8章 王国潜伏編 31話 出会いと別れ④
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半端な回になってます。
突然乱入したきたミリア第1王女を王都へ送り、王城前で別れた俺はそのまま王都の南門から出た俺は街道を何も考えず1人歩き続けると小さな村が見え、丘の上に立派な屋敷が建っている。
「村の規模に対して、やけに馬鹿でかい家だな」
そう呟きながら、村に入り自然と丘の上にある屋敷の前に辿り着いていた。
「あれ?なんでここへ来たんだろうか・・」
すると、玄関のドアが開き家の使用人が1人出て、俺の立つ門扉へと近づいて来る。
「あのぉ、どちら様でしょうか?」
「あっすいません。気づいたらここに来ていたもので・・」
「そうですか・・あの、お名前は?」
「名前・・ですか?・・ハルです。ソロ冒険者をしています」
「ハル・・ハルさんですね・・このままお待ちください!!」
使用人は俺の名前を聞くと慌てながら屋敷へと戻って行く。それを見送った俺は、門扉横の壁に寄り掛かり座る。
「はぁ・・なんか疲れたな」
そう呟き下を向いて目を瞑ると、走る足音が近づいて来る。それも1人じゃない・・数人はいる。だけど、疲労感に包まれた俺は気にせず近づく音だけに耳をすませている。
すると突然近づいて来た足音の存在に抱きしめられていることに気がついた。
「ん?・・なんだ?」
顔を上げると、そこには俺を抱きしめる金髪少女2人と黒髪少女達、そして後ろに猫人族少女達が立っていた。
「 ハル!!・・探したんだぞ・・このバカ!やっと会えたと思ったのにいなくなるなんて・・無事でよかった」
「ハル・・ちゃんと帰って来てくれた・・まだ傷が完治させてあげてないんだから・・念話も繋がらないし・・心配したんだから」
俺は、2人の顔と懐かしい声を聞いて名前を呼んだ。
「アイナ・・マリア・・ただいま・・ちょっと出掛けてた・・」
2人の頭を撫でてやると、ギュッと抱き締めた後にスッと離れると黒髪少女4人に取り囲まれる。
「おにぃ!ちょっとどころじゃないよ・・」
「にぃに!・・寂しかったんだから」
「ハル、何してたのよ・・」
「センパイ・・生きててよかった。いなくなったら、この世界でどう生きていけば・・」
「ゴメンな、琴音、美音、真衣、愛菜・・心配かけさせた」
「「「「 バカッ!!!! 」」」」
4人から同時に怒られ抱き締められる。それぞれ4人の違う香りと体温に包まれて、安心感に満たされた俺は、4人を抱き締めて呟く。
「ただいま・・」
「「「「 うん、おかえり 」」」」
満足した4人は、マリア達の傍へ移動したところで、ミオとミリナが寄って来る。
「ご主人さま・・」
「ミオ、ミリナ・・」
俺と2人の間には言葉はなくとも通ずるモノを感じるため、互いに名前を呼ぶだけで感じ取れる。そのまま抱きしめ合った時間を過ごして離れると、ラニアがそっと傍に立ち口を開く。
「お帰りなさい。一足早く私達も家に着きました。それまでは、不眠不休でハルさんを探していましたが見つけれず、アイナさんの意向で勇者から離れるため戻って来たのです・・それが正解でした」
「そうか、こうして会えたのもアイナのおかげか・・」
「はい・・寒くなってきましたので中へ入りましょう」
「・・・・」
俺は無意識に2人の姿を探すが見当たらない・・。
「ハルさん?」
「あっ・・そうだね、家に入ろう」
2人を見つけられないまま、俺はラニアの背中を追って家へと入り階段を上り2階の大部屋のソファに座るとみんなが同じ部屋に入って来る。
すると、マリアが俺の所に来て3階の寝室へと誘う。
「ハル、一緒に寝室に来て」
「・・あぁ、いいよ」
座ったばかりだけど、ソファから立ち上がりマリアに手を引かれて3階の寝室へと向かい大きなベッドの前で立っていると、前に立っていたマリアが背後に回り後ろから抱き締めてきた。
「マ、マリア?」
「ハル・・今まで何処にいたの?・・ずっと念話で読んでも繋がらないし、気配探知で探しても見つからない・・」
「マリア・・」
グッと抱きしめるマリアの震える両手に触れながら、ゆっくりと口を開いた。
「目が覚めた後、リルとクウコと外に出たんだ・・それで、3人で野営して朝目覚めたら2人が居なくなってた・・」
「リルちゃんとクウコちゃんが?」
「あぁ・・それから1人になって・・ただ道を歩いてたら・・」
「歩いてたら?」
「・・第1王女様と出会った」
「はぃ?・・ミリアお姉様と?」
マリアは両手を離し、俺の前に来て顔を見上げ俺を見つめている。
「そう、ミリア第1王女様と」
「意味がわかんないんだけど・・どうして道で?」
「さぁ、馬車が止まったら急に降りてきたのがミリア第1王女様だったんだ」
「そう・・なんだ。何か言ってた?」
「俺と一緒に行きたいと・・」
「ハルと一緒に?」
「そうなんだ・・すぐに別れたんだけど、俺の歩く先にミリア第1王女様が1人で待ち構えてたよ」
「さすが、お姉様・・けど、執事のギリーが一緒にいたはずよ?」
「走行中の馬車から飛び降りて、王城まで気付かないから平気だと言ってた」
マリアは驚きながらも、ミリアお姉様なら・・と独り言を呟いている。
「それなら・・2人きりで?」
マリアの瞳が細くなり俺を狩るような視線を送ってくる。
「だ、大丈夫・・何もしていないから・・」
「・・・・ホントに?」
「んまぁ・・テントで一緒に寝たくらいかな・・」
「お姉様と同衾したの?」
グイッっと顔を近づけ、眼前にマリアの顔が迫る。
「同衾はしてない、別の毛布で寝たし、そんな気分なんて微塵も無かった」
「わかってる・・ちょっと悪戯したかったの・・」
そう言って、マリアは俺を抱き締めたままベッドへと倒れ込む。
微かに感じるマリアの香りと、マリアの顔を見ながら2人の時間を過ごしていると美音が1人寝室に入って来た。
「にぃに・・マリアさん・・」
「美音さん、ここへどうぞ」
マリアは美音を呼び寄せ上半身を起こすと、俺にシャツを脱ぐようにと言うため素直にシャツを脱いで上半身裸になりベッドで横になる。
「にぃに、痛くない?」
美音が右半身の傷に触れながら聞く。
「痛みはないんだけど、まだ違和感が残ってるよ」
「うん。わかったよ、にぃに」
美音が両手を俺に向けて、治癒魔法を詠唱し始め身体が薄緑色の光に包まれ暖かさを感じる。
「ハル、私もするね」
マリアは美音の反対側に移動し俺に治癒魔法をかけ始めた。2人からもらう2種類の治癒魔法に包まれて、少しづつ右半身の傷が消えて、皮膚が元通りになっていく。
どれくらいの時間が経過したのか、わからないが2人の息遣いは荒くなり額から汗をかいている時に、どうやら右半身の傷が完治したようだった。
「ハル、終わったよ」
「にぃに、これで元通りになったね」
俺は2人を見た後に自分の身体を見て傷が完治したのを確認し、2人を抱き寄せる。
「ありがとう、マリア・・美音」
「「 うん、よかった 」」
そのまま2人に口付けをして3人一緒に寝室を出て、2階の大部屋へと移動し皆のいる部屋へ向かう途中に食堂から出て来たラニアに呼び止められた。
「ハルさん、ちょうどよかった。そろそろ夕飯にしても?」
「ラニア・・そうだね。夕飯にしよう」
「はい。支度しますので、お待ちください」
ラニアは食堂へと戻り、俺は大部屋へと入って行く。
「みんな、そろそろ夕飯だって」
「「「「 は〜い 」」」」
琴音達が返事をして、俺はソファに座りみんなの過ごす様子を見渡し、隣に座るマリアに話しかけた。
「マリア、ミリア第1王女様はどんな人なの?」
「お姉様?お姉様は、活発で誰にでも同じ愛情を平等に注ぐ人よ」
「そうなんだ・・」
「どうかしたの?」
「いや、初めて会った場所が、おれの覚えている場所と違うと言われたんだよ・・」
「そうなの?」
「都市ニシバルの街道で、ミオといるところで初めて会ったんだけどな・・」
マリアは何か考えるように俺から視線を逸らし黙っている。
「皆さん、夕飯の支度ができましたよ。琴音さん達、配膳を手伝ってください」
ラニアの願いで、琴音達が先に部屋を出て行く。俺は、マリアとの会話を中断しソファから立ち上がって食堂へと向かう。
食堂に入りいつもの席に座ると、なぜか両隣が空いている。
「そっか、リルとクウコの指定席だったな・・マリア・琴音、今日は隣に座ってくれるか?」
「いいの?にぃに」
「あぁ、2人が居ないから仕方ないよ」
「・・うん」
そう言うと、琴音が俺の右に座り左にマリアが座る。
「ハル、いいの?」
マリアが遠慮気味に聞いてくる。
「いいんだよ・・傷を治してくれたしね」
「わかったわ」
それから、全ての料理が並んだところで、一緒に食事を始める。久しぶりにこの家の食堂で飯を食べるのはいいもんだと思う。そう思いながら手を止めて顔を上げると、窓越しに見える遠い王都の夜景が見えた。
「・・・・」
「どうしたの?」
マリアが食べるのをやめた俺に気付き声をかける。
「ん?・・あ、いや・・なんでもない」
そう答えて食事を再開し食べ終えた後に風呂に入ることにした。
「はぁ・・」
1人で風呂に入り湯に浸かる俺からは溜息しか出ない。傍にいることが当たり前だった、リルとクウコが居ない現実が受け止めれない俺は、何もかも投げ出したくなる衝動に駆られる。
「ダメだな・・このままじゃ・・」
目を瞑り、全身を浴槽に沈みこませ瞑想する。水中の中では周囲の音が何も聞こえない。聞こえるのは、自分の心臓の音だけだ。
適度な水圧に包まれ、孤独の世界にいる俺は、この先のことを考え始めた矢先に急激に水中から外の世界へと連れ出される。
ザバァッ!!
「ハル!! 目を開けて!!」
目を開けると、全裸のマリアとミオとミリナ達が俺の腕と身体を抱き抱え浴槽から俺を引きずり出す。
「どうした?そんな顔して?」
「・・だって、底に沈んでたままだったんだもの」
泣きそうな声でマリアが口を開く。
「そっか・・勘違いされたな。ただ、瞑想していただけなんだよ」
そのまま全てをさらけ出している俺は、立ち上がり風呂へと入り直すとマリア達は、髪や身体を洗い始める。その後ろ姿を見ながら湯船にいると、なんかいけないことをしているような気持ちになる。
それぞれが洗い終わると、ゆっくりと湯に浸かり1日の疲れを取るような表情をしている。髪の長いマリア達は髪を纏めることなくそのままにしているため、ゆらゆらと揺れている。
「綺麗な髪だな」
金髪と黒髪と茶髪をソッと触れて呟く。
「おにぃ、どの髪が一番?」
「琴音・・難しい質問だね。みんな全部好きだよ」
「もう、答えになってないよ」
琴音は不満ながらも嬉しそうな顔をして俺に身体を寄せてきた。
「琴音さん、ご主人さまの答えは、わかりきっているじゃないですか」
「そうだよね・・聞きたかっただけなの」
そう言いながら琴音は、顔を埋める。
「そろそろ出ようか」
俺の言葉に皆が同意し、風呂から出て脱衣所へと移動し濡れた身体を拭く。それから寝室のベッドで横になるとラニアが寝室に入り、俺達にと飲み物を持って来てくれた。
「ありがとう、ラニア。ラニアも風呂に入りなよ」
「はい。ありがとうございます」
ラニアが風呂に入るタイミングで、リンとカラ達と一緒に入って行くのを見ながらラニアが持って来てくれた水を飲んでベッドに横になる。
「ハル・・ラニア達が出て来るまでに・・シテもいい?」
「マリア・・」
「おにぃ(にぃに)・・」
「ご主人さま・・」
マリア達からの誘いに驚きながらも、本能の部分で抑えきれない状態になった。
「久しぶりに・・シテみようね。みんな、こっちおいで」
「「「「「「 うん、シヨ 」」」」」」
そのまま布団に潜り俺達は、ラニア達が風呂から出て来るまでに身体を重ね続けて濃い時間を共有したのだった。




