プロローグ
わたしは昔から怠惰に過ごすのが好きだった。
お出かけも、学校も、会社も。
何もかもがつまらなく、面倒だった。
家でだらだらと過ごす時間。
アニメを眺める時間。
ねそべってお菓子を食べる時間。
これだけがわたしの安息の時。
今日は仕事がお休みの日だった。
いつも通り家でゴロゴロしようと思っていた。
そのはずだったんだけど、
「…え?ここどこ?」
お昼寝から目が覚めると、豪華なベッドの上にいた。
ほんと、ここはどこだろう?
「ベルフェゴール様!」
ん?誰だろう。
わたしの名前は…あれ、思い出せないや。
「ベルフェゴール様遂に復活されましたか!」
「あなたは誰ですか?
ここは、どこ?」
「もしやとは思いましたが…記憶がございませんか?」
「何も…ない」
急に、心細くなった。
ここはわたしの知らない場所なんだと実感した。
だって、今来た人には角や尻尾が生えていたのだから。
わたしはお昼寝をしている間に
違う世界に来てしまったようだ。
「記憶がないのでしたら、魔界のこともお忘れに?」
「そうみたい、です」
ここは魔界という場所らしい。
もしここが小説のような世界観であれば、
「ここは、悪魔が暮らしている世界でしょうか?」
「はい、そうです。思い出されましたか?」
「いえ…今のはただの勘です」
やっぱり…
ベルフェゴールという名前には聞き覚えがあった。
大罪《怠惰》を冠する悪魔の名前。
わたしにぴったりだ。
不定期投稿です。




