萩野海夢
21XX年、21世紀から続く日本の少子高齢化が大きく進み現在全盛期の半分、6000万人にまで減少している。
国は、様々な少子化対策をおこなってきたが、一向に出生率が上がらず、ついに1,0をきった。
国会議員は相変わらず平均65歳以上のご高齢の方ばかり。ただ、変わったことがある。
若い国会議員が増えたこと。以前までは、政治に興味ない若者が多くどんなに若くても30代後半が1番の年少だった。
しかし、近年ある学生団体が政治に対する興味を持たせようとSNS上で活動していたことをきっかけに、国のために動こうと国会議員や官僚を目指す若者が増えているという。一部、学生団体の中から国会議員に実際なったものもいるとの噂もある。
僕は、その団体に所属している萩野海夢だ。両親は、「萩のグループ」という、旅館、ホテル、焼肉、キャバクラ、居酒屋などなど多くの業界で成功しており、世間では知らない人がいないほど超有名どころだ。
そんな家に生まれた僕は、自然と一家の後継息子になるわけだが、ある日親父は僕にこんなことを言った。
それは高校2年の夏。偏差値70越えの県内で有名な男女共学の両角学園に通っていたわけだが、正直夢なんてなかった。
格段、これといって才能があるわけではないし何においても平均的にできる凡人。そんな自分がつまらなかった。いつものように家に帰ると珍しく普段は家にいない親父がいた。
「ただいま」
「おう、海夢おかえり。お前進路はどーすんだ」
「そんなのあったね、何にも考えてないや。親父の会社引き継ぐために経営学でも学ぼうかなと思ってる。」
そういうと、親父は頷きこう言った。
「本当にそれでいいのか?後継なんて考えなくていいんだぞ。それにお前はまだ若いんだしいろんなことやってみれば?ほら、かわいい子には旅をさせろとか言うじゃねーか。」
「誰がかわいい子じゃ」と、冗談混じりに怒りながら自分の部屋に入った。
「若いうちに色々経験か」
学校のルールでは、バイトは禁止されていないが格段お金には困っておらず、むしろお小遣いは一般的な家庭より貰っているといえる自信がある。
「土日だけでもいいから、うちのグループ以外でどこか社会経験として働いてみようかな」
そう考えながら眠りについた。
翌日、アルバイト求人のアプリでバイトを探してみた。そんなにがっつり働きたいわけでもなく、とりあえず週3日ほどで一度もアルバイトしたことない自分でもできる楽な仕事がないかなーと思いながら見ているとこんな求人が見つかった。
「週2日、日給2万円、寝ているだけでOK!
お話だけでも大丈夫です!詳しくはこちらまでご連絡ください!担当 花垣 080-XXXX-YYYY」
コンビニやファーストフードなどいろんな求人があったなかでこれだけ唯一異彩を放っていた。
「なにこれ、寝ているだけでいいの?そんなふざけた募集ある?まあ、でも寝てるだけでお金もらえるなら話だけでも聞いてみるか」
そうして、俺は求人の連絡先に電話して翌週の土曜日にお話を駅の近くのカフェで聞くことになった
「はじめまして、花垣と申します。先週、お電話いただいた萩野さんですか?」
男は30代くらいのすらっとしたいかにもイケてるサラリーマンって感じの人。
「はいそうです」と答えると先に入っていたカフェの席に通してくれた。
「こちらにおかけください」というと、さっそく本題に入った。
「改めまして、夢追研究所採用担当の花垣と申します。アルバイトは初めてですか?」
「はい、そうです。家は特にお金は困っているわけではないので、親父に言われてとりあえず週2日からでも始めてみようかなと思い応募しました」
「あ、そうなんですね。正直に応募理由聞けて嬉しいです。もしよろしければ、うちで働きませんか?」男はそういうと一枚の紙を出してきた。
「ちょっと待ってください、まず御社の仕事内容お聞きしてもよろしいですか?」
「あ、そうでした、僕としたことが。はやとちりでした。申し訳ございません。それでは、我が社の仕事内容をお話しします。」
そういうと、仕事の内容を説明してくれた。
要約すると、週2日、日給2万円、1日6時間昼間の指定された時間に寝ているだけでOK。
ここまでは求人にあった話通りだ。
その後、男はこんな話をした。
「先ほども申した通り、私、夢追研究所のもので名前のとおり夢についての研究をしています。
老若男女昼夜問わず、いろいろな人に寝てもらいデータを取ってるんです。こちらについてはご理解いただけますか?」
「ちなみに、具体的にどのような研究をしているんですか?」
「そうですね、夢と言ってもレム睡眠やノンレム睡眠の研究を私たちはしているのではなく、人間の中にある予知夢と夢で過去に戻る研究をしています」
「萩野さんはこの事件を知っていますか?」
そういうと、タブレットを取り出し、ある奇妙な事件の記事を見せてきた。




