学生守護戦士、ついに抱き込まれる?
ガイウスギルド管理官長。
絶対に助けます。
「そこの袋小路にいるんだけど…空間術がかかってるんだよね。」
ユウキ君が言った。
下町特有の細い路地の袋小路にはだれも居なかった。
「空間術?空間制御術なんて使えないよ。」
どうしよう…私の属性は水だもん。
「うん、そうだよね、空間制御術破るのなら空間制御師か、時竜くらいじゃないと。」
ユウキ君が言った。
なにのんきなこといってるんだろう?
「空間制御師さん、呼ばなくちゃ!」
アルファース先輩、空間制御術使えないかな?!端末どこだっけ?
差し入れ小袋を探る。
「真姫奈ちゃんは愛の力で破るとかいう人じゃ無さそうだし…その点はよかったよ。」
ユウキ君が冷静に言った。
「この辺に時竜さんとか空間制御師さんどこにいるかな?」
私は必死で小袋をひっかきまわした。
いつもはすぐ出る端末がでない。
「あのさ、こんなときにいうのもなんだけど…ヒフィゼさんとの娘、僕にくれないかな?」
ユウキ君が言った。
ええ?娘?
「娘なんかいないよ。」
ヒフィゼさんってガイウスギルド管理官長のことだよね。
「……未来のことだよ、本人の意思は極力尊重するけど、僕の弟子で運命の相手だから、次代キユリじゃないけどね。」
ユウキ君が言った。
「…もし、娘をあげたら助けてくれる?」
現実感のない娘よりガイウスさんだよ。
「うん、ぼくのつたない時竜の空間術でもこのくらいの空間術は解けるからね。」
ユウキ君が言った。
ごめん!未来の娘!嫌なら自分で逃げて!
その時は絶対にサポートするから!
「わかった、娘の一人や二人好きにして!」
なんか悪人になった気分だよ。
「一人でいいんだけどね、さがってて。」
ユウキ君がそういって力を練りはじめた。
今のうちに斧を出しておこう。
空間が歪む…音もなくそこの空間おおっていた何かが溶けた。
焦げ茶色のミツアミが解かれた髪が見える。
そこここに擦り傷がみえるけど大怪我はないみたいだ。
明らかに下町に異質な戦闘能力だけはありそうな連中が武器をかまえて回りを取り囲んでいた。
何人か足元に倒れて痙攣してる連中は例の痺れ針に当たったらしい。
「ガイウスギルド管理官長!」
私はすぐにそばの何人かを斧でないた。
避けきれなかった二人がよろける。
「く、援軍か!守護戦士がなぜこの場に!」
リーダーらしい男が言った。
「真姫奈?」
ガイウスギルド管理官長が言った。
「おや、優輝皇子殿下までおいでなら、一石二鳥ですね。」
後ろの空間から誰かが出てきた。
空間術?空間制御師?
見覚えあるんですが…たしか、レセプションで…。
「ヒラエスさん、ここまで腐ってるとは思いませんでした。」
ユウキ君が微笑んだ。
「邪魔者が揃ってると良いですね、一回ですみますから。」
例のヒラエスのご令息が言った。
「守護戦士にグーレラーシャの傭兵をこのくらいでたおせるとおもってる?傲慢だね。」
ユウキ君が言った。
あんまりあおらないでほしいな。
「けれど、ここにはあなたの大事な下町の住民たちがいますよ、大技はしかけられないのではありませんか?」
ヒラエスのご令息が笑った。
大技って戦闘ゲームじゃあるまいし。
動きは最低限、効果は最高っていう戦闘スタイルがプロの動きです!
寝言は寝てから言いなよね!
めんどくさいので鞭にもちかえてヒラエスのご令息を攻撃!
「卑怯ですよ!空間制御師から狙うなんて!」
バッチリ当たったヒラエスのご令息が痛そうに言った。
威力がいまいちかな?弓あたり…出す間ないか!
戦闘員が襲いかかってきた。
鞭と体術でいなす。
「さすが!守護戦士というところか!?」
リーダーがそういって剣を降り下ろした。
「おそい!」
止まってるみたいだよ!
私はリーダーの腕をけって剣を飛ばした。
「親分!大丈夫ですか?」
戦闘員が腕を押さえたリーダーに言った。
「大丈夫だ!やれ!」
リーダーが腕を撫でながら言った。
骨はおれてないと思うけど。
戦闘員がリーダーの前に出る。
「くそ!この女!」
戦闘員が武器を降り下ろそうとした瞬間倒れた。
「オレが居ることを忘れるな。」
ガイウスギルド管理官長が鎖がまで足を絡めて倒したようだ。
「なんでこんなことをしたんですか!?」
ヒラエスさんは明音皇女殿下と側室だけど結婚するはずでしょう?
「庶民にはわからないでしょうね、名門の私はいつも明音皇女殿下の皇配になるように一族にプレッシャーを掛けられてきました…それなのにぽっと出の傭兵などに奪われるわけにいかないのです、ウラリゼのアホはうまく動いてくれないし!」
ヒラエスのご令息が叫んだ。
それは気の毒だけどだからって他人を襲っていいことにならないよね。
それに!
「ガイウスギルド管理官長は明音皇女殿下のものじゃないです!」
だから出ていったんだよね。
「そうだ!オレは真姫奈のものだ!」
ガイウスギルド管理官長が叫んだ。
本当にそう思ってくれてるの?
「最初の邪魔者は優輝皇子殿下でした、側室の息子の癖に妙にカリスマ性があって一時期は宮殿がわれました…あなたはいつか消す予定でした。」
怪しい笑いを浮かべてヒラエスのご令息が言った。
「そんなのユウキ君のせいじゃないよ!」
なんとかもう一度攻撃を…。
「よそ見してる間はねーぞ!」
戦闘員が攻撃を仕掛けてきたのでよけて転ばせる。
「いいえ、男性に生まれた、優輝皇子殿下のせいです。」
ヒラエスのご令息が妙に静かに言った。
「ヒラエスさん、もう諦めたらどう?姉上はきっと許さないと思うけど。」
ユウキ君が言った。
「いいえ、あなた方をすべて倒せば良いのです!優輝皇子殿下、お別れです、次は是非女性に生まれてきていただきたいですね。」
ヒラエスのご令息が力を振るった。
空間の歪みが戦闘員も一緒に包み込む。
「空間の歪みを空間制御師が発生させていいの?」
ユウキ君が言った。
「理論的にはいくらでもできるのですよ、空間凍結でお休みなさい…永遠に…。」
ヒラエスのご令息が笑った。
わーん、空間術なんて回避できないよー。
どうせ、凍結されるなら…。
ガイウスギルド管理官長の腕の中でされたい。
動けるうちに行動しよう。
「ガイウスギルド管理官長!」
私はガイウスギルド管理官長に抱きついた。
そこにいくまでに戦闘員を倒したのはいうまでもない。
「坊っちゃん、われわれも巻き込む気じゃねーだろうな?」
リーダーが言った。
「そのうち掘り出してあげますよ。」
嘘くさい笑みでヒラエスのご令息が言った。
「くそ!」
戦闘員がヒラエスのご令息に襲いかかろうとして空間の歪みにとらわれる。
「真姫奈、オレはお前がいればどこでも楽園だ。」
ガイウスギルド管理官長がそういって私を抱き込んだ。
ああ、このまま空間凍結されても悔いはない。
空間の歪みが範囲を縮めていく。
もう、逃れられない…。
ヒラエスのご令息が歪んだ笑いを浮かべながら腕をあげた。
「空間の歪みを発生させないでください!」
可愛い麒麟が言った。
空間の歪みがみるみる解消されていく。
「希望ちゃん!」
ユウキ君が言った。
「邪魔するな!時竜ふぜいが!」
ヒラエスのご令息が怒鳴った。
「私、担当の地域で空間の歪みは発生させません!後の処理が面倒なんです!」
希望さんがそういって力をヒラエスに放った。
「この、くそがき!」
ヒラエスのご令息が殴りかかろうとして空間術でいなされる。
今のうちにここを制しないと!
「オレらはもう、戦わねーぜ、空間の歪みにまきこむなんて契約違反だぜ!」
戦闘員リーダーが言った。
まあ、そうだよね。
「この!げすども!」
ヒラエスのご令息が言った。
「いいえ、げすはご令息ですよ。」
空間の歪みに全員巻き込もうなんて
空間制御師の風上にもおけないよ。
私はガイウスギルド管理官長を見上げた。
離れたくない…でもあの男はこの手で倒したい。
「真姫奈、オレも同じ気持ちだ、行こう!」
ガイウスギルド管理官長が私を抱き上げて歩き出した。
あれ?はなしてもらうつもりだったのに?
「そんな状態で私を倒せるとでも!」
ヒラエスのご令息が言った。
「まあな、真姫奈。」
ガイウスギルド管理官長が私の腰をもって前を向けた、向くときの反動を使ってヒラエスのご令息にけりを入れた。
「ずいぶん飛びましたね。」
希望さんがいう通り、ヒラエスのご令息は
道の向こうまでとんだ。
しばらく様子を見たけど起き上がらない。
動いてる様子はみられるから死んでないと思うけど。
「まあ、自業自得だよね。」
ユウキ君が言った。
「真姫奈、オレはお前を離さない。」
ガイウスギルド管理官長がそういって私の向きを変えてしっかり抱き込んで…。
き、キスされちゃったよー。
く、唇と唇のやつー。
どうしようー。
「…私…ガイウスギルド管理官長から離れたくないです…でも…。」
抱き込まれちゃったら…。
私、守護戦士二級資格とりたいんです。
このまま抱かれてたらとれなくなっちゃう!
どうしよう?
でも、幸せはすごく幸せないだよー。




