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9章 イシタ公国編 33話 再会・・リルとクウコ

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「「 ハル! ハル!! 」」



 2人の懐かしい声と温もりを感じた俺は、嬉しさのあまりギュッと強く抱き締めているとケモミミの位置が少し高くなっていることに気付く。


「リル、クウコ・・元気そうだね。少し背も伸びたみたいだ」


「・・うん。この日のためにクウコと頑張ったの」


「ハルに早く逢いたくて、リルと頑張ったよ」


「よく頑張ったね。良い子だ」


 胸元に顔を埋める2人の頭を撫でていると、ナトリアが寄ってくる。


「2人とも・・そろそろ時間じゃ」


「「 うん 」」


 リルとクウコが腕の力を抜きスッと俺から少し離れ、頬にキスをしてナトリアの横に並び立つ。


「リル、クウコ・・」


「ハルよ・・あの魔王は強い。じゃが、妾の願いを忘れずにな」


「あぁ、わかっているさ。今すぐに討伐って訳にはいかないけど、ちゃんと役目を果たすさ」


「すまんな・・お主ばかりに・・」


 女神ナトリアが複雑な表情になる。


「ナトリア・・そんな顔すんなよ」


「・・せめてもの償いじゃが、お主のアイテムボックスに生活費を足したのじゃ」


「助かる・・結構人数増えたから心配だったんだ・・・・もう、行く時間何だろ?」


 ナトリアは無言で頷く。


 俺は歩み寄り少し屈んで、リルとクウコの視線の高さに合わせ2人に告げた。


「リル、クウコ・・ちゃんとナトリアの言うことを聞くんだぞ?」


「「 うん 」」


「良い子だ」


 アイテムボックスから袋詰めされた肉串を4袋手渡し離れる。


「あいあと・・ハル」


「ありがっ・・と。ハル」


 両手に大きな袋を持ち涙目になっているリルとクウコに新たに肉串を1本ずつ手に取り口元へ運ぶとパクッと咥え目を閉じると涙が溢れ泣きながら笑顔で食べてくれる。


 2人が目を閉じて食べる仕草を見て、傷心した時に初めて出会った時のリルとクウコを思い出し視界が滲んでしまった。


(・・ダメだな・・こんなんじゃ)


 肉串を食べ終わった2人の口の周りは、相変わらずタレで汚れてしまったため濡れタオルで綺麗に拭いてやると嬉しそうな表情を見せる。


「・・これでよしっと。待たせたな、ナトリア」


「うむ・・さぁ、2人とも行くぞ」


「「 うん 」」


「元気で・・リル、クウコ!」


「「 ハルッ!! 」」


 リルとクウコの寂しそうな笑顔をを見つめ、何気なく瞬きをした瞬間には薄暗いテントの天井を見つめていた。



「ご主人さま・・」


 そっと覗き込むように俺を見るミオの悲しそうな顔が視界に入り、肩に手を伸ばし優しく胸の上にミオの頭を乗せる。


「ミオ・・ありがとな」


「・・にゃっ」



 ほんの微かに聞こえたミオの声で心を落ち着かせることができた俺は、ゆっくりと身体を起こしテントの外へと出て、ミオと2人で役目を終えた灰となった薪の上に新たな薪を置き火種を落とし暖をとる。


「・・ハル、久しぶりの2人きりだね」


「そうだな。あの時までは、普通だったんだけどな」


「うん。でも、また出逢えたから良いんだ・・」


「ミオ、普段からその話し方でいいんだぞ?」


 隣に座り火の付いた薪を枝で突ついて遊んでいたミオは、その手を止め俺を見て口を開く。


「いつもは、ハルの戦闘奴隷としてのミオ・・今は、ハルの女としてのミオなの」


「どっちのミオも好きだからいいけどさ」


 互いに無言で見つめ合い軽くキスしたところで、テントからラニアが姿を現す。


「おはようございます。今朝は早いですね」


「ちょっと目が覚めちゃってね。ラニアは、いつもこの時間に?」


「はい。朝食の支度がありますから」


「いつも、ありがとう」


「きゃっ」


 隣に立っていたラニアを抱き寄せキスをして離すと、少し赤い顔をするラニアが視線を外しモジモジしながら背を向け朝食の支度を始め今日という1日が始まろうとしていたのだった・・・・。



 

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