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龍翔記  作者: GIN
523/693

0523話 旅立ちの準備

「さぁー、みんな急ぐよー、レム、準備できたところから収納していってくれる?」


「承知しました!」


ミコトの号令に反応したのはレム。


すぃっと宙を飛び、バタバタと旅の準備を進めている仲間のもとへと向かう。


「ベル、準備の方はどうですか?」


「あー?、レムか……我はもうできているぞ!」


ふふんと鼻を鳴らしながら胸を反るベル。


いつもの服に手にした剣。


それ以外のものは特に持っていない。


「荷物はないのですか?」


「我の荷物はこれだけだ」


そう言って剣をレムに見せるベル。


「ふふん、すでに我の準備はできているからいつでも出発できるぞ!」


「いやべル様……全部オレたちに押し付けてるだけじゃないですか」


「そうですよ、自分のことは自分でしてください!」


フォライーとヴァラファールが抗議の声をあげ、レラージェはコクコクと頷いている。


「……我はそういうのは苦手なのだ!」


「苦手だからって自分だけやらないのはどうかと思いますよ」


「そうだそうだ!」


フォライーとヴァラファールの言葉にレラージェがコクコクと頷いている。


「うるさいうるさいうるさいうるさい!」


「げぇっ、開き直った!」


「パワハラだ、ブラックだ!」


フォライーとヴァラファールの台詞にレラージェがコクコクと頷いている。


魔族の纏め役であるアスタが子供たちの世話をしに屋敷の離れに行っていることもあり、ベルがやりたい放題やっているようだ。


フォライーらは文句を言いながらも準備の方は順調に進めているようだ。


レムは次の仲間の元へ向かう。


アルスとゴブナも準備は終えているようだ。


「アルス、ゴブナ!、準備はどう?」


「もう殆どできていますよ……あとは……」


そう言ってアルスはゴブナを見る。


「なにか問題でも?」


アルスの言い方が引っかかったレムもアルスの視線を追う。


そこにはしゃがみ込んで肉を頬張るゴブナの姿があった。


「ゴブナ……すごいお腹が空いているみたいで、ずっと食べてるんですよ」


アルスの話しぶりからすると準備をするより食事を優先するゴブナに呆れているというより心配しているようだ。


ゴブナは膝を曲げ、腰を落とした体制で焼いた肉にかぶりついていた。


「むぁ!、むぉぬぅぬぁぐぅ……」


「……何を話しているか分かりませんね」


「ずっとこんな調子なんですよ」


……ふん、なにやら急激にエネルギーを欲しているのかもしれんな


バジリスクの言葉が響く。


「それってどういう……?」


……ふん、時間が解決するわ……とりあえず喰わせておけばいい


「まぁ、こんな感じですが準備は終わっていますので、いつでも大丈夫です」


「分かりました!」


レムはすぐ隣で荷造りをしているアーガスに声をかける。


「アーガス、準備はどうですか?」


「ああ、準備に関しては問題ない……問題はあれだけだな」


アーガスが指さした方向には睨み合うアイリーンとリュドミラの姿があった。


「ちょっとリュドミラさん……カミュから離れてください」


「十分離れてるじゃないのぉ」


「いえ……全然離れてないわ」


カミュの背中にもたれかかるようにしているリュドミラを引き剥がすアイリーン。


「あぁん……乱暴な女ね」


「……リュドミラさん……次に行くかとか言ってませんでしたか?」


カミュが呆れ顔で尋ねる。


「そのつもりだったんだけどぉ……やっぱりああいにはカミュしかいないなぁ、と思ってさ」


「……と、思ってさじゃない!」


アイリーンが怒りから剣の柄を握る。


「はいはい、そこまで」


割って入ったのはグレンだ。


「リュドミラ、アイリーンを誂うのはよせ……アイリーンもすぐに剣を抜こうとするんじゃない」


「……ふん、恋愛は自由でしょう」


「ああそうだが、対象のカミュがそもそも求めていないじゃないか」


「そうだけど……」


「相手のことを考えないのでは成就するものもしなくなるぞ」


「……分かったわよ」


グレンに正論で諭されたリュドミラはプイッとそっぽを抜いて離れていく。


「ふぅ……行ったわね……ありがとうグレン」


「いやそれはいいんだが……」


グレンはリュドミラが歩いていった方を見ながら言う。


「ちょっと言い過ぎたか……な?」


「どうかしら、間違ったことは言ってないと思うけど」


「だよな……でもまぁ、ちょっと気になるので行ってくる」


グレンはリュドミラの後を追っていった。


「まぁ、あんな感じだが概ね問題ない」


アーガスの言葉にレムは頷いて答える。


「マークはフォルカのところに?」


「ああ、万が一のことがないようにと付きっきりだな、ああマークを含めて準備は終わっているぞ」


「分かりました!」


「ああ、レム!、すまない、こちらで準備できた資材の収納を頼む」


レムに声をかけてきたのはアスカだ。


「分かりました!」


「これで全部かの?」


「そうですね」


カルロスを中心に非戦闘員たちがバタバタと資材の取りまとめを行っていた。


食料や水などの必需品に加え、残していく予定だった資材も急遽持ち出すことになったためだ。


離れにいる避難民たちが同行を希望していることがすでに伝わっており、予定を変更して持ち出す資材の確認が必要になったためだ。


「モントロワに残る人数の確定が必要じゃな」


ブラウカ王国で長く政治に関わったカルロスが資材の管理においては大活躍だった。


各資材の総量の把握を始め、必要数の分配などを宰相としての経験から適切な量の判断ができるためだ。


「……離れに元々置いてある資材も考慮する必要がある」


「確かにそうじゃのう」


そんなカルロスの補佐をしているのはロラだった。


幼いながらに博識なロラはカルロスの補佐役として立派に役目を果たしていた。


「おーい、レム……こっちの食材や道具も頼む」


泰然タイランが準備しているのは一行を支える食事を作るための食材と調理道具だ。


「お任せください!」


瑠璃の用意した薬などの収納も終え、いまモントロワにいない仲間たちの荷物の収納を行うレム。


怪我をして動けないフォルカとマクシミリアン、意識が戻らないヒューイを馬車に乗せて固定する。


ミリルと瑠璃がその馬車に同乗している。


その他、マクシミリアンの屋敷にあったありったけの馬車に分散して乗り込む避難民や孤児たち。


ラウル達も馬に跨がり、その時を待つ。


にわかに迫りくる旅立ちの予感。


準備を終え、マクシミリアンの屋敷で待機するチーム:龍翔<ドラゴニア>のメンバーを緊張感が包んでいた。

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