第31話 武器作成と魔法付与
日付が変わる頃、屋敷にある工房に来ている。
何故かというと、ゲームの時と同様に武器が作れるのかという実験だ。
ゲームでは、武器の種類を決め、素材を選び、鍛冶士のスキルを使うだけだった。
できる武器も、素材の良し悪し、鍛冶士のレベルが上であるほど、強い武器が作れた。
さらに、錬成士であれば、作成の時間短縮、魔法や属性の付与が可能だった。
しかし、この世界はゲームではない。
金属を溶かし、型に入れて作ったり、熱して叩いて伸ばして、更に折り曲げて伸ばしてという工程を踏まなきゃならないかもしれない。
「釜みたいなのあるから、加熱はするっぽいなぁ……とりあえず、ゲームと同じ感じでやってみるか!」
オレは、折ってしまったグスタフの大剣の代わりの製作を、実験ついでに作る。
持ち物リストから、ゲームの時に入手した、ミスリルを用意する。
ミスリルは強度も高く、魔力伝導率が高いため、切れ味増加や、付与した魔法に期待ができる青みがかった銀色の金属だ。
武器に付与された魔法や、スキルを使用する際に、武器の魔力伝導率が高いと、本来使用する魔力より少ない量で使用できる。
要は魔力を効率良く使えるということだ。
オレは、ミスリルを使った大剣の構想に入る。
グスタフはパーティーの前衛で、自ずと敵の攻撃に一番晒されることになる。
火力も高く、防御も高い、そんな武器はしなければならない。
防御はミスリルだから気にしないで、火力をあげる方法を考える。
単純に、切れ味が上がる魔法を付与するか、それとも攻撃魔法にするか。
悩みどころである。
魔法は複数付与することも可能だが、リスクもある。
武器本来の攻撃力、切れ味や打力が落ちてしまうことがあるのだ。
付与する魔法が決まらず、直接聞くことにする。
(グスタフ!起きてる?ゲストだよー!)
(……)
反応がない。
寝ているわけじゃなさそうだ。
恐らく、普通に声に出してしゃべっているのだろう。
(近くにいるわけじゃない!念話だ!念話!頭の中でしゃべる感じだ!)
(あ、あー、ゲスト?聞こえてるか?)
(あぁ、聞こえるぞ!夜遅くに悪いな、聞きたいことがあったんだ!)
武器を作ってることが悟られないように、遠回しに使いたい属性や魔法等を聞いた。
ついでに他のメンバーの分も聞いておいた。
手が空いたら作ってやろう。
武器が良くなれば、戦闘の効率も良くなる。
いずれは必要になる。
必要な情報が揃ったので、作成に入る。
ミスリルを数個まとめて置き、右手に鎚を持ち一回叩く。
「スキル『鍛造』!!上手くいったかぁ?」
手を退けると、一本の大剣が出来ていた。
ゲームと同じやり方でも出来た。
重さ、切れ味、固さ、どれも改心の出来だった!
もちろん、ミスリルが素材の中でという出来だ。
スキル『鍛造』は加熱して叩いて成形することを、短縮してやるものだ。
後日、鍛冶士に聞いたのだが、この世界では『鍛造』を何回も使ってやっと一本の剣になるそうだ。
たった一度でできるのは普通じゃないらしい。
とにかく、ミスリルの大剣が出来上がった。
次は魔法付与だ。
魔法付与は、錬成士の仕事だ。
オレは、ジョブを替え作業に入る。
魔法付与は少しめんどくさい。
一緒に魔法が使えるジョブを設定しないといけない。
仕方なく、テイマーを外し、サブに魔導師を設定する。
左手を武器にかざし、付与する魔法を唱え、発動する一歩手前を維持する。
更に左手に右手を重ねて、錬金術師のスキルを使う。
「よし、スキル『魔法付与』!!どうだ?!」
青っぽい銀色だった大剣が赤く染まっていく。
大剣を手に取り、魔力を流していく。
すると剣先から、炎が出た。
どうやら成功したようだ。
付与したのは火の魔法だ。
魔法の属性によって、付与された剣の属性も変わる。
火属性の大剣が完成した。
「よっしゃぁ!完成だぁ!!」
ゲームと変わらず作成に成功し、大喜びしてしまった。
その後、体力もまだ余っていたので、他のメンバーの分も作っていった。
作成よりも、構想に時間を使ったため、終わる頃には空が明るくなっていた。




