表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
運命は決まっている?  作者: 森好子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
3/3

第3話 三十年後

最終話です。何が正解か、本当にわからない。「よくあたる占い」もそのメカニズムが謎に包まれています。

それから30年。

私は某ショッピングサイトの占いコーナーを担当するようになっていた。


あの頃のように、対面での占いをすることは無くなったが、

時折、サイトの管理会社宛てに、メールをもらうことがある。

直接、相手の反応を見ることができないので、気楽な部分もあるが、

占いの結果を曲解して悩む人も一定数いることも承知している。


メールは感謝を伝えるものより、圧倒的に結果に対する不安からくる疑問が多い。

そのひとつひとつに返答をすることはしないが、放置できないものはエッセイ欄を使って

回答することもある。


ある日、届いたメールの中によしこの名前をみつけた。

もちろん、30年の間、私は数多くの人の運命を見て、伝えてきた。

その誰もの名前と内容を覚えているわけではない。

でも、よしこたちのことはとてもよく覚えていた。

それだけ、印象的だったのだ。


メールには、あの日の占いがすべて当たったと書かれていた。


よしこは、27歳で長くつきあっていた恋人にプロポーズされたが、

占いの通りになるのが嫌で断ったこと。

結局31歳で結婚したが、3年で離婚し

子供はやはりいないこと。

「困ったら誰かが助けてくれる」

「お金には一生困らない」から、きっとお金持ちになると期待したが

どうやら、食べるに困らないだけのお金がある、という結果だったと理解したこと。

また「かなりの晩婚」は、今のところ実現しそうにないこと。


そこまで読んで、ふと私は顔をあげた


あの日、

私は彼女の未来を見たのではない。

未来を変えてしまったのかもしれない。


あとの2人はどうなのだろう。

私は、メールの続きを読む。


あやこは親のすすめどおり薬剤師になり、大学病院の薬剤科に勤めた。

イケメンの薬剤部長に気に入られ、でき婚で結婚。

今は2人の男の子の母として専業主婦をしているという。

先日、下の子が巣立ったとのことで、そろそろ薬剤師として復職しようかと

悩み中とのことだ。なにせブランクが20年ある。

よしこからすると贅沢な悩みだということだった。


みどりは、私の助言に従わず、20代の頃は不倫を繰り返した上、自殺未遂まで起こした。

「パメラさんに、先にすすんだらあかん、ていわれたやん」

とよしこがとがめると

「占いどおりの運命やねんから、逆らうわけにはいかんやん」

と返されたという。

その後みどりは31歳で見合い結婚し、一女をもうけたが、2年で離婚。

39歳で再婚しさらに一男をもうけたが、自身の浮気がばれて4年で離婚。

今45歳だが恋人がいて、もしかしてもうひとり女の子が?ということも書いてあった。

ただ、11歳になった長女がアイドルになる気配は今のところないらしい。


手紙を読み終えたとき、私は静かに息をついた。


運命は、生まれたときに決まっている。

でも、人はその運命にあらがい、未来を変えることもできるのだ。


・占いどおりの運命は嫌、とあえて恋人のプロポーズを断ったというよしこ。

・占いの結果を意識していたのか、親の希望どおりに薬剤師になったあやこ。

・占いの結果を運命と受け入れ、抗うことをしなかったみどり。


何が正解なのかは、誰にもわからない。

水晶の前で、私はそっと目を閉じた。


私が見た運命を伝えることで、可能な限り、それぞれの

「幸せ」への選択をしてほしいと切に願いながら。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ