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97 三大帝の復活1

突如現れた魔族、それもかつては魔獣や奴隷として(しいた)げられた魔族が現れ、その場にいた一同は固まって動けなくなっていた。召喚された三体は(おごそ)かな雰囲気を(かも)し出しながらただただ自分たちを見渡してくる。


「再度問おう……。我らの安眠を妨げたものはどこのどいつだ……?」


デノクリフから発せられた言葉は怒気(どき)(こも)っているようで、その言葉に素直に答える者はCクラスの生徒たちも含めて誰もいなかった。


まったく返答を得られないのを確認したデノクリフは一言「ここにいる全員でよいのだな?」と言い渡す。


「我らを魔獣、奴隷と(あなど)るばかりか、身勝手な召喚の道具にまでするとはつくづく苛立ちすら覚えんな…………。覚悟はできておるだろうな…………?」


帯刀していた剣を抜き出したところですぐさま学園長が「構えよ!」と怒声を発する。


「学生どもはさっさとそこから離れよ!死にたくなければな!!!」


普段の学園長からは想像できない怒声に身を(すく)めたCクラスの生徒たちが慌ててその場を後にした。


「ほぉ……。我らに相対(あいたい)するか……。よかろう……。眠りを妨げた罰をくれてやる……」


すぐさまデノクリフが剣を構えて学園長へと斬りかかる。学園長は防御魔術を張り、デノクリフの剣を受け止めた。受け止めはしたものの、しかし、デノクリフの力が強いのか防御魔術にヒビが入ったように見える。冷や汗をかきながらももう一層防御魔術を重ねたところで、後ろに居た教員たちがデノクリフめがけて攻撃魔術を放った。デノクリフはすぐさま後ろへと下がり、(かわ)す。


学園長たちとデノクリフは互いに睨み付けあっていた。


「カロゥ。今のモルゼオは足手まといじゃ。抱えてこの場を離れてはくれんか?」


「わ、分かりました」


カロゥはモルゼオに肩を課して無理やり立たせ、引きずるように後を去る。


「さて……。構えをとったと言うことは我らを召喚したのは貴様らで間違いないのだな?」


「わしらは召喚しとらん!」


デノクリフの言葉に学園長が言い返した。


「ほぉ……。貴様らでないのならだれが召喚したと言うのだ……?」


「さぁの?不慮の事故じゃ。ここはひとつ剣を収めて引き返してもらえると助かるがの」


「引き返せだと?呼びつけておいて帰れとは良い度胸しているな」


デノクリフの語気は怒りで強まるばかりだった。


「落ち着けデノクリフ。恐らくあの男の言っていることは半分本当であろう」


イーズリットが口をはさむ。


「恐らくあの男たちは我らを召喚してはいない。召喚したのは…………。先程まで周囲に居た餓鬼どもに違いない」


「…………なるほどな。だとすれば我らが尋ねるべきは餓鬼どもと言うことになるな。では問いただしに行くこととしよう」


デノクリフとイーズリットがその場から離れようとする。


「行かせるか馬鹿者!!!」


学園長はすぐさま二体に対して火炎魔術を放った。


「学園の生徒たちに手を出させるわけにはいかん!!!」


他の教員たちもすかさず火炎魔術、水魔術、風魔術をしきりに浴びせる。


それをデノクリフとイーズリットは素早くかわして見せた。


「ふん。ここは学園で我らを召喚したのはその生徒と言うことか……。(しつけ)がなっていないのではないかな?」


「そんなの百も承知!毎度のように悩まされておるわ!」


八つ当たり気味に吠える学園長に「貴様らでも手に負えんのならば我らが代わりに(しつ)けるとしよう」と返す。


「それはいらぬ節介じゃ!わしらの生徒はわしらで片をつけるわい!」


「よく言う。ならば我らを呼び寄せた責任……。貴様らがとると言うのか?」


「いやじゃよ!わしは責任をとるのが一番いやなんじゃ!!!!!」


「責任も取る気がないなら貴様らに用はない。事を起こした者に責任を取らせるとしよう。行くぞマーニー、イズ」


「ああ」とイーズリットから返答は来た者のマーニー=ロドリゲスからは返答が来なかった。(いぶか)しく思ったデノクリフはマーニー=ロドリゲスの居た場所に目を向ける。


そこにはマーニー=ロドリゲスの姿はなかった。


「あいつ……。どこに行った?」


「……さぁ。さっきまでいたはずなんだが」


デノクリフとイーズリットは互いに顔を見合わせた。


「おい!オークはどこに行ったんじゃ!お前たち!見たか!!!?」


学園長も突如姿を消したオークがどこに行ったのかを他の教員たちに尋ねる。けれども彼らからは「見てません」「分かりません」としか返ってこなかった。


「「「「「……………………」」」」」


双方から流れる長い沈黙。


「手分けしてマーニーを探すぞ」


「オークがどこに行ったのか探し出せ!!!」


デノクリフと学園長のそれぞれの言葉にその場にいた全員が動き出す。


「あ!待ちおれ!ゴブリン!コボルト!学園内をうろつかせてたまるか!!!」


学園長はすかさず火炎弾を打ち放つが土埃を上げて視界をふさいでしまっただけで当てることができず、結果として二体を見失ってしまった。


「まずい!手分けしてオークを探しながら、ゴブリンとコボルトと接敵次第問答無用で叩き斬るのじゃ!!!学園の生徒たちの安全が第一!ここで生徒の身に何かあったらわしらの首が飛ぶだけじゃ済まんぞ!!!!!」


学園長の言葉に慌てて教員たちが走り出す。


「あ、避難警鐘(けいしょう)の伝令を伝えるのを忘れた!くぅ……。わしが行くしかないか!」


見失ってしまった三体の魔族を頭に(よぎ)らせながら、学園長は研究棟の非常警鐘を鳴らしに向かった。

次回から第三章6節ですね!

そして7節、8節と続きます!!!

クライマックス、ぜひお楽しみに!!!

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