1/59
1話 はじまりはじまり
時は大正。日本国が世界へと参画していく中で、人々の暮らしや情勢が激流のごとく変化していく最中である。
多くの言葉が海の外からやってきたものに置き換えられ、過渡期にさらされている不安定な世の中ではなにがひとの心に刺さるかは未知数だ。
新聞社や新聞社や本屋がこぞって特ダネを探し、各社が大々的に紹介すればやがてそれが流行りとなる。
そしていま、多くの若者を魅了しているのは『オカルト』と呼ばれる事象だ。
神秘の島といわれたこの国も諸外国と同じく、あらゆることが科学を用いて説明されていくようになり、〝神様〟や〝妖怪〟など古くから畏れと親しみを持たれていたものはじょじょに失われつつあった。
だからこそオカルトに心打たれたものが増えてきている。我々が信奉してきた神秘は説明がつくはずがない、たかだか科学に解明されるはずがない。神も妖怪も幽霊も、そうやすやすと消えていくわけがない。
ところで、貴方は『高千穂オカルト調査事務所』をご存じか?




