欠伸をする。


「リル、そうなんだけどね・・もしかしたら街の外壁に沿ってここに来るかもだしな?」


「ハルゥ〜アレはこっちに来る感じないよ〜クウコとリルでパパッと終わらせちゃうよ?」


 この2人なら簡単にあの集団の命を一瞬で狩とることは容易いだろう。でも、迫る集団が目の前で突然絶命する現象を街の人間達に見られる訳にはいかないような気がする。


「まぁ、そうなんだけどね・・とりあえず、行ってみようよ?この街に勇者がいるみたいだし」


 そう言うとリルとクウコは互いに見合ってクスッと笑った後に俺を見て同意してくれた。


「「 わかったよ〜一緒に行くね 」」


「ありがと。リル、クウコ」


 手早くテントを撤収し終え、気配が迫る王都の北側へと外壁沿いに移動する。途中で野営している冒険者パーティの夜警する人達に伝えたが俺の言葉を信じる者は誰1人としていなかったのだった・・・・。



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