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アルカディアの先生と連行

「…あ!こんなことしてる場合じゃない!早く戻らなきゃ!」

私は立ち上がり周りを見渡す。

しかし辺り一面草原、どっちから来たのかさえ分からない。

「う…」

チラッと渚の方を見る。

顔には出してないけど多分不安なはず。

だって異世界から急に立ち入り禁止区域だよ?私がしっかりしなきゃ!

「迷ってる?」

「だ…大丈夫!こっち!!」

そう言って手を引っ張り歩いていく。

正直かなり涙目だ。


しばらく歩いていくと森のような場所が見えた。

本当にこっちで合ってるのだろうか?森なんて通ればすぐにわかりそうなんだけど…。

そう思いつつごくりと唾を飲み込んで一歩踏み出そうとしたとき、

「誰だ!?なぜこんな場所にいる!」

「ひぃ!!」

突然声をかけられて悲鳴をあげながら振り返る。

見ると鋭い目をした銀髪の女性が小さな杖をこちらに向けている。

「ごごご!ごめんなさい!考え事をしていて迷い込んでしまって!」

「…その制服、うちの生徒か?」

「は、はい!アルカディア魔法学校の高等部1年F組ナギ・ミスティアです。アルカディアの先生ですか!?」

ジッとこちらを見て様子をうかがっている。

「問題ないな…。そうだ、まさかこんな場所に迷い込むとは…」

そう言いながら杖をしまう先生。

「はぁ、助かったー…」

へなへなと座り込んでいく。

よかった、これで戻れる…いや、完全にばれちゃったしもしかして停学!?まずいんじゃ…。

「ん?そっちは…?」

手をつないで隣にいる渚に目を向ける。

「え?その、何て言うか」

「気が付いたらここにいました。異世界人です」

そんなストレートに!?

大丈夫かな?やばい人だと思われたり…。

そう思いながらも様子をうかがう。

「いせ…?…なるほど。指導室にて詳しく話を聞かせてもらおう」

何かに納得したようで、私が進んできたのとは反対方向へと連行された。



「ここで待て」

無事、学校についた私たち指導室に通された。

しかし椅子に座らされた私たちの顔はこわばっている。

入った瞬間わかった。

ここは指導室に名の拷問室だ。

「ひえぇぇ…」

「…っ!」

扉や壁は鉄製。

一部が錆びていて血のようにも見える。

部屋の隅には針だらけの椅子、アイアンメイデンのような棺、モーニングスターのようなものもある。

「あれ何!?何に使うの!?」

「わ、わからない…」

こんな場所で二人で…。

停学どころじゃなかった、私達ここで人生が終わるんだ。

「待たせたな」

さっきの先生(拷問官)が何か箱のようなものを持って入って来た。

「殺されるぅ!!」

「ワタシ、タベテモ、オイシクナイ」

「ん?あぁ、違うぞ、この部屋しか…」

「ひいぃぃ!!」

「おぶ…おぶ…」

「聞けぇ!!何もしないわ!!」

カァン!と地面に足を叩きつけ、目を向かせる。

「は、はひ…」

「ふぅ…」


「よし、これでも飲め」

そう言ってコップに水を注いで目の前に置いてくれた。

「…ぷはぁ」

「おいしい」

私と渚は出された水を飲みほす。

「落ち着いたか?」

「はい、ありがとうございます」

「もう一杯」

「ふむ、意外と図太いな。自白剤が入っていたのだが」

「ゲホッ!ゴホッ!え!?この中に…!」

「おえー!おえー!」

どうしよう!?全部飲んじゃった!

なんでも答えちゃうよ!

3年前までおねしょしてたとか中等部の時先生をお母さんって言ったことがあるとか赤裸々に!

「…冗談だ」

「なんてものを…え!?冗談!?」

「嘘…ついてない?」

「当然だ。そんなもの、この学校で許されるわけがないだろ」

この先生何なの!?


「安心しろ、ただのアイスブレイクだ。では取り調べを始める」

むしろ氷が固まったのを感じつつ私と渚は座りなおした。

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