酷く崩れた未完品
マカロフさんの事は今の所どうにもならないよねって話に落ち着いて、ギレーアと一緒に港町をふらふら歩いてる。そういえば、この町に名前ってあるのかな? 全然そういう話を聞いてなかったんだよね。パンフレットに乗ってるくらいだから、名前くらいあるんじゃないかなー
「ねー、ギレーア。そういえば、この町の名前って何だっけ?」
「おい!? お前! 曲がりなりにもこの町の勇者って事になってるんだろ!? この町の名前は〈ウルテア〉だ!」
そういうのって、町の門番とか入り口付近に居る人の役割かなーって事じゃだめかな? まぁ、私が何をしてるのかって言うと、何をしてるんだろうね? とりあえずは売り上げに貢献してると思う。
そういえば、給料は貰ってるけど使う所無いんだよね。だって、私何も食べれないし、特に必要な物も無いんだよ。鎧を買おうと思ったらギレーアに、お前の身体そのものが天然の鎧なのに、動きを阻害する必要があるのかって言われたんだよ。それは、そう、機械だからね。
「確かに、うん。私勇者だったよね」
「今の所あの町長に良いように使われてるだけだけどな。お前が良い感じに食らいついたせいで」
私は勇者よりも、魚だったのかもしれない。いや、違うよ機械だよ。あ、誰かがこっちに走ってきてる。金髪の女の子かな、私も有名人になって来たみたいだねー。殆ど紙上の折手が発行してる新聞のおかげらしいけど。
「あー、マカロフに先越されちゃったー。私はトカレフって言うの、何か吹き込まれてたりしない?」
トカレフちゃん? そういえば、マカロフさんが気を付けろって言ってたね。だけど、そんな必要があるような気もしないんだよね。もしかして、私余計な事に巻き込まれそうになってるだけだったりしない?
「ええっと、君がマカロフさんの言ってた人かな?」
「多分そうだよ? マカロフが何言ってたのか知らないけど、信用しちゃダメだよ。あいつ複数混じってるから、気が触れておかしくなってるのよ」
これはもしかして、トカレフちゃんはマカロフさんの事を気を付けろってパターンかな? いわゆるルート分岐って感じになるのかな? 場合によってはバッドエンド直行とかあるんだけど、そんな事無いよね?
「トカレフちゃんはマカロフさんの事、危ないって思ってるの?」
「ナガンもそうだけど、複数混じってる人はおかしくなりやすいのよ。その点、トカレフは混じり物じゃないから安心できるわ」
トカレフちゃんは色んな人が混じってる訳じゃないんだね。それにしても、混ざっちゃうとやっぱり混乱するのかな? 私は経験無いからよく解らないけど、大変なんだね。
「おい、お前は混じり物じゃないって言ったな? それならレアルに何をされたんだ。何もされてないなんて事はないだろ」
「トカレフの願いは色んな事をやってみたいだったわ。だからね、レアルがもっとも思い付くであろう方法で私はここに居るのよ」
「……だとしたら、どちらにしろ最悪だ」
ギレーアは相変わらずなんか難しい事を考えてるみたい。まぁ、会話の内容はちんぷんかんぷんで何にもわからないんだけどね。もういつもの事だけど、私を置いていくのやめてくれないかな?
「えーと、トカレフちゃんは私の味方って事で良いのかな?」
「少なくとも私は、邪魔をしようとか、そう言う事は考えてないわ。少なくとも私はね?」
うーん、なんかよく解らないけど、トカレフちゃんが楽しそう。それにしてもどういう事なんだろう、他に仲間とか居て、そっちの方は知らないよ見たいな感じなのかな? ギレーアの様子を見るとそんなに単純な事でも無さそう、流石の私も解るようになってきたよ。
「誰か邪魔しようとしてる人居るの?」
「居るわよ? 理由なんてなんでもいいの、面白そうとか、気に入らないとか、何かをする理由なんて結局そんなものだわ」
私の邪魔って言ってもなー、別に私何かしてる訳じゃないし、邪魔されて困る事というか、邪魔されるようなことをしてないような気がする。だって、勇者やってるのも私が好きでやってる訳じゃないんだよ? 困る事は無いんだよね
「誰が邪魔しようとしてるの?」
「それは秘密。でも、ちゃんとトカレフにも気を付けるのよ?」
「えっ? それはどういう」
「ねぇ、向こうの人って知り合いかしら?」
トカレフちゃんの指さす方には、最近全然会って無かった幾岐さんが手を振りながらこっちに向かって来てるところだった。何かあったのかな?
「久しぶりですね、勇者さん。お元気そうで何よりですよ」
「幾岐さんは、いつも通りな感じですね。何かあったんですか?」
「ふふっ、用事が無くともお話くらい良いでしょう? と言いたい所ですが、実際に用事はあるんですよねぇ」
そう言ってトカレフちゃんの方見てる。これはあれかな? 部外者に聞かれたくない系の事かな? それなら多分厄介な事なんだろうね。ギレーアのストレスが加速しそう
「私が今邪魔になってるみたいね。大丈夫よ、邪魔なんてしたりしないわ。また会いましょうね」
トカレフちゃんは素直に退散するみたい。結局だれが私の邪魔しようとしてるのか聞きそびれちゃったけど、なるようにしかならないんだから別にいっか。
「ふふっ、察しが良いみたいですね。あまり広める事でもありませんし、とりあえずはそこのカフェにでも行って話をしましょう?」




