予知夢
国が統括する秘密研究所「夢追研究所」
そこでアルバイト募集があったので被検体として受けた海夢だったが所長から言われた検査結果はまさかの「予知夢」の能力もあるとのこと。さらにある計画について知らされ‥‥
「予知夢??」
「はい、夢の中で未来の現実に起こることを予測することです」
「それで?」
「実はこの研究をしていて予知夢持ちなのは萩野さん、あなたが初めてです。もう少し詳しく研究したいのでご協力いただけませんか?バイト代も今の倍出します」
頭の整理がついてないまま、わかりましたと2つ返事で承諾すると続けてこう言った。
「ありがとうございます、話が早くて助かります。実は長年予知夢持ちの方を探していました。」
「それまたなぜですか?」
「実は‥‥」と続け話そうとしたが後ろの扉からノックする音が聞こえた。
「失礼します、所長そろそろアルバイトが時間なので上がらせてくださいね」
「ええ、わかったわ。少し話してからあげるわね」
そういうと話をまた始めた
「続きはまた今度にするわ。来週でいいかしら?」
「ええ、大丈夫ですよ」
そう言って席を立つと彼女は慌てて茶封筒を渡してきた
「あとこれ、今日のバイト代ね。お疲れ様でした」
ありがとうございますと一言言うとそのまま研究所を後にした。
にしても今日は驚きの連続だった。夢戻の話だけでも驚きだったのに予知夢持ちなのもさらにびっくりした。でも言われてみれば昔変な夢を見た記憶がある。
1つは物心つかないまだ小さい頃に家族と出掛けている最中、車に轢かれる夢を見たこと。その時はまだ春の寒い時だと言うのに布団が汗でぐっしょりしていた。おまけに睡眠不足で二度寝してしまい起きたのは出かける直前。慌てて家を出たのは覚えている。その際横断歩道を渡っているときに左から赤信号を無視して猛スピードで突っ込んでくる軽自動車に轢かれかけた。不幸中の幸いまだ雪が残っていて30メートル手前でスリップしてしまいギリギリのところで回避したのだ。母親はケガしてないかい大丈夫かい?と大袈裟に確認したのち運転手に一言激怒をしてその場を後にした。結局、乗る電車にも間に合わず予定もパーになった。母親は必死にごめんねと謝っていたが、当時はそれよりも直前に見ていた夢のことで頭がいっぱいだった。
2つ目は「PLOMA」という超人気お笑い芸人だ。あるお笑い番組で優勝しそこから40年以上に渡りラジオ、テレビ、ネット番組などで引っ張りだこの2人組。その際に自身が持っているラジオ番組で小田康生が
「おれ、昔からめっちゃ嫌いなスポーツ選手いるんすよね」を皮切りに5人のスポーツ選手の名を挙げた。その話の最後に
「会ったら絶対顔がわからなくなるくらいぶん殴る」といい相方の佐藤剛が止めてこの場はことなきを得た。
「妙にリアルな夢だな」
その日の夜、彼らのラジオ番組の放送の日でリアルタイムで聞いていたが夢とおんなじことを一語一句言っていた。
「前にも似たようなことがあったけど今回ばかりはないだろ」と思っていた矢先
この数ヶ月後ある事件がニュースで報道される。
「速報です。プロ野球選手の京谷宏さんが試合後帰宅途中何者かに襲われる事件が発生しました。」
「顔が原型を留めなくなるほど殴られており彼の財布の身分証から球団とご家族に確認の上判明しております。意識はあるものの医師からは全治不明と診断されております。警察は現場の状況から金品等は盗まれていないことから傷害事件として捜査を進めております」
「嘘だろ‥‥偶然だって」
それから2週間おきに同じような事件が起き、しかも被害者は全てスポーツ選手。その後警察の捜査でラジオでの発言の件があり捜査線上にPLOMAの小田康生が浮上。任意聴取を行い事件に関与していたとしてその場で緊急逮捕。計5件の事件にも関与していたとして再逮捕。そのまま実刑になっていたが、傷害事件としては10年前の刑法改正後初となる無期懲役。
「自分が20歳を迎えた頃に世界的にとんでもないことが起こる」あと一つあったけどここまでしか思い出せない
「まぁ、大したことないだろう」
そう考えながら母さんから言われた物を途中のスーパーに寄って帰宅した。
翌週、バイトに顔を出すと早速所長に呼ばれた
「おはようございます、萩野さん。では早速ではありますが先週のお話の続きでもしましょうか」
「はい、そういえば前回僕が予知夢を持っているとの話でしたね?」
「ええ、そうね。それで私が予知夢持ちの方を探している理由は実は昔夢戻で自殺者を減らしている最中、こんな話を聞いてしまったの。」
それは当時最も自殺者が多いとされていた国家防衛隊に潜入していた時の話だ。
「ある国がそう遠くない未来に戦争をはじめる」
最初は部屋の隙間からたまたま聞こえてきたので気のせいかと思ったがよくよく聞くと事細かく話が進んでおり気づいたら手元の録音機で録音していた。
この話の裏を取るため国に持ち帰り内部で長い歳月をかけ調べていたが、トップ交代とともにその話は白紙になったそう。当時のトップに確認したところ噂は本当だった。
「そして今現在行われている選挙戦に立候補している中にまたしも戦争を起こそうとしている輩がいる。しかも世界戦争だ」
まるで現実味のない話だがいたって所長の顔は真剣だ。
「まさかですけど、その戦争を止めようと?」
「察しがいいわね。その通りよ」
「でも、どうやって?」
「実はその人の子孫はこの国の生まれなの」




