学生守護戦士はバイト中4
ヒフィゼギルド管理官長が
なんか落ち込んでる。
愛黎王女殿下は無事なのに、なんで?
「真姫奈!大丈夫か?」
ヒフィゼギルド管理官長が駆け寄ってきた。
ああ、こんなときでもかっこいいって思う。
ねぇ、他人のものなんだよ。
ハチミツまみれの面々がなんか固唾を飲んで見守ってる。
「大丈夫です。」
愛想笑いを浮かべて後ずさった。
今は近づきたくない。
近づいたら、愛黎王女が恋人なのか聞きそうになるもん。
辺りに緊張感が漂う。
「おーい、ガイウス!犯人どもを引き取りに来たぜ。」
ジエルキス主任警護官が部下の警護官たちを連れて来た。
カルト集団が潜んでた路地裏はハチミツまみれで、信者たちは残ったハチミツ弾を守護の女神トゥーセリア様に捧げている。
ちなみに親玉はしびれでハチミツ弾を捧げられずにうめいている。
「ランダーネフ花王国産ですね。」
嬉しそうに守護の女神トゥーセリア様は微笑んだ。
その数分後に証拠品として押収されてしまったみたいですが。
捧げてくれる気持ちが嬉しいのですと守護の女神トゥーセリア様が笑った。
私も女神様みたいに広い心でヒフィゼギルド管理官長と愛黎王女を見守れたらいいんですが。
でも、心がいたいんです。
「まあ、着替えようか?」
オプディアさんがいったのでみんなで移動した。
傭兵ギルドの更衣室から出てくるとヒフィゼギルド管理官長が腕組みして立っていた。
いつもの長衣でなく、私服の長衣らしい。
襟元が空いていていつもと感じが違う。
色っぽいって言うのかな?
「真姫奈、いったい、どうしたんだ。」
ヒフィゼギルド管理官長が言った。
「ええ?なんともありませんよ、ハチミツ弾くらい大丈夫です。」
私はさりげなく離れた。
今、近づいたら、悲しくなってしまう。
「オレはなんかお前に悪いことしたか?」
ヒフィゼギルド管理官長が悲しそうに言った。
別にヒフィゼギルド管理官長は悪くない。
私が勝手にヒフィゼギルド管理官長を見るとズキズキするだけだから。
「なんでもありません。」
私は愛想笑いをさらにして逃げた。
私服のピンクのチュニックとレースの生なりキュロットが心細い感じを増強した。
Tシャツとデニムのクロプトパンツにすればよかったよ。
なんかヒフィゼギルド管理官長と見つめあった。
「ちゅん!この男何とかしてよ!」
愛黎王女殿下が廊下を駆けてきた。
だれかついてきてるみたいだ。
「おい、オレは今大切な場面なんだぞ。」
ヒフィゼギルド管理官長が言った。
愛黎王女殿下の方が大事なんじゃないの?
「愛黎さん、どうか僕と付き合ってください。」
撫子の花を愛黎王女殿下に武道家のような道場着を着た男性が捧げている。
「メア・キシグ武術国の方とお見受けするが。」
ヒフィゼギルド管理官長が言った。
「…そうですが、あなたは、誰ですか?」
男性が言った。
「グーレラーシャ傭兵国の傭兵ギルド管理官長、ガイウス・ヒフィゼだ。」
ヒフィゼギルド管理官長が言った。
「ちゅん!この人、私の槌さばきを見て惚れた、何て言うんだよ!」
愛黎王女殿下が言った。
なんでも、襲ってきた、テロリストを槌一本で凪ぎ払ったらしい。
それを沿道から見たこの男性が追っかけて来たらしい。
やっぱり、恋人だから頼るんだよね。
「…物好きな、こいつはいれもんと武術だけがすごい遺跡マニアな変態ですよ。」
ヒフィゼギルド管理官長が笑った。
やっぱり、愛に溢れてる。
今のうちに退避しておこう。
「遺跡マニアだろうと、なんだろうと惚れたんです!この撫子一本で気に入らなければ部屋中に敷き詰めさせます、どうかオレ、ハヤテ・オアシィアの花嫁になってください!」
オアシィアさんが言った。
きっと、ヒフィゼギルド管理官長が断るよ。
だって恋人だもん。
「…オアシィア家の子息か?良いじゃないか?
結婚してもらえ、愛黎。」
ヒフィゼギルド管理官長が笑った。
え?それでいいの?
「ええ?嫌だよ…私は考古学冒険者なんだからね、いくら、メア・キシグの名家の息子でも魅力感じないよ。」
愛黎王女殿下が言った。
「そうか…お前が片付くと…傭兵業務が滞るか?」
ヒフィゼギルド管理官長が言った。
…本当にそれでいいの?最愛の王女様なんじゃ…。
「遺跡…遺跡ならいくらでもついていきます。」
オアシィアさんが言った。
「私、今度、ランダーネフ花王国のジャーレンシア遺跡に行くんで相手してる間ありません。」
愛黎王女殿下が言った。
ジャーレンシア遺跡?なにそれ?
「本当にそれで断るのですか?こちらの男性が恋人だからなのでは在りませんか?」
オアシィアさんが言った。
もう、限界、退避だよ。
ジリジリと後ずさりをした。
「違うぞ!オレはこんな変態など好きではない!」
ヒフィゼギルド管理官長が言った。
え?違うの?
「私もちゅんなんか嫌だよ、こっちからお断りだよ。」
愛黎王女殿下が言った。
そうなんだ…。
少し心が軽くなってきた。
「そうですか、オレはきっとあなたをてにいれて見せます!ジャーレンシア遺跡でもなんでも、この気持ちに嘘偽りはないです!」
オアシィアさんが宣言した。
「わーん、お断りだよー。」
愛黎王女殿下は逃げた。
それを追ってオアシィアさんが出ていった。
「愛黎王女殿下は最愛の人じゃ無いんですか?」
私はため息をついてるヒフィゼギルド管理官長に言った。
「違うぞ!あんなやつ、単なる腐れ縁だ…だから避けてたのか?」
ヒフィゼギルド管理官長が近づいて壁際に私を追い詰めて両手を壁についた。
色気のある顔がよく見える。
「あの、すみません。」
私は謝った。
でも心は晴れた。
別にヒフィゼギルド管理官長は
私みたいな小娘好きなわけないけど。
少なくとも、愛黎王女殿下は恋人じゃないもん。
「真姫奈、オレで我慢しろ。」
ヒフィゼギルド管理官長の顔が近づいてくる。
たぶん、指導役の事だよね。
「はい。」
私は微笑んだ。
ヒフィゼギルド管理官長が一瞬動きを止める。
「真姫奈。」
ヒフィゼギルド管理官長が呟いた。
「これからも指導役よろしくお願いします。」
私はヒフィゼギルド管理官長が置いた腕のあいだから出てお辞儀をした。
「真姫奈~。」
ヒフィゼギルド管理官長がなんか悲しそうな声だした。
どうしたんだろう?
でも、よかったよ…。
例え、手が届かない憧れの存在だとしても
これからもよろしくお願いします。
ヒフィゼギルド管理官長。




