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#21

 インターホンを押し、人が出てくるのを土井は待った。

 

「はーい」


 インターホンを鳴らして直ぐ、部屋の中から声が聞こえてきた。

 ドアが開き、土井はお返しのお菓子を持ちながら、ドアを開けた人物の顔を見る。

 その瞬間、土井は自分の目を疑った。


「え?」


「あ……」


 部屋から出てきたのは、先ほどまでゲームセンターで一緒にゲームをしていた恭子だったった。

 土井は思わず表の表札を確認した。

 表札には神木と書かれており、100%ここが恭子の家だと証明していた。

 

「なんでお前が……」


「あんたこそなんで私の家に?」


「いや、隣が俺の家だから」


「そうなの?」


「あぁ……あ、これお袋から引っ越しの挨拶のお返し」


「え? マジで? そんなの気にしなくていいのに……ありがとう」


「あぁ……お前……もしかして一人暮らしなのか?」


 玄関に置いてあった靴の数を見て、土井は恭子にそう尋ねる。


「ん……まぁね……」


「こんなファミリー向けのマンションに一人かよ……もしかしてお前って金持ち?」


「……まぁ……そんなところよ……」


 恭子はそう言いながら、なんだか悲しげな表情を浮かべていた。

 そんな彼女を見た瞬間、土井は聞いてはいけない事を聞いてしまったと思った。


「あぁ、まぁ……俺の用事はこれで終わりだ。じゃあ俺は家に帰るわ」


「あ! ちょっと待って」


「ん?」





「はーい、恭子ちゃんご飯もっと食べる?」


「ありがとうございますぅ~お母様ぁ~」


「なんでこうなったんだ……」


 恭子は現在、土井の家で晩御飯を食べていた。

 なんでこんな事になってしまったかというと、恭子の部屋のガスの開通が間に合わず、風呂に入れないと言っていた恭子に自宅の風呂を貸すというところから始まった。

 恭子を家に連れてくると、土井の母親は息子が可愛い女の子を連れてきたと大喜びし、そのまま晩御飯も一緒に食べる流れになってしまった。


「はぁ……」


「何よ、ため息なんて吐いて」


「別に……」


 なんでこんな事になってしまったのかと土井はため息を吐く。

 出来るだけ会いたくないと思っていたのに、まさかとなりの部屋に引っ越してきた住人だったなんてと、土井は何度も思った。


「ごちそうさん」


「あら、早いわね」


「まぁ、なんかね……」


 土井はそう言うと、食器を片付けて自分の部屋に戻ろうとする。


「あら、戻るの?」


「あぁ、じゃあ風呂空いたら教え」


「あんた、恭子ちゃんのお風呂は覗いちゃだめよ?」


「え? マジ?」


「覗くか!!」


 土井はそう言うと、自分の部屋に戻って行った。

 

「はぁ……」


 土井は自室に戻り、ため息を吐きながらテレビの電源をつけ、ゲームの電源を入れる。

 気分転換にゲームでもと思い、土井は最近発売された格闘ゲームをやり始めた。


「うっ! この!! クソッ! はぁ……なんか調子悪いなぁ……」


 オンライン対戦で12敗もしたのは久しぶりだった。

 自分でもわかるほど、今日の土井は調子が悪かった。

 その理由は明白だった。

 恭子の存在がどうしても頭を離れないからだ。


「はぁ……同じ顔ってだけなのに……」


 土井はそうつぶやきながら、その場に寝っ転がった。

 

「うわ、12敗とか……アンタよっわ……」


「うぉっ! な、何勝手に入ってきてるんだよ!!」


 土井が寝っ転がった瞬間、土井は部屋のドアの前に恭子が居ることに気が付いた。


「良いじゃん、それよりこのゲームってこの前発売されたばっかりの奴でしょ?」


「そうだけど……」


「よし! 対戦しましょう!」


「お前風呂入りに来ただけじゃねーのかよ……」


「まぁまぁ、私はこのソフト予約してなかったから買えなくてさぁ~、コントローラーある?」


「お前……もう帰れよ……」


「別にいいでしょ、どうせ部屋となりだし」


「まぁ、そうだけど……」


 土井はまたしても恭子の押しに負けてしまい、土井はため息を吐きながら恭子に付き合う事にした。

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