9章 イシタ公国編 32話 夢?・・思わぬ再会
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あれから寝ているはずなのに起きている感覚がある。だけど暗闇の中、手足を動かすことができない状態なのに冷静でいられる不思議な感覚だ・・。
『・・しびゃりゃ・・コホンッ・・しば、しばらくぶり・・じゃの?』
『・・・・・・』
『・・シカトか?・・おい!またシカトなのか?』
『・・んっ・・この声はたしか・・シカトしていい奴だ・・』
『ぬぁんじゃと!!』
思い出したようなフリをした瞬間に相手の高ぶる感情を簡単に読み取れた俺は、シカト路線に切り替えた直後に驚愕の感情が一気に流れ込むと共に僅かにその扱いを期待していた感情が紛れていたことを知っていた。
『・・・・・・』
『・・・・』
『ぬぅるあーー!』
『うるせー!!』
脳内に響き渡る少女の声に苛立ち、反射的に声を出しながら目を開けると森の中に1人寝転がる俺がいる。
「あれ?・・なんでだ?」
そう呟いていると誰かが近づく気配を感じ上半身を起こすと同時に目の前に小さな足の裏に視界を覆われ強い衝撃を受けてしまった。
「んぐぅ!」
そのまま後頭部を地面に打ちつけながら後方へ身体を回転させ仰向けで止まり反撃のため起き上がろうとした瞬間に身体を押さえつけられ目の前には少女?いや、大人になりきれないロリババァと視線が重なる。
「いってぇ・・な、このヤロウ・・」
「生きておったか?」
「あったリめーだろ?ってか、今まで何処に行ってたんだ・・お前?」
「お前って呼ぶでない・・妾は女神なのじゃぞ?」
「はいはい、それで突然なんなんだ?」
「・・ハルよ、昼間にバカみたいな魔法を爆発させたのはハルか?ハルなんじゃな?」
「あぁ、なんかムカついて放ってやったかな?・・それが、どうしたナトリア?」
女神ナトリアは深く溜息をつき両手で掴んでいた俺のシャツから手を離し告げる。
「はぁ・・お主の魔法でかなりの数のスパイル王国の連中と勇者達が巻き込まれ死にかけたんじゃ・・」
「ちっ・・素直に死んでねぇんだ、アイツら」
「バカか?あの腐っても勇者が死んだら誰が代わりに魔王討伐をするんじゃ?」
「・・そのうち召喚される新たな勇者クンかな?」
「勇者クンじゃなくて・・ハルに決まっているであろう?」
「嫌だ・・あの魔王絶対に強いから、マジ無理。諦めて」
女神ナトリアはゆっくりと立ち上がり地震に満ち溢れた表情に変わる。
「そう言うと思ってな・・今から合流させるにはまだ早いが、連れて来たんじゃ」
「連れて来た?・・誰を?」
ナトリアがゆっくりと指差す方向に大きな大木が倒れているだけだった。その倒木をしばらく見ていると、ちょこっとだけ隠しきれていない銀色と金色のケモミミらしき三角形の先っちょが・・・・。
「・・・・リル、クウコ」
思わず2人の名前を小さく口にするとピコッとケモミミが反応し、ゆっくり顔を覗かせ銀色と金色の幼き瞳と視線が重なった。
「ほれ・・2人を呼んでやるのじゃ」
「・・肉串、食うか?」
自然と口から出た再会の言葉がコレでいいのかと悩み、ナトリアも呆れた声を漏らしていたけどリルとクウコは倒木を一気に飛び越えたところで姿を消し、その直後には2人に強く抱き締められていた・・・・。




