おっさん、異世界に転生す
「あー、またBanされたよ。何回Banしても意味ないのにな」
俺は有名なゲームにて、MODを使用して遊んでいた。そしてつい先程またBanされた。しかしこんなことは日常茶飯事であり、直ぐにアンチを創り自身のアカウントを復旧させた。その間30分、慣れた手つきである。
「何かもうこのゲームも飽きてきたな...無限クレジット、飛行、攻撃力MAX、HP無限、無限収納、ワープ...他に何か出来ることあるか?...いや、ないな」
今挙げたMODは一部であり、他のplayerをMODでBanしたこともある。先にいうが私情でのBanは絶対にしないからな。Banしたのも過去に一度だけだ。
「他のゲームを探すか」
俺はPCのソフトを閉じ、Crickerでゲームを探す。Crickerとはゲームをインストールできるサイトだ。
Crickerで良さそうなゲームを探していると、一際俺の目に目立つものが見つかった。中々に良ゲーな予感。
ゲームの名前は『Em3cVrr5dfhl!』と、全く意味が分からないが画像からオープンワールドの異世界ゲーだということが見てとれる。
早速インストールしてゲームを立ち上げる。すると、こういったゲームの最初は外見設定や名前からはいるのだが、このゲームでは最初にリアルの特技を聞かれた。
「特技ねぇ...ガキ大将の声真似が出来るとかか?」
ボケた解答をしたが応えてツッコミをいれてくれる人がこの部屋には居なかったので虚しくなっただけだった。
静かに俺は【MOD制作】と打ち直してOKを押す。
しかしそこで画面は途切れてしまい、勝手にゲームがアンインストールされた。
「...なんだこのクソゲー」
俺はそう呟かずにはいられなかった。
「あほらし、寝よ」
まずタイトルからして怪しかったゲームに期待を込めた自分がアホだったな、と布団に潜り込んだ瞬間に地震が起きた。最初は小さかったから無視を決め込んでいたが、時間が経つにつれてどんどんと地震の揺れは大きくなっていったので何事かと布団から這い出る。
「何だこの地震!?やばいって、やばいって!」
うろうろとする俺に死期が近づいて来たのか幻聴が聴こえ始めた。それが日本語ではない為に、何と行ってるのかもさっぱりだった。数分たち地震が止み、幻聴も聴こえなくなった。しかし最後の言葉は、全く言語が違うのにその意味が理解できた。
「『異世界へようこそ!』...?」
しかし身の回りに特に異常は起きてないので俺の生命エネルギーが地震を危険と感知して変な幻聴が聴こえたのだろうと考える。
けれど考えても幻聴なんて意味のわからないものと思い捨て、俺は寝ることにした。
◇
朝起きると赤ちゃんになっていた!とかの出来事は何もなく、普通の部屋だった。窓から見える景色もいつも通りの森だ。
「昨日のは結局なんだったんだろうか」
俺は冷蔵庫を開けて何か食べるものをと探すが、何もなかった。じゃあカップ麺を、とも思うもそれもそうか無かった。
「買いに行くか...朝から憂鬱だな、」
部屋からでて玄関に行く。家は二階建てだ。
靴を履きドアを開けると...そこには、そこかしこに木が生えていた。これには流石に驚きを隠せず立ち尽くす。
「何だこれ、気づいたらジャングルの中に放り込まれてるとかいう新手のドッキリか!?」
自分でいっててそんなドッキリは無いだろうとも思った。
そして森を見て俺は思った。
「とりあえず部屋にこもるか」
◇
部屋に戻るとパソコンに電気がついていた。パソコンの画面を見るとそこには『異世界へようこそ!』と打たれていた。背景は昨日アンインストールされた『Em3cVrr5dfhl!』のものだった。
「異世界へってバカらしい...けどなぁ、ドアの先が住宅街じゃなくて森になっていたし、ジャングルに放り込まれるドッキリよりかは現実味が...どっちも現実味ないな」
俺はマウスを操作して画面をスクロールする。するとそこには文が打たれてあった。
『異世界へようこそ!私の作ったゲームを散々荒らした君!今度は私の作った世界までも荒らすつもりかい!?まあこっちは現実だから滅多なことはできないと思うけど、程々にしてね!後私の創った世界は魔法があるから、楽しんでね!by女神』
「いや...意味わからん。いや分かるけども...頭が理解したくないって言ってる...女神って誰だよ、」
俺は今起きてるこの現状に頭を抱える。
「まあこの際、宛先人の女神は置いておくとしよう。んで、異世界で魔法があるってことはステータスもあるのか...?いやまさかな、そんな筈ないとは思うけど、一応...ステータス!」
俺は小説や異世界RPGでよくやっているお馴染みの自分のステータスを開示するあれをやってみた。すると俺の目の前に一枚の薄茶色な紙が現れた。
そこには...
▽
名前 ・・・
―スキル―
―ユニークスキル―
MOD制作
△
と書かれていた。
「異世界確定だな!はは!...どうやって生きろっていうんだよ、」
異世界だということが決まったことにより俺はハイテンションになった後、直ぐにローテンションになった。
いやさ...お腹すいたんだよ。
「というか、名前がない。俺にはちゃんと親につけてもらった名前がある筈なんだがな...これって俺の名前はギーク!とかいう風に言えばつけれるんかな?」
俺は自分の名前が名無しって新鮮な体験だなと感じながら自分の名前をいう。
「俺の名前は吉田 瞬だ!...変わったか?」
▽
名前 ギーク
△
確認すると俺の名前はギークになっていた。ギークは俺が他のゲームで長年愛用している名前である。
「はぁ!?おかしいだろ!取り消しで。取り消しでお願いします」
しかしいくら願ってもその願いは叶えてくれなかった。
「女神散れ!そして地面に埋まっとけ!...はぁ、次だ次。ユニークスキルは分かる。そのMOD制作ってなんなんだ?」
するとまた先程と同じような紙が出てきた。
▽
―MOD制作―
MODを創る事ができる
△
「なんで説明できる優しさはあるのに名前を改名させてくれる優しさは無いんだよ!しかもMODを創れるって意味わからねぇ!作るが創るに変わっただけじゃねえか!とりあえず女神散っとく?埋まっとく?」
怒りの矛先はやはり女神に向いていた。しかしでかい声を出しても腹が減るだけだと分かると俺は真剣に考え始める。
「スキルのMOD制作のやつ...創るだったよな...そしてここは異世界...MOD制作を使用する!」
俺はまたも大きな声で言う。しかし今度のそれはしっかりと意味のある事だった。
「よし!なんか目の前に文字打てるようになった!流石異世界だな!」
そう、スキルの行使である。異世界ならステータスと一緒で適当に言えば何とかなると思ったゆえの行動であった。叫ぶこと事態に今はなかったかもしれないが...
「ここにMODの元となるプログラムを打ち込めばいいってことか、朝飯前だな!まずこのゲームの名前を...ここ現実じゃん!無理だろ!」
ひとりでぼけても誰もツッコミが居ないためすごく虚しくなる。
「くそ、適当に名前は『Em3cVrr5dfhl』でいいだろ。とりあえず創るぞ!創るのは手から欲しい飯がでるMODだ!」
創り終わったのは1時間後だった。
◇
「よし、プログラムが完成した。最後に名前を決めてyesを押せばいいのか...名前は『食べ物製造機』で、yesっと」
俺がyesを押すとプログラムは俺の体の中に吸い込まれていった。
「これでもうできるのかな?」
俺は頭に食べたい食べ物を浮かべる。
あんパン食べたいあんパン食べたいあんパン食べたいあんパン食べたいあんパン食べたいあんパン食べたいあんパン食べたいあんパン食べたいあんパン食べたいあんパン食べたい
すると俺の手のひらにあんパンがポンっとでてきた。
「よっしゃ成功だ、これであんパンには困らねえ!...あんパンウマ!」
俺は腹が一杯になるまであんパンを出しては食べてを繰り返した。
あんパンを食べ終わった俺は今後について考えていた。
まあ俺の頭では今後の一つは既に決まっているのだが。それは、街探しである。ていうか人が恋しい!いつもは平気なのに!
「人里を探す為に必要なMODは...異世界だからな、1に戦う力。2に人里を探す為の足で...後他には衣食住を安定させるためのMODも必要だな。とりあえず思い付いたものから創ってくか!」
◇
あれから二日、俺は食事と言う食事にありつけないで森の中をさ迷っている。あんパン製造機もとい、『食べ物製造機』はどうしたかって?あれね、今は上書きされて『無料魔法』になってるよ。
結論から言うと俺自身にMODを導入できる数は一つまで。そして上書きは連続で出来なく、5日に一回変えれるようなるらしい。
『無料魔法』を創った後にそんなメッセージが出てきたから後の祭りだったね。俺は必死になって食料を探したさ。
変な果物食べて腹下して死にそうになったり、変なキノコ食べて頭痛やら吐き気やらにかかったり...全部『無料魔法』の回復魔法で治したけども、腹下したやつはまじでヤバかった。内蔵も一緒に出そうな勢いだったからな。
後分かったことは、導入したMODはステータスに表示されるらしい。今はこんな感じだ。
▽
名前 ギーク
―スキル―
混乱耐性
―ユニークスキル―
MOD制作
『無料魔法』(動)
『食べ物製造機』(静)
△
(動)が今作動しているMODで、(静)が作動はしてはないが導入はされてるMODだ。
そんでもって『無料魔法』とは、その名の通り無料で魔法が使えるMODだ。もっと単純に言うと魔力やらMPやらを必要とせずに魔法が使えるMODだ。ただの魔法が使えるMODじゃ、俺が異世界から来たと言う理由で魔力やMPを持ってない場合、魔法を使うことができないと考えたからだ。
おかげで食べ物には困っているが魔法は自由に使わせてもらっている。
「ぐあああぁああぁぁあ!!」
人の声!?嫌でも悲鳴のように唸ってたよな?とりあえず様子を見に行ってみよう。久しぶりに俺以外の人が見たいし!




