28/376
森の中で狼は
森に入って数日ばかり経った頃、最初にダルエを襲ったのは狼だった。この母狼は実は子供を見失って狼狽し、疲弊し、この上なく獰猛になっていた。ダルエは傷ついた子狼を偶然に見つけるや否や、持ち合わせていた薬剤で前脚を手当てし、持ち合わせていたわずかな水と食料を分けてやったのだった。この様子を離れたところから見ていた母狼は、子供を手厚く我が胸に抱え、子と連れ立ってダルエの共をした。人間の言葉を話すこの狼は、この後にダルエをあらゆる危機から救い、その強い嗅覚と動物の勘をもってテフォペを探し当てたのだった。




