9章 イシタ公国編 42話 王国地方都市フリュー⑩
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急に街の通りから人の往来が止まり左右に首を振る。
「な、何があった?」
カナエさんの店は通りの角に近く、なんか気になる方向w見ていると王国の王城で見かけたことのある騎士とは違う鎧を身に纏った近衛兵2人が姿を見せる。
「はぁ?なんで王城を守る近衛兵が地方に?」
その近衛兵に誘導されるかのように馬車が1台が続いて姿を現し、周囲の人間を威圧するかのように通り過ぎて行く。
「王族専用馬車か?」
そう呟くと、馬車の周囲で護衛する近衛兵の鋭い視線を浴びながら負けじと馬車を見ていると、小窓から平民を見下ろすような目で見ている女性と視線が重なってしまった。
(ん?どこかで見たことあったような・・)
ハッキリとは思い出せないけど、昔どこかで会ったことがあるような面影のある女性が小窓から見えたけど、相手の表情にみじんも変化は感じられず通り過ぎて行く。
(気のせいだったか・・)
その馬車を見送ると、従者達が乗っているような馬車が前の馬車と間隔を保ちながら追従している。
「あっ!!」
突然、女性が驚くような声が聞こえその方を向くと王都冒険者ギルド長エリーナの姿があった。
「・・どうも」
「・・な、なんで、この街にいるの?」
「なんでって言われても・・」
「あのとき全部始末・・じゃなくて、全部確認したのに誰もいなかったのに」
エリーナの口から不穏な言葉が聞こえたけど、あえてスルーし遠回しに聞き直す。
「はい?・・確認ってのは?」
「えっと・・その・・勇者様!勇者様が魔族達を魔法を殲滅した後に確認したことよ」
「あ〜あの魔法は、勇者様の魔法だったんだ。俺は、街の反対側に配置されていたので遠くから見てました」
「・・そう・・それより、どうしてこの街に?」
「家に帰る前に立ち寄っただけだけど・・」
「へぇ・・変な事しないようにね」
「はぁ・・」
他にも何か言いたそうなエリーナだったが、馬車はどんどん先に進んでいくため、あまり離れ過ぎない距離のうちに俺から走り去って行った。
ポツンと1人残された俺は思い出したかのように、カナエさんの店に入るとマリアとアイナはカナエさんと楽しそうに会話をしているところで、3人同時に俺を見て先にアイナが口を開く。
「おかえり、ハル。カナエさんと、ハルの世界の話しを聞いていたんだ・・」
「えっ?そうなの?」
「あぁ、この世界と違って魔法が存在しないが、暮らしやすく平和なんだな・・」
「ん〜まぁ、間違ってはないけど・・」
カナエさんから何を聞かされたかわからないけど、マリアトアイナは俺が暮らしていた世界を羨ましそうな感情を抱いているようだったから、水を指すような返事は止めようと決めそれ以上言葉にしなかった。
それから俺も話しに加わり盛り上がっていると、街に昼を知らせる鐘が鳴り響く。
「もう昼か・・・・」
そう呟き用意された椅子から立ち上がると、マリアとアイナも椅子から立ち上がってくれたため、そのまま店の出口へと向かう。
「「 カナエさん、ありがとうございました 」」
背後で、マリアとアイナが礼を伝えているのを聞きながらドアを開けて店から出た直後に、足が強制的に止まった。
「椎名!?」
ドアを開けた直後に、ドアの音に反応した男と俺は視線が重なり名前を呼ばれ、俺も男の名前を口にする。
「・・お、沖田」
店を出た直後の俺の視界には、勇者沖田を核とする勇者パーティーが通りを歩いていたのだった・・・・。




