エピローグ
やっとのおもいで学校に立ち戻りゴーレムを完全に機能停止させた後、教師陣が必死の後処理をした次の日の朝。
「何だか大変なことになっちまったなぁ」
アロンソは校庭から一夜前と比較して相当に荒れた校舎を眺めて苦笑した。
その後ろには須賀谷、イフット、順、そして篝火がいる。
「試合に出た他の二人は?」
須賀谷が尋ねると、
「あぁ弓道部の奴らか。特訓だっつってさっさとどっかいっちまったよ。それよりお前んとこの女の子こそ怪我大丈夫なのか? マシンと戦うなんて順でもなきゃまずいと思ってたが」
「私なら無事ですよ。丈夫なのでもう完治しました」
イフットは自分の強さをアピールすると、そう会話を進める。
「そんならよかったぜ……。ん、そうだ」
そこでアロンソは何かを思い出したような顔をした。
「そういやあれだ、須賀谷。近いうちにやる、レースのチケットがあるんだ。今度よかったら……見に来てくれよ。中々面白いものだぜ」
ポケットから紙のチケットを取出し、須賀谷に手渡す。
「……ありがとう」
須賀谷は礼を言い、レースのチケットを受け取った。
「さて、俺は学校で色々始末書も書かなきゃならんからな。ちょっと行くわ」
アロンソはニコりと笑うと、近くに来た火迎に気付いてささっとその場から立ち去る。
「今回はとてもお騒がせして申し訳ございませんでした!」
入れ違いにきた火迎はいきなり順の目の前に来て、頭を下げた。
「いえいえ、仕方のない事です」
篝火が言い、
「あぁ、謝罪をする必要はない。ゴーレムの出現は予想外の事だった、仕方ない事だ」
と順もそう慰めた。
「とはいえお怪我をされた方もおりますし……」
「問題はないさ。それより薮崎の方は無事なのか?」
順は問題ないと笑い飛ばし、それから尋ねる。
「え……あ、はい、先ほど出立されました」
「……成程。足は速いな、流石に。ペーパーゴーレムはそのまま資源に還元して売り払ってくれていい、こちらに取り分は要らない」
順は火迎にそう告げ、きょろきょろと見回してからシックザールに乗って近くに来たダリゼルディスに気付く。
「ダリゼルディス」
「お待たせ。とりあえず薮崎とはさっき別れて、向こうは帰ったよ。皆も乗るといい、授業が明日は普通に始まるからね!」
「……そういえば今のところは公欠の扱いであったな。明日は普通に学校にいかなきゃならんか」
順はそうつぶやくと皆、行くぞと声をかけてくる。
「あぁ」
須賀谷は頷き、先に篝火が乗ったのを見てからイフットの手を取ってシックザールに乗り込む。
全員乗り込み扉を閉じるとエンジンが始動し、徐々に加速する。
「……あっ」
篝火の声に窓を見ると、マジックボードに乗ったアロンソが見える。
「アロンソ……」
須賀谷は軽く、敬礼をする。
少し並走したところでアロンソは達者でな、と指でサインを送ると見えなくなった。
シックザールは朝日に打たれ、ヒオウにへと戻っていった……。




