第9話「買い出し……?」
「晴人、今週の買い出し、お前が行ってきてくれ。ドランの調査が忙しくてな。」
「わかりました。」
「俺のジュース買ってきて。あとみかんの果肉入ってるゼリー。」
「あいわかった。」
ガチャッ
「行ってきまーす」
「よし、降りるか……あ⁉」
なんと、アパートの下の道を見たら、そこには昨日戦った猫と白髪の女が仲良さそうに話しながら歩いていた。
(おいおい、なんであいつらがここにいるんだ⁉もしかして住所がばれたか⁉いや、このアパートに向かってくる気配は一切ない。ドランへの手掛かりになるかもしれない。尾行するか。)
ダダダダダダダダ
気風が急いでアパートの階段を駆け下りる。
「血乃~今日も猫缶買ってにゃ。ツナの奴にゃよ。」
「わかってるっすよ猫ちゃん。毎週買わされるからさすがに覚えたっすよ。」
(あの白髪、『血乃』っていうのか。)
「ん?」
猫が振り返る
「どうしたっすか?猫ちゃん。」
「いや、後ろににゃんかいた気がしたんにゃが、気のせいだったかにゃ。」
気風が曲がり角の壁に体を隠している。
(危ねえぇぇ。あの猫、野生の勘ってやつか?いや、あいつは飼い猫か。とにかく、もっと注意して尾行しなくちゃな。)
数分後
「猫ちゃん、スーパー着いたっすよ。」
(おいおい、俺の本当の目的地じゃねえか。こいつらも買い物に?いや、悪の組織が買い物とか、きっとここに闇市とか銃の密売所とかがあるに違いない。ばれないように買い物をしつつ、尾行を続けよう。)
「猫ちゃん、運ぶの手伝ってっす。最近新人2人増えたっすから。」
「はいにゃ。」
(新人が二人⁉さらに戦力が増したのか。これは後で回印さんに報告しなきゃな。あ、ジュースあった。)
(えーっと、これと、あとこれもか。って、尾行忘れてる‼あいつら今何して……何だと⁉)
血乃からエモリプシアが出ていた。
(こんな所で隣人を出して一体何を、まさか、人殺しか⁉まずい……)
「エモリプシアっ、それは血じゃなくて、ワインっす‼あ、待つっす‼後で飲ませてあげるから‼待つっす‼」
気風が呆れた顔をする。
(何してんだ、まあ人殺しじゃなくて良かったけど。あ、ゼリーあった。)
(あいつら、本当に悪の組織の敵なんだろうか。ここだけ見たら、ただの一般人にしか……って、あれ⁉取り忘れてる‼あっぶねえぇ。)
「はい、お会計6530円です」
「カードで。」
ピッ
「猫ちゃん、これ持つっす。」
「わかったにゃ」
(会計まで何もしなかった。なんでだ⁉あいつら巨大な凶悪ドラゴンがボスの超悪組織の部下じゃないのか⁉なんであんな一般人みたいにただ買い物楽しんで帰ろうと…)
「お会計7660円です」
「あ、現金で。」
(帰り道も尾行してるが、何も起きないぞ。って、アパートにもう戻ってきちまった。急いで荷物だけおいて尾行を続けるか。)
ダダダダダダ
気風が急いでアパートの階段を駆け上がる。
ガチャッ
「ただいま。ちょっと急いでるから荷物だけ玄関置いとくね‼」
バン‼
ドアが閉じる
(見つけた。まだ帰ってなかったな。このままあいつらの拠点を見つけてやる。)
血乃と猫がごく普通の一軒家に入っていく。
(あそこがあいつらの拠点……って近すぎだろ‼徒歩3分だったぞ⁉)
(これも回印さんに報告だな。十分すぎるくらい情報が集まったぞ。)
ガチャッ
一軒家のドアが開く。知らない女子高生二人が出てきた。
(誰だ、あの2人、もしかして、例の新人か?)
「ん?」
「あ」
(やばい、今、目が合った‼絶対ばれた‼逃げろ‼)
「ストラトス・サイクロン‼」
気風が走り、走るときの後ろからの風を強化して、とても速いスピードでアパートへ戻っていく。
「ねえ柚、今の人、なんだと思う?」
「さあ?不審者かな?結可愛いからストーカーついたかもね」
「まじか。」
ガチャッ
「ただいま。」
「晴人、さっき急いでるって何のことだったんだ?」
「ああ、回印さん、実は……」
今日集めた情報をすべて回印に話した。
「なるほど、情報助かる。これで捜査がもっと楽になる。」
「ゼリー美味い。」




