16 引き当てた希望、緑血族の覚醒者
「まだだ……俺はまだ終わっちゃいない!」
勇希はデッキを見つめ追い、手札に残されたカードを確認する。 窮地に陥っている状況だが、ここで引き込むべきカードは決まっている。
「俺は魔法カード『金満で謙虚な壺』を発動!」
フィールドにカードが輝きながらセットされる。その瞬間、雫先輩の目にほんの少し鋭くなった。
「デッキのカードをめくって選ぶタイプのドロー魔法ね。でも、ターン終了時まで相手にダメージが半分になる……勝負を急ぐつもりか?」
「いや……これは確実に逆転するための布石だ!」
金満で謙虚な壺の効果発動
「効果発動!俺はEXデッキのカード6枚を除外、デッキの上から6枚をめくる!」
勇希はデッキの上から6枚をめくり、フィールドに並べる。
「……来た!」
それで目が光る。その扱いにくく、選ばれた1枚のカードを掴んだ。
「俺が手札に続くのは―― 『緑血族の覚醒者』!」
勇希の力が強いが部室に響き渡る。そのカードに描かれた戦士の姿が、まるで彼の決意を宣言しているかのようだった。
「ついに……!」
天保も腕を組みながら「おいおい、これは熱い展開になってきたな……」とニヤリと笑う。
緑血族の覚醒者、降臨!
「行くぞ! 私は『緑血族の覚醒者』を特殊召喚!」
勇希は手札からカードをフィールドに出し、デッキの一部を墓地へ送ります。
「緑血族の覚醒者の特殊召喚条件――デッキから緑血族カード3枚を賞し、さらにEXデッキから融合、シンクロ、エクシーズ、リンクモンスターを1枚ずつ除外することで、このモンスターをフィールドに召喚する」
デッキとEXデッキからカードが除外され、フィールドには紅き光が渦巻く。その光の中から、巨大な戦士の影が姿を現す。
「出でよ! 緑血族の頂点に立つ者―― 『緑血族の覚醒者』!!」
フィールドに現れるのは、緑色のオーラを纏い、巨大な刃を構えた子供。その圧倒的な威圧感と攻撃力3600という数値が、勇希の切り札としての貫禄を示していた。
「攻撃力3600……なかなかの強さね。でも、問題はここからどう動くかよ。」
雫先輩は冷静に言葉を紡ぐ。 しかし、その論点の奥には確かな指摘が滲んでいた。
緑血族の覚醒者の効果は
「まずは『緑血族の覚醒者』の効果! このモンスターは1ターンに1度、モンスター効果・魔法・罠の効果を有効にすることができる!」
「……!」
「さあ、次のターン先輩ですが『レッドアイズ・ブラックフルメタルドラゴン』の無効効果を発動しようとしても、俺が逆に無効にできるんだ!」
「ふふ……なるほどね。」
雫は先輩微かに笑った。 でも、彼女の目は油断してない。
部室の空気が再び張り詰めた。
勇希はフィールドのカードを見つめながら、静かに宣言した。
「俺はカードを1枚伏せて、ターンエンド。」
伏せられたカードが、戦局を変える一手となるのか。 それを見れるように、雫先輩がゆっくりとデッキに手をかけた。
「私のターン、ドロー。」
冷静な瞳で手札を確認した雫先輩は、すぐにカードフィールドを続けた。
「私は装備魔法『デーモンの斧』を発動! このカードを『レッドアイズ・ブラックフルメタルドラゴン』に装備する!」
部室に緊張が走る。
「『デーモンの斧』の効果により、装備モンスターの攻撃力は1000ポイントアップ!」
レッドアイズ・ブラックフルメタルドラゴン(攻撃力3800→4800)
「攻撃力4800……!?」
勇希は歯を食いしばる。部員たちもざわめき始めた。
「ヤバいぞこれ!勇希の『緑血族の覚醒者』は攻撃力3600だから……このままだと戦闘破壊される!」
「このままじゃ負けるぞ……!」
しかし、その時――。
「そんな簡単にはやらせませんよ!」
勇希が強いと言い、伏せていたカードに指をかけた。
「チェーン発動!『緑血族の覚醒者』の②の効果!」
緑血族の覚醒者の効果発動!
「『緑血族の覚醒者』の②の効果! 相手の効果が発動したとき、デッキまたは墓地から通常召喚可能な緑血族モンスター1体を特殊召喚できる!」
勇希のフィールドが緑のオーラに包まれる。その中から現れるのは――
「俺が特殊召喚する緑のは、デッキの『緑血族・マジシャン』!」
再びフィールドに降り立つ漆黒のローブの魔術師。
「チェーン発動!」
雫先輩がすかまま宣言する。
「『レッドアイズ・ブラックフルメタルドラゴン』の効果!『緑血族の覚醒者』の効果を無効にする!」
レッドアイの瞳が紅く輝き、その光が勇希のフィールドへと飛んでいく。
「くっ……!」
「これであなたの効果は無効、追加のモンスター展開はできない。」
「いや、まだだ!」
勇希の声が再び響く。
「チェーン発動!『緑血族の覚醒者』の①の効果!」
「なに……?」
部員たちの緊張が一気に高まりました。
「『緑血族の覚醒者』の①の効果は、1ターンに1度だけ、モンスター効果・魔法・トラップを有効にできる!なんと、先輩の『レッドアイズ・ブラックフルメタルドラゴン』の効果を無効にする!」
チェーン4発生!
「な、なんだこのチェーンの応答は!?」
「めちゃくちゃ高度な駆け引きじゃねえか……!」
「これ、プロの試合でもなかなか見れないぞ……!」
部員全員が開き、デュエルの展開に釘付けされていた。
緑血族の覚醒者 vs レッドアイズ・ブラックフルメタルドラゴン
勇希の「緑血族の覚醒者」が力強く両手を広げて、緑色の紋章がフィールド全体に必ず上がる。その光が、赤い目の赤い光をかき消しました。
「これで先輩の『レッドアイズ・ブラックフルメタルドラゴン』の効果は無効です!」
「……やるじゃない。」
雫先輩は小さく笑いながら、勇希を見つめた。
「この一瞬で、ここまでの応対ができるようになるなんてね。」
勇希のデュエルセンスに心しつつも、彼女の表情にはまだ余裕があった。
「でも、これで私が負けるとは思わないことね。」




