学生守護戦士はバイト中10(ただし、明正和次元)
ガイウスギルド管理官長…。
明音皇女殿下と結婚って嘘だよね。
「姉上も狡猾だな、皇帝夫妻に堂々と紹介すれば、どうにかなると踏んだのかな。」
ユウキ君が言った。
「明音皇女殿下なんていいわよ、いつ頃結婚するの?優輝がいつもうっとり見てた写真の子よね♪」
イレチィス妃が言った。
うっとり見てた?どういう事?
「僕の方は偽造です。」
ユウキ君がにこにこ言った。
うん、そうなんだけどさ。
一夜明けて奥宮に明音皇女殿下の婚約が駆け巡った。
と言うことは世界中に駆け巡ったんだよね。
「ええ?この際良いじゃない、次代キユリの結婚相手は凄腕守護戦士…萌えるわよ。」
イレチィス妃が悶えた。
萌える?どういう感覚なんだろう?
「母上、真姫奈ちゃんは、ヒフィゼさんの運命の相手だよ、世界がそういってる、僕が次代キユリである以上偽れない。」
ユウキ君が言った。
本当にガイウスギルド管理官長が運命の相手なら良いのに。
「あら、それで、諦めるなんて、あなたバカじゃないの?こんなときこそつけ込むのよ!」
イレチィス妃が言った。
「母上…本人の前で言わないでください。」
ユウキ君が頭を抱えた。
「………私、明日、三次界に帰りますね、学園祭の準備しないとだし。」
これ以上明音皇女殿下とガイウスギルド管理官長の話聞きたくないし。
「だったら、優輝、一緒に行きなさい、恋愛は気合いよ!」
イレチィス妃が言った。
なんか熱い人だな。
「優輝様、希望麒麟が面会を希望されております。」
侍従が言った。
「希望さんが?通してください。」
ユウキ君が言った。
「優輝君、忙しいのにごめんなのです。」
小柄…小学校高学年くらいの水色がかった銀の長いくせ毛と水色の目の美少女が入ってきた。
「希望さん、どうしたの?」
ユウキ君が言った。
「明音お姉ちゃんが恋に生きて仕事をしてくれないのです、情報収集の仕事に支障があるので一緒にいって注意してほしいのです。」
希望さんが言った。
ああ、麒麟って情報収集が仕事だもんね。
あと各国にいる竜族のフォローとか。
明音皇女殿下も関わってるんだ。
「…希望さん、姉上のフォローもしてるんだ。」
ユウキ君が言った。
「明音お姉ちゃんは時竜ですから。」
希望さんが言った。
「時竜?竜族なんですか?」
竜族がアタランテ帝国の皇族に?
「明音お姉ちゃんは時竜が強いんです、竜体もってるので、時竜の里では一族扱いなのでフォローしないとなのです。」
希望さんが言った。
「姉上が妙に情報通なのはもしかして?」
ユウキ君が言った。
「私と情報収集してるからなのです、結愛お姉ちゃんの時からそうだったのです。」
美少女がため息をついた。
なんか、憂鬱らしい。
「結愛さんの幸せ、希望さんの不幸せか…いつか出会いがあるよ、希望さんにも。」
ユウキ君が言った。
「…とりあえず、一緒にいってください。」
希望さんが言った。
「真姫奈ちゃん、いこうか。」
ユウキ君が言った。
ええ?明音皇女殿下に会いたくない。
「いってくればいいわ、ついでに優輝も婚約宣言してくれば良いのよ。」
イレチィス妃が言った。
「母上は黙っててください。」
ユウキ君は冷たく言った。
明音皇女殿下の部屋はお祝いムードにみちあふれて…いない?
「ガイウスさんが帰ってきません。」
明音皇女殿下がソファーに座ってうなだれてた。
ええ?夕べから?
「強引に事を進めるからですよ、どこにいるかわかっているんですか?」
ユウキ君が言った。
「……きちんと人をつけたのですが撒かれたそうです。」
明音皇女殿下が言った。
撒かれた?どこに行ったんだろう?
「さすが、蓬髪のガイウス、すごいですね。」
希望さんが言った。
二つ名まで知ってるんだ。
麒麟の情報収集能力スゴイ!
「優輝、どこにいるか占ってください。」
明音皇女殿下が言った。
「姉上…いい加減諦めた方がいいですよ、ヒフィゼさんの運命の相手は真姫奈ちゃんです。」
ユウキ君が言ってくれた。
「で、どこで見失ったんですか?」
希望さんが言った。
「前宮です。」
侍従さん?が言った。
前宮って一番外に近いところだよね。
「もう、外に出てるんじゃないですか?」
ユウキ君が言った。
「……わかってるんです、強引だっていうことは…でも…諦めきれないんです。」
明音皇女殿下が涙に濡れた目で言った。
「姉上には別の運命の相手がいます、ヒラエスさんやウラリゼさんではありません。」
ユウキ君が言った。
次代キユリってどこまで見えてるんだろう。
「…明音お姉ちゃん…情報収集は…まあ、明日からでいいですよ。」
希望さんが言った。
「…希望ちゃん。」
明音皇女殿下が言った。
ガイウスギルド管理官長。
結婚する気ないんだ。
自分のものになるわけじゃないけど。
なんか嬉しい。
「皇帝陛下たちには当初の予定通りふったことにしておけばいいんじゃないですか?」
ユウキ君がどこか虚空を見ながら言った。
「……気持ちが落ち着いたらいいにいきます。」
明音皇女殿下が言った。
一件落着かな?
「……ところで、真姫奈ちゃん、ガイウスさんピンチみたいなんだけど。」
ユウキ君が言った。
「え?どこでですか?」
すぐに助けにいかないと!
「下町か…。」
ユウキ君がのんびり?呟いた。
「案内して!」
私はユウキ君の手を握って駆け出した。
「本当に対象外なんですね。」
希望さんが言った。
恋愛対象外だけど大事な友達だよ。
でも、今はそれよりガイウスギルド管理官長
なんです。
あの蓬髪のガイウスさんがピンチって
いったいどうしてだろう?
アタランテ帝国の宮殿は広い。
「真姫奈ちゃん、そこ抜け道だから。」
ユウキ君が言った道を通るとどこかの路地裏に面したアパートの一室にでた。
「…よくしってるね。」
さすが次代キユリ?
「次代キユリになる前よく抜け出してたから。」
ユウキ君が言った。
皇子殿下のお忍びというのは伝統らしい。
「こっちだから。」
ユウキ君が言った。
家から出ると細い道がそこら中にある。
「迷いそう。」
道が複雑だよね。
どこに出るのかわからないし。
「うん、まあ、ついてきて。」
今度は逆に手を引かれた。
道は細いけど清潔で小さいお店があったり
お年寄りが台を出してボードゲームをしてたりしている。
そのわきを小さい子が元気に駆け抜ける。
あの子は背中に妖精の羽根があったな。
あっちは蜥蜴?のしっぽつきの子だ。
「賑やかだね。」
私は一瞬目的をわすれた。
「うん、いい人ばかりだよ。」
ユウキ君が言った。
「ユウキー、久しぶりー、帰ってたんだ。」
紫の髪の女性が言った。
「ああ、えり子さん、いいところで、焦げ茶のみつあみの男性がこの辺に来ませんでしたか?」
ユウキ君が言った。
あれ?場所知ってるんじゃ無いの?
「うーん、じいちゃんたち見たかい?」
えり子さんが聞いた。
「知らんよ。」
白髪の老人が言った。
「見てないぞ。」
てっぺんハゲの老人が言った。
「ありがとう、やっぱり、見られてないか…いこうか。」
ユウキ君が私の手をひいて歩きだした。
ええ?どういうこと?
本当にヤバイって言うことですか?
わーん、心配だよ。
ガイウスギルド管理官長どこにいるんだろう?




