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ZSーゼット・ストライカーー  作者: ひびき澪
EP3ー虚心坦懐
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第三章 capter-2   もう一つの異界

 ……夜。

「おやすみー」

「じゃあなー」

 ニリーツ達と分かれて、自室の布団に入る。

 相変わらずふかふかした綺麗な布団で、寝付けるかどうか分からなかった。

「ふぅ……」

 須賀谷は息を吐く。

「それじゃ、電気消すぞ」

「あぁ」

 頷くと川の字だが横になって、目を瞑る。

 色々と須賀谷は、考えていた。

 ……どうしたものかな。

 フランベルグに、ヴェリエントの妖魔。

 この世界には自分の知らない悪意がたくさんあった。

 自分はこれからやっていけるのだろうか。……それが、分からない。

 でも、やるしかないんだ。

 俺は黒岩田に勝って今の生き方を得た以上、とまる訳にはいかない。アロンソ達も頑張ってるんだ。

 ……病気もさっさと治して、さっさといかなきゃ。

 ーー頑張らなきゃ、な。

 時が経った時に俺は何をやってるんだって、後悔するような真似にだけはなりたくないから。


ーー天井の模様を見る。

綺麗な、木目調。

なんだか今朝も見たはずなのに、久しぶりに見た気がする。


ーーそう、懐かしさーー。




「いい気分に浸っているところ、悪いね」

 忘我に浸っていると唐突に知らない声が、枕元で聞こえた。

「ーーっ!?」

 須賀谷は飛び起きて左右を見回す。

いつの間にか、部屋の中に薄紅色の眼をした少年がいた。

一体、何時からーー。ーー俺や順にーー気付かされずに此処まで来るとは、誰なんだ?

「蕨の、仲間か」

 俺は足でイフットを小突いて起こそうとする。

だがーー彼女は起きない。

「ーーっ」

苛立ちながらもつまさきで抓ろうとすると、にちゃっとした感覚があった。

 これはーー血?

 顔を顰めつつ、下を見る。

「ーー先に二人は、殺したよ」

 紅眼の少年が、こちらを見てくる。

「ーー何?」

 ……どういう事だ。

「そしてお前もーー此処で死ぬ」

「うっ!?」

 次の瞬間、少年が迫ってくる。

「ーーそんな、嘘だろッーー」

 ーー反応するよりも早く須賀谷の腹を、拳で貫いたーー。


「っぐぁッ……!」


ーー嫌な感覚だ。呼吸が出来ない。冗談じゃない、全身の力がぬけていくーー。

「全ての君を殺すよ、僕がねーー」

 訳のわからないことを、少年が言う。

 冗談じゃない、こっちはそんな覚えなんかーーないぞ。

 クソ、なんなんだよーー”

「……きろ!」


「起きろ!」


「ーーっ!」


「うわぁっ!」

 慌てて須賀谷はノイズに目蓋を開く。これはーー夢?

「なーにうなされてやがんだ、汗びっしょりじゃねぇか。巨人に踏まれた夢でも見たか?」

顔を見ればふてぶてしい顔をしたアロンソがいる。

「ーーだ、大丈夫、助かったーー」

 自分でも不自然なくらい、肩で息をしている。ーーまるで、【本当に殺されたかのようだった】

「ちょーっちさ、朝風呂でもいかないかい」

「ふ、風呂?」

「俺もよう、多少なりともプロとして食ってく上で悩みがあるんだわ」

「ーー別に、いいけど」

 須賀谷はそう、頷く。


ーーしかし、今の夢はーーなんだったんだろう?


2013年 06月01日 10時08分 ぶりの更新です。

2016年09月04日。物語が進みます。

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