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チラとこちらを見てからスルリとベッド下から這い出るヨハン。
ミカちゃんが置いていった服を咥えた後、またこちらをチラ見してからトトトっとアトリエ部屋のほうへ出て行く。
・・・・・。
「ちょっ!こっちは胸が邪魔でなかなか出れないんだけど!?」
この長すぎる髪も邪魔だし!あとでキッチンの包丁で切ろうかしら…!
お尻や頭を打ったり足が攣りそうになりつつもなんとか這い出てアトリエに向かう。
「ヨーハーンー?こっちのネコって喋れる、の…」
アトリエには見慣れないすらりとした男性が立っていた。
いや、黒なのに紫のように輝く毛艶は何度も撫でてきた。
それにあのこちらを伺うような、射るような視線とあの青の瞳は
「ヨハン…」
「ルイーゼ」
いや、私、桃香ですけども。誰それ。