8章 王国潜伏編 10 話 王城侵入・・・④
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お前ら敵だ・・・・
「はっはっはっはっ!お前は何を偉そうに言ってんだコラ?この状況でよく言えるな・・もうお前はここで死ぬ運命なんだよ、バーカ!」
「・・俺は、お前らなんかに屈しない・・・・その運命に抗う!」
「なら死ねよ、椎名。お前の周りにいる女を全て俺達が可愛がってやるから・・」
沖田達が同時攻撃を仕掛けてくる。王城の崩壊など微塵も考えてない。俺は、隠密スキルで姿を眩まし沖田達の行動を一瞬遅らせた隙にする抜けて部屋を飛び出し廊下を走る。
さすがに窓を突き破り一気に地上へと逃げるチート能力を持っていないため、上がってきた階段へ向かい廊下を走り角を曲がる直前に飛び出してきた2人を避けきれず正面衝突してしまう。
キャッ!!
柔らかいモノに衝突し、廊下に倒れ込む2人の存在が美少女と気付き咄嗟に抱き抱え彼女達を転倒から助ける。
「えっ?どういうこと?」
「なにコレ?誰なの?」
見えない物体にぶつかり、倒れる直前に支えられている状況を混乱している2人の顔を見ると、何処かで見た記憶のある黒髪少女達だった。
「ゴメン、大丈夫?怪我は無いかな?」
「ウソ・・しゃべった」
「ってか、この声・・ハル?」
突然、俺の名前を呼ぶ少女に驚き、その顔を改めて見ると懐かしい顔だった。
「・・真衣?・・それに愛菜ちゃん?」
「やっぱり、ハルの声」
「ホントにハル先輩の声だ!」
俺は彼女達に敵意が無いことがわかり、そっと立たせ2歩下がった位置で隠密スキルを解除し姿を見せる。
「ハルッ!逢いたかったよ!」
真衣が俺の顔を見た途端に胸に飛び込んで抱きついてくるのを、そのまま受け止めた。なぜなら、元の世界では恋人だった記憶がある。
「ごめんな、突然いなくなっちまって」
「うん・・寂しかった・・この世界に来て、やっと逢えたのにまた会えなくなったと思っていたから・・」
真衣に抱き締められながら彼女の頭を撫でていると、トコトコっと愛菜が近寄りソッと腕にくっつき見上げ口を開く。
「ハル先輩・・ホントにハル先輩なんですね・・生きてるセンパイに逢えて嬉しいです」
涙ながら話す愛菜は、もちろん俺と真衣の関係を知っているから少し控えめに抱きついているが、彼女から告白を受けて返事をする前にこの世界に召喚されたことを思い出す。
「愛菜ちゃん、あれから背もだいぶ伸びて髪もロングにしたんだね」
「・・はい。センパイの好みに近づけようとして、恋人の真衣さんの真似をしていましたから」
「そっか・・可愛くなってるよ愛菜ちゃん・・でも、今は悠長に再会を喜んでいる場合じゃないんだ」
「えっ?なにがあったんですか先輩?上の階で物凄い音が聞こえたんで来たんですよ」
「そうよハル・・いったい何があったの?」
俺は、2人の視線に合わせて告げる。
「簡単に言うと、俺と勇者の沖田とは敵対関係なんだ。さっき沖田に襲われそうになった琴音と美音を、仲間に俺の家へ連れて行ってもらった。俺については第3王女マリアに聞いてくれ。そして、マリアを守って欲しい」
俺はそう言い残し、1分も満たない時間で真衣と愛菜の前から姿を消して下の階へと降りて行来ながら気配探知スキルで状況を確認した。
どうやら侵入した門には多数の気配が集結しつつある。きっと騎士や近衛兵だろう。そのまま人気の無い場所が1つだけあり、そこに向かって走り続けている俺はあることに気付く。
「・・・・まさか、誘導されてる?」
立ち止まり近くの物陰に身を潜め改めて周囲の気配を確認すると、やはり不自然に1つだけ逃げ道がある。まさにそこへ向かっていた俺は、このまま行けば奴らの術中に嵌ると理解し新たな逃げ道を模索する。
「・・俺のスキルを看破している奴が勇者側にいるのか?」
たまたま見た先に古びた小屋を見つけ、何か違和感を感じた俺はその小屋のドアをこじ開け中に入ると、朽ちた木材に隠されるような感じで地下へと向かう階段を見つけた。
「コレに賭けてみるか・・」
地下道は音が遠くまで聞こえやすいため、歩く音を出さないよう歩き警戒しながら進んで行くと無人の地下牢があった。
「この地下牢、あの2人が放置されていた場所・・なら、この先には街へと繋がる出口がある」
暗い地下道を移動し急に現れた階段に足を取られつつも、やっとの思いで出口を見つけた。普段ならなんとも無い道のりだが、血を失い過ぎたため全身が酷く重たく感じる。
「はぁ、はぁ、はぁ・・階段ってこんなにキツかったかな・・」
階段を上り終わり、目の前の施錠されたドアを短剣で鍵を破棄しながら呟く。そして、鍵を破壊し終わったドアをゆっくり開けると、そこには街の日常が溢れている。
「なんとか逃れられたかな」
城内の各所に集結している気配に動きは無い。きっと城内に潜伏していると思っているのだろう。俺は隠密スキルを解除して通りを歩き体を休めれる場所を探す。
足は宿屋ではなく大通りと比べ暗い裏路地へと向いて行く。そこで誰にも見つけられないような場所を見つけ、長く放置された家具の隙間に体を忍び込ませ座る。
「今夜は、ここで様子見だな・・」
しばらくは周囲を警戒していたが、疲労が蓄積していた俺は時間が経つとともに警戒心が薄まり、いつの間にか意識を手放してしまっていたのだった。
また編集し次話を投稿します。




