プロローグ
佐藤誠、という高校生は変わっていた
彼は何か作ることには異常にうまかった。
学校の文化祭で、彼は小屋を作り上げたり、オンラインゲームなどでは生産職のスキルをカンストして生産職のトッププレイヤーとして有名だった。
そんな彼であったが学校生活では普通であった。
その日もいつも通りに学校で授業を受けていたのであった。
-佐藤誠-
「では、教科書24ページを開いてくれ」
数学の先生から指示を出され、教科書を開く。そして先生は教科書の内容を読んでいく。
この先生、黒板には生徒に問題を出す時にしか書かないので一部の生徒から嫌われている。
しかし、この高校の生徒と付き合っているという噂があるので世の中わからない。ちなみに先生は女性で噂の生徒は学校一のイケメンの長谷川龍一らしいので、今も時折クラスの女子が悪口を喋っている。
というより隣の佐々木さんの悪口が現在進行形なのだ
「なんであんなやつが龍一様と付き合っているのよ。おかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしい……よし殺そう」
うん、怖いよ佐々木さん。
そしてノートに何か書いてるけど怖いから見れないよ。
よし現実逃避だ。
例えば今、やっているオンラインゲームのステータスでも考えよう。
確かあとちょっとで薬品生産がカンストに
ポロン
そんな音が聞こえ、目の前に変な画面が浮かび上がった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ステータス
氏名 佐藤誠
年齢 17歳
職業 学生
HP 100
MP 100
スキル 日本語 B
数学 D
体術 D
剣術 D
歌 D
英語 E
道具製作 A
木製建築 A
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
なんだこれ?
その時、校庭から叫び声が聞こえクラス中の生徒が窓から校庭を見た。
するとそこには緑色で子供位の大きさ、そしてその手には木で出来た棍棒を持った醜悪な顔の生き物がいた。
「ゴブリン!?なんでゲームのモンスターがいるんだよ!?」
クラスの誰かが言ったのだろうか?
そう、ゴブリンだ。
俺がそう認識した時、ゴブリンはその手に持った棍棒で逃げ回っていた男子生徒を殴った。
すると生々しい音が聞こえ、男子生徒は殴られた頭から血が飛び散り倒れた。
その瞬間、
「キャー!?」
「おい、急いで逃げるぞ!?」
「誰か助けてー!?」
クラスのみんなは慌てふためき、我先にと廊下に走った。だが不思議と俺は慌てなかった。なぜならさっき浮かび上がった変な画面がまだあったからだ。ふとステータスを消えるように考えると画面が消えた。そして改めてステータスを現れるようにと考えるとまた画面が現れた。
これらを踏まえて考えて見て、こう思った。
「現実がゲームになった?」
そして俺はこの日から、自分が生き延びるために必死になった。
そして5年後、俺はある山の中で生産屋として生活していた。