傭兵ギルド管理官長は完璧熱愛中1
真姫奈がいる。
どうやってこの腕に取り戻そうか?
「お帰りにならなくてよいのですか?」
五十嵐本家の当主殿が言った。
「ええ、大丈夫です。」
傭兵ギルドの連中はかっちりきっちり真姫奈を落とすように言われている。
まあ、いても恋に狂ったグーレラーシャ人なんぞ役に立たないからな。
今まで、他人が濃い恋愛をしているのを見てどうしてそうなれるのか不思議だったが。
自分がなってはじめてわかることもあるんだな。
「真姫奈ちゃんは忙しいのです、これから守護業務の実習なのです。」
当主殿が言った。
まあ、そうだろうな。
理性は真姫奈の夢の邪魔をするなといっているが…。
本能は完璧に真姫奈をこの腕に抱き込みたいと言っているな。
まあ、もし、離せなくなっても責任はきちんととるつもりだ。
結婚はもちろんするし、他の男になんか見向きもさせないくらい甘やかして…。
「ふみふみワンコに踏まれた怪我は大丈夫なのですか。」
当主殿が言った。
あの犬恐ろしいな高等鎌士を
蹴りと踏みつけ攻撃で昏倒させるなど…。
傭兵登録時測ったら、高等蹴り士か?
「大丈夫ですよ、真姫奈の実習には同行させてもらいます。」
そして、隙を見て抱き上げよう。
もう、限界だ。
「そうですか?では指導者を紹介するのです、アルファース・オグラ二級守護戦士なのです。」
当主殿が言った。
すらりとした若者が頭を下げたのでこちらも下げた。
隙のない男だな。
「これから、次代キユリ、ユウキ様の守護業務なのです。」
当主殿が言った。
ユウキ様とはあの浮世離れした占い師のことらしいな。
さて、それはおいておいてどこで、このアクセサリーを渡そうか?
「ヒフィゼギルド管理官長、お帰りにならなくていいんですか?」
鍛練が終わった真姫奈がやって来た。
あせまみれで顔に張り付いたか髪の毛が色っぽいな♪
細い首に吸い付きたい。
「ああ、当分ここにいる、真姫奈と二人きりで話せるとよいが。」
オレは笑った。
「真姫奈ちゃんは忙しいのです。」
当主殿が邪魔をした。
当主殿は真姫奈がさらわれると思っているようだ。
よく、わかってるな、真姫奈をこの腕に抱き込んだら、もう、二度と離すつもりはない。
大袈裟か? だが、うちの祖父母はいつでも一緒だ。
父親は……諸事情により独り者なんだが……アキュア人の母親のせいで……モテるのにどこかにいい女性はいないのか?
考えている暇はない、先手必勝だ、押して押して押しまくるんだ。
「実習も同行させてもらう。」
オレは真姫奈に微笑んだ。
「え?なんか恥ずかしいです。」
真姫奈は赤くなった。
ああ、なんてかわいいんだ。
抱き込んでだれにもみせたくない。
「真姫奈ちゃん、嫌なら断るのです。」
当主殿が静かに言った。
「……あの、よかったら、同行してください。」
真姫奈はそういってオレの手の届く範囲までよってきた。
「真姫奈。」
オレは真姫奈を抱き寄せようと腕を伸ばした。
真姫奈の居場所はオレの腕の中だからだ。
「腕がお疲れなのですか?」
当主殿がそういってオレの伸ばしかけた腕を押さえた。
そういえば、当主殿は手練れだった。
恐ろしいな、気配がなかったぞ。
「大丈夫です。」
オレは言った。
「そうなのですか?なんなら、ふみふみワンコにマッサージさせるのです。」
当主殿が笑った。
なんて、含みのある笑いなんだ。
ふみふみワンコでマッサージなど。
アザができそうではないか?
「いえ、大丈夫です。」
オレは言った。
「ヒフィゼギルド管理官長、私、頑張ります、文月さん、準備してきますね。」
真姫奈はそういって道場を出ていった。
ああ、また、抱き込めなかった。
真姫奈を抱き込んで抱き上げてデロデロになるまであんなことやこんなことがしたいのに。
「ヒフィゼギルド管理官長さんもいくなら準備するのです。」
当主殿が言った。
気がすすまなそうだな?
「わかりました。」
そんなにオレに真姫奈をやりたくないのか?
だが、オレは決めたのだ。
真姫奈をこの腕の中に取り戻すと。
そして、一生離さないとな。




